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【取材日記】 被災企業・復興への道②南三陸町

投稿日時:2011/07/22(金) 09:39rss

被害の甚大だった南三陸町です。
人々の頑張りで、道路は通れるようになっていますが・・



お供えものをするスペースがあり、
お線香が焚かれていました。
私も手を合わせました。

各地でこうした「遺構」を
共通の記憶として風化させないためにこのままずっと残す、
といった議論もあるようです。

被災地のこと、被害状況のことは
皆で共有しなくてはならないし、風化させてはいけないと
思いますが、別の手段があるようにも思います。




津波の脅威を物語る、
クルマが乗ったままの建物はあちこちに見られました。

第一波が満ちていた時間は、
地元の人におたずねすると、10分間くらい。
1階部分は水浸しになるのは覚悟していたけど、
まさか、あれほどとは……ともおっしゃっていました。
 

 


某コンビニエンスストアの店舗です。

自衛隊、警察、消防、さらにボランティアのかたへの
謝意を示す、こうした表示や看板があちこちにありました。

警視庁の機動隊の人たちが、
ご遺体の捜索に携わっているとおぼしき場面にも遭遇しました。

福島の原発で処理にあたっておられる人々もそうですが、
ほんとうに多くの方がまさに体を張って、
捜索や復旧に携わっておられます。
頭が下がります。

仕事をもっている人間は、まずその仕事をきっちりやることだ、
と思っていますが、そのうえでこうしたボランティアに励む人も
多いと思うと、本当に頭が下がります。


南三陸町だけではありませんが、
宮城県内、そして県外からも
多くのボランティアの方がやってきています。

高台にある、体育施設に町役場機能を移し、
その敷地内に上の写真の、ボランティアセンターが
設置されています。

周辺の道路や空き地には、ボランティアのかたがたが
自分で設置した宿泊用テントがおびただしい数にのぼっていて
なんともいえない心強さを感じました。

実は行きの新幹線車内も、
上野で朝7時台の早い列車に乗ったにもかかわらず、
満席状態でした。若いボランティアの方や、なかには
母娘とおぼしき人たちもおられました。

少しでも東北でお金を落とそうという風情の、
初老のご夫婦なども多いように思いました。

東北新幹線は、北関東などへの取材で
よく乗りますが、指定席であれほど混んでいたのは
記憶にないことです。

さて、あろうことか、先日、首相の座にある人は、
なでしこジャパンの澤穂希選手に、
「これから間に合うかわからないけどリーダーシップを学びたい」
と言ったそうです。もはや絶句するほかありません。

澤さんはもちろんすばらしい。
なでしこジャパンもすばらしい活躍でした。

が、いまこの状況下で、
政治のトップに立つ人物が言うべき台詞ではないことは
いうまでもないでしょう。

政治の空白が埋められたのなら、
これほど犠牲的精神をもつ人が多いのですから、
復興は加速度的に進んでいくのではないか、と思うのです。




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『月刊ニュートップリーダー(L.)』(前身は「経営者会報」)編集部にて社長の取材記事を担当。十数年の間に800名以上の経営者に取材、多くの経営者に感銘を受けた経験から、「日本を支えているのは中小企業とその経営者」と確信し、敬意を抱いている。『経営者会報ブログ』サイト編集部員も兼ねる。

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