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2011年08月19日(金)更新

【取材日記】寒梅酒造 岩﨑隆聡さん

前回に続きまして、月刊ニュートップリーダー
(=旧誌名「経営者会報」)9月号
の取材で
お話をうかがった社長さんのことを記します。
 
仙台市の北、大崎市の古川地区は“酒どころ”として知られています。
この地の蔵元・寒梅酒造の代表で、
ご自身も杜氏を務める、岩﨑隆聡さんにお話をうかがってきました。
 

 


 

■寒梅酒造 >>>
 
同社の銘柄は宮寒梅
東北地方でも指折りの人気を誇ります。
 
その場で購入し、あとで冷やしていただきましたが、
馥郁(ふくいく)とした香りの、とても美味しいお酒でした。
一口呑んで大ファンになりました。
 

 
大津波による被害は、もちろん凄まじいものがありますが、
大地震そのものによる被害も甚大です。
 
古川地区は震度6強を記録。
寒梅酒造さんでも相当の損害が出ました。
 
上の写真にもあるインタビュー場所となった社屋は、
さほど被害はなかったそうですが、
裏手にあった酒蔵は崩壊。
 
瓶詰めしたばかりだった製品の
ほとんどが割れてしまったそうです。
 
寒梅酒造さんは綺麗な小川から近いところに建っています。
その小川の土手にあった道路が崩れてしまい、
取材当日もまだ工事中のため通行不能で、
カーナビの指示ではなかなかたどりつけませんでした。
 

岩﨑家は、もともとこのあたり一帯の大地主さんでした。
岩﨑さんは蔵元を始めてからは四代目で、
大地主としては「二十代目は超えていると思います」
とのことです。
 
同社ではネット通販より、いまも通常の販売ルートに力を入れているそうです。
 
岩﨑さんはこうおっしゃいます。
ご立派だと思います。
 
「うちは問屋さんや小売店さんに大きくしてもらった
酒蔵なんです。その恩返しの意味もあるし、皆で生き
残っていきたい。うちだけよければいいっていう考え
はあり得ない」
 
下の写真は、ご自身が所有する稲田です。

 
こういう方たちこそ大地主だったわけです。
いわゆる農地解放は「よいこと」という文脈で
語られがちですが、本当にそうなのでしょうか。

その土地に責任をもち、働く人たちに目配りをしていた
地主さんたちの末裔が岩﨑さんのようなかたなのではないか、
と思うのです。
 
さて、岩﨑さんには、立派な跡継ぎの方がいらっしゃいました。

娘の真奈さんと、そのご主人の健弥さんです。
真奈さんはまだ26歳。ご主人も同い年です。
 

 
ご夫婦で、若者に好まれる日本酒、
「一杯で旨い酒」造りを目指していかれるそうです。
陰ながら応援したいと思います。
 
岩﨑さんも、先の山内さんの記事でご紹介した、以下のファンドを利用しています。
ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
 
■セキュリテ被災地応援ファンド >>>
 
 





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2011年08月18日(木)更新

【取材日記】 ヤマウチ・山内正文さん

再三、この場でお知らせしてきました通り、
月刊ニュートップリーダー(=旧誌名「経営者会報」)
9月1日発行9月号の取材で
ライター・吉村克己さんと一緒に東北を回ってきました。
 
自宅も会社も失うような苦難のなかで、それでも意思を強くもち、
再起をはかる経営者のみなさんの奮闘ぶりをレポートした
「立ち上がる被災企業 復興への途(みち)」と題した記事は、
ぜひみなさんに、ご覧いただきたいと思います。

そのようにしてご紹介することが、
弊誌なりの支援であるとも考えています。
 
発行に先立ちまして、
ご登場いただいた経営者の方の素顔をご紹介します。
今回は、株式会社ヤマウチ山内正文さんです。
速報的に一度、ご紹介しましていますが、
改めて記したいと思います。

山内さんは、津波被害の大きかった南三陸町・志津川で
鮮魚店・鮮魚加工業を長年営んでおられます。

 

