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2011年12月28日(水)更新

【取材日記】山水閣 片岡孝夫さん

月刊ニュートップL.(リーダー)2012年2月号
特集「『高い』のに繁盛する会社」の取材で
栃木県那須町の温泉旅館・山水閣に邪魔し、
社長の片岡孝夫さんにお話をうかがってきました。 



 
片岡さんです。(撮影・山本信介)

 
この特集の趣旨は、高付加価値な事業を追求している
企業の具体例を通じて、価格競争などの「消耗戦」から距離を置き、
独自路線を歩んで成功するためのヒントを、
読者のみなさまに示すものです。
 
山水閣さんは別館まで含め、30前後の客室があります。
片岡孝夫社長によれば「稼働率は7割程度に抑える」とのこと。
かつては100%を目指していたそうですが、
行き届いたサービスを実現するにはそのくらいが理想で、
できれば隣の部屋にほかのお客さんがいないくらいにしたいそう。
 
高級路線ではサービス過剰な感のある旅館業にあって、
同館では贅肉をそぎ落とし、それでいて行き届いたサービスを実現しています。
 
たとえば客室係の客室への出入り頻度は意図的におさえる。
女将さんは置かずに、全従業員に自分たちが主役、という意識を徹底しています。
 
那須高原という立地もあり、大いにリフレッシュできる宿として人気で、
数か月先まで予約で埋まっているそうです。
 


(撮影・山本信介)
 
■山水閣 >>>
 
宿そのものの素晴らしさは
このホームページからも十分うかがえます。
 
詳しくは本文をご一読いただきたいと思いますが、
特筆したいのは同館は10年前まではごく普通の旅館で、
赤字続きで危機的な経営状態にあったということです。
 
当時、家業を手伝い始めた片岡社長は、たたむ方向で考えていました。
しかしある出来事をきっかけに翻意し、
すべて自分の問題として全責任を背負うと決めます。
そこから同社の躍進が始まります。
 
片岡社長が経営者としてどう生きるかを模索し、
答えをつかんでいく過程と同館が見違えるような宿になっていく過程は
僭越ながら、明らかに重なっているように感じました。
 
同特集にご登場の各氏に共通していますが、
中堅・中小企業における経営とは、
トップその人が経営者としてどう生きるか、人としてどう生きるか、
そのあらわれにほかならないと思います。
 
お客さん、エンドユーザーは、
サービスや製品を通して表現される経営者その人の、
哲学や行動の支持者なのでしょう。
 
 
 
(編集部 酒井俊宏)
 
 
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