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【取材日記】武蔵野・小山昇さん

投稿日時:2008/01/29(火) 09:51rss

先週の金曜日、
経営者会報3月号特集「働きがいのある会社」
取材で、株式会社武蔵野さんにお邪魔して参りました。

お相手は社長の小山昇さん。
数々の講演をこなされ、著書も多数出されているので、
ご存じのかたは多いかと思います。

比喩が抜群にお上手で、
自社の経営を、借り物ではない、
ご自身の言葉で語られているのが印象的でした。

こんな人のもとでなら、
社員のかたがたもみなさん、
思わず頑張りたくなるのだろうなと、
お会いして数分で感じました。
とにかく、魅力的なかたでした。

こやまさん

■武蔵野 ホームページ>>>
http://www.musashino.co.jp/

同社はダスキンさんの事業を長く手がけ、
最近は独自に築き上げた「儲かる仕組み」を社外に公開。
そのこと自体、事業の一環と位置づけています。

小山さんは、社長に就いた90年頃から、
様々な社内改革に乗り出し、
同社を成長軌道に乗せてこられました。
2000年には日本経営品質賞(中小企業部門)も
受賞されています。

そうした改革に着手したきっかけは、
ご本人いわく、至ってシンプルでした。

「他の社長がやっていることをやっていても
全然うまくいかなかった。自分で考えて、一
番いいと思ったことをしてきただけです」

詳しくは、3月1日発行予定の経営者会報3月号を
ご覧いただければと思いますが、
ほんのちょっと、ご紹介します。

「一番大事なのは信頼感だと思いますが、そ
のためには社長が偉そうにふんぞりかえって
いたり、聖人君子面していては駄目。馬鹿な
ことも言ったりやったりしないとね。私にと
っては、社員はみんな友達。信頼できてなん
でも話せるのは、親より親友でしょ? 弱み
も見せたほうがいいんです。私は飲む打つ買
うの話もするし、社員に弱みも握られている。
もっとも、私のほうがもっと彼らの弱みを握
っているけど(笑)」


同社では個々の社員の給料・報酬は、
すべて社員に公開しているそうです。
小山さんはじめ役員も例外ではありません。

こうした透明性も、社員のみなさんの信頼感を
得ることにつながっているのでしょう。

しかも小山さんは、年間80日くらい、
社員のみなさんとお酒を飲むそう。
費用もほぼ会社もちだそうです。

互いに何でも言い合える雰囲気をまず作り上げているからこそ、
建設的な意見や提案、行動が伴ってくるのだそうです。
このあたり、傾聴すべきご意見だと思います。

とはいえ、飲み会に関しては、だらだら飲むわけではなく、
社員のかたは冒頭と終わりに数分間のスピーチで
仕事に関する決意表明をしなくてはなりません。

そうした“社員教育”が、
社員のみなさんに積極性を育み、
大幅な権限委譲を可能にしているのです。
小山さんは次のようにおっしゃいます。

「なんでも社長がやりたがるから人が育たな
いんです。うちは社員がやってくれるから何
の心配もいらない。だから講演もできるし、
お酒も飲める(笑)」


同社の権限委譲の例を一つ挙げると、
チーム制というものがあります。

これは、会社のある部分に問題意識をもつ社員に、
その問題解決を任せてしまう制度です。
立候補制で、いま5つのチームがあるそうです。
多いときは11あり、解決したので5つに減ったとのことでした。

サンクスカードも特徴的です。

これは、ある人になにかいいことをしてもらった場合、
感謝の意を捧げるもので、一番カードをもらった人は、
全社員の前で年に一度、表彰されます。

一番多く書いた人も、それだけ数多く、
感謝の輪、人に素直に感謝する空気を
社内に生み出した人ということで、表彰されます。

書かれたカードは社内に張り出されています。

さんくす

それにしても、ご紹介したいエピソードが多すぎて、
残念ながら、とても書き切れません。
あとは本誌に記します。
どうかお手に取っていただきたいと思います。

武蔵野さんは、並はずれてユニークで
独創的な会社でした。

小山さん、ありがとうございました。
またぜひ、楽しいお話をお聴かせください!

(編集部・酒井俊宏)



けいかい0801
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『月刊ニュートップリーダー(L.)』(前身は「経営者会報」)編集部にて社長の取材記事を担当。十数年の間に800名以上の経営者に取材、多くの経営者に感銘を受けた経験から、「日本を支えているのは中小企業とその経営者」と確信し、敬意を抱いている。『経営者会報ブログ』サイト編集部員も兼ねる。

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