■ヤマウチ(山内鮮魚店)>>>
 
ご覧の通り、明るく元気でエネルギッシュな方でした。
ご家族も社員のみなさんも全員無事だったとはいえ、
お店、ご自宅、加工場と、すべて流されてしまったというのに……。

むしろ、取材に訪れた私たちが、元気をもらった格好になりました。
 
大津波が町を襲ったとき、
山内さんは高台にある志津川中学校に避難していました。

町が呑み込まれるさまを、呆然と見下ろすしかなかったといいます。
生まれ育った町がすっかり呑み込まれてしまうまで、
わずか10分くらいだったそうです。
 
志津川中学校は、そのまま避難所になり、
偶然、トラックの運転手さんが魚を満載した車ごと避難していたため、
同じように避難していたお寿司屋さんらと一緒に腕をふるって、
煮たり焼いたり、さらにホタテや牡蠣入りの雑炊まで
被災された人たちにふるまって、大いに喜ばれたそうです。
 
しかも場所が場所でしたから、子供がたくさんいます。
 
山内さんは皆で子供の面倒をみようと周囲の大人に呼びかけて、
避難所に自治会をつくったそうです。
 
さらには南三陸町の復興をはかるべく、
「福興市(ふっこういち)」の実行委員長にも就任されました。
このイベントがまた素晴らしい!
 
■福興市・公式サイト >>>
 
実は、ヤマウチでは、高台で工事中だった
冷凍庫兼工場だけは無事でした。
 
現在は工事を再開し、ここを拠点に、
山内社長はご家族のみなさんや社員さんとともに
再帰に向かって歩んでおられます。
 


長年経営誌の編集を手がけてきて、私なりに考え感じるのは、
実はリーダーは、平常時はそこそこ・ほどほどに何事も、
部下に任せられるなら任せてにこにこしているのがよくて、
リーダーシップとは、危機や窮地でこそ、
その真価が発揮されるものだということです。
 
とはいえ、このたびの震災は
危機と形容するのもはばかられる大惨事です。

こういう状況にあって、なすべき行動を見つけ、
そこに向かって動くことのできる発想力と行動力、
人が信じてついてくる人間性と明るさをお持ちの
山内さんのような方は、天性のリーダーなのだと感心します。
 
山内さんはこうおっしゃいます。
 
「復興には早くて五年、まあ一〇年はかかる。その間は
好敵手だった地元の同業者とも休戦協定だと言って申し
合わせている。抜け駆けはなし(笑)。みんなでよくな
って、この街の復興の力になりたいからね」
 
なお、山内さんのところもですが、
このたびの震災で被災し、
以下のファンドを利用している企業がかなりあります。
 
こうしたファンドを通じた支援も素晴らしいと思います。
ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
 
■セキュリテ被災地応援ファンド >>>
 
 
 





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2011年08月17日(水)更新

つくば暮らし・ひまわり

ほんとうに暑い日が続きます。
みなさま、ご自愛ください。


いまごろですが、つくばのわが家では
ひまわりがどんどん開花しています。

 


よく考えてみると、庭のある暮らしは、
親元を離れてからここへ越してくる3年前まで、
実に25年近くしていなかったこともあって、
ひまわりを、うしろから日々、眺めるというのは
初めての経験です。

ほんとうに、お日様に向かって、
顔(花)が向いて回っていくのですね。
なんだか感動してしまいます。


ゴーヤのカーテンのほうは、
完成といっていいのかもしれません。
 

 


日々、ぼんぼん実っていて、
いまは会社の編集部の人間や後輩たちや、
印刷所の営業のかた、カメラマンさんなど関係者のみなさんに
無理に引き取ってもらったりしています。

数日前の収穫です。(↓)
右は、ブルーベリー。こちらは朝早く穫らないと、
ひよどりなんかにもっていかれてしまいます。




もちろん、プロの農家のかたがつくるものには
とうてい及びませんが、それでも新鮮であることは、
不出来さを補ってあまりあるおいしさの源なのだなと思います。
みずみずしく、野趣あふれる感じです。






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