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2007年12月28日(金)更新

【本年最後の取材日記】森永卓郎さんにお会いしてきました!

一昨日、経済評論家の森永卓郎先生にお会いしてきました。

経営者会報新年2月号に掲載予定のインタビュー記事、
「原油はどこまで上がるのか」の取材です。

もりながさん

当たり前の話なのかもしれませんが、
さすがに大学での講義、講演、テレビやラジオのご出演を
多々、こなされているかたです。
こちらの投げかけた質問に対して
きっちりお答えくださり、
無駄というものがありません。

さらには、お話をお聞きしながら、流れのなかで、
(それはなぜなのか?)と、
こちらがある疑問を思い浮かべた瞬間、
まるでそのことを察したかのように、
「…と申しますのはね……」と、
すぐにその背景や理由を解説してくださいます。

インタビューのテーマである原油高の要因については、
決して、巷間いわれているような、
投機筋の資金が流れ込んだために起こっているだけの
単純なものではないとおっしゃっていました。

詳しくは、来年2月1日発行予定の経営者会報2月号を
ご覧いただければと思いますが、
少しだけご紹介しましょう。

「イランやイラクが実質アメリカとの紛争状態に
あることが大きいんです。石油のカルテルという
ものは、平時は抜け駆けして安くする国が出るた
めに、結果、なかなか相場は高値にならない。戦
時では抜け駆けする心理が平時に比べて減退する
のです」


うーん、なるほど、と思いました。

それにしても、です。
本やテレビで入ってくる知識も大切ですが、
それは目の前でご本人がお話されることとの比ではなく、
私ごときの脳みそにもじわじわ染みこんできます。
それは社長の皆さんに取材をさせていただくときも
同様に感じていることです。

取材に応じてくださるかたがたのおかげですが、
こんなに楽しく、勉強にもなる仕事は滅多にないと思っております。
ありがたいことです。

森永先生、ありがとうございました!

……ところで、本日が弊社の仕事納めです。

夏場から綴り始めた私の地味なブログですが、
年内最後の記事になりそうです。

この半年あまりの間に、私自身が想像していたより、
はるかに多くのかたがご覧くださったようです。
本当にありがとうございました。

そして、会員のみなさま。

事務局および編集部に
至らぬ点は多々あったことと思いますが、
日々、ブログを更新され、
オフ会などでも多大なご協力をいただき
ありがとうございました。
深く感謝申し上げます!

来年も経営者会報ブログ事務局&編集部一同、
いっそう努力してまいる所存ですので、
どうか、ご指導ご鞭撻のほど、
お願い申し上げます!

どうかみなさま、よいお年をお迎えください!

(編集部・酒井俊宏)



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2007年12月27日(木)更新

【ブログピックアップ】久米繊維工業・久米信行さん

「ブログピックアップ」では、
経営者のみなさんの書かれたブログの中から、
お薦めのブログをご紹介しています。

今回のお薦めブログは当サイトのプロデューサーでもある
久米繊維工業久米信行さんです。
 
 *      *      *


今年も一年間、大変お世話になりました。

おかげさまで、第二創業二年目は、より多くのお客様に
「久米繊維謹製Tシャツ」をご愛用いただいて幸せでした。

(続きはこちら)>>>
http://kume.keikai.topblog.jp/blog/102/10007316.html

 *      *      *
 
わが社の10大ニュースというのは、よいですね。

ただし久米さんの場合、10大ニュースといいながら、
お伝えになりたいことがたくさんあって、
「12大」になってしまったようです。
 
会員のみなさまも、ぜひ、ご自身と自社のことし一年を振り返って、
10大ニュースを綴ってみてはいかがでしょうか。

(編集部・酒井俊宏)



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2007年12月27日(木)更新

【取材日記】涯・石原将一さん

先週末、経営者会報連載記事・「社長ブロガー登場!」の取材で、
株式会社石原将一さんにお会いしてきました。

この連載は、
おもに、経営者会報ブログの会員さんを対象に、
ブログを始められたきっかけや、
それを通じて、ご自身や会社にどのような変化があったかを
お聞きするものです。
石原さんは、興味深いエピソードを交えて、
“熱く”お話ししてくださいました。

いしはらさん

■株式会社涯 HP>>>
http://www.xgai.jp/
■石原さんのブログ
http://xgai.keikai.topblog.jp/

詳しくは来年2月1日発行の
経営者会報2008年2月号をご覧いただければと思いますが、
お話のなかで印象深かったエピソードをご紹介します。

石原さんがブログを始められたのは、
昨年のこと。
当時は社員さんはまだ1人。
その後、少しずつ人を採用され、
いまでは総勢12名に。

いまいる社員の方は、
ほとんど石原さんのブログをご覧になって
入社されたかただそうです。

当初から石原さんの濃いブログ(失礼!)を
読まれているので、
石原さんの考え方や理念も初期段階から
共有されているようです。

社員のみなさんにも写真に収まっていただきました。
もっとフランクな感じだったのですが、
「撮りますよ!」と弊社のカメラマンが声を掛けてから、
みなさん少し堅くなってしまったかも……。

がいしゃない

もう一つご紹介したかったのは、
石原さんのお父上やお母様、
それから奥様のご両親も、石原さんのブログを
楽しみにしておられるということ。

便りがないのは元気な証、と言いますが、
やはりご両親の立場に立てば気になるもの。
ブログにはこんな機能もあるのですね。
よい話だなあ、と思いました。

さて、この日は、石原さんのお招きに預かり、
なんと涯さんの忘年会に出席させていただきました。

アルバイトの学生さんたち(みなさん勤勉で優秀。
自分の学生時代を思うと頭が上がらない…)や、
社員のみなさんとさまざまなお話をさせていただき、
大変、楽しいひとときでした。

みなさんが、石原さんを慕い、
信頼されている様子がよくわかりましたし、
それが同社の熱気の“核”であることが理解できた一日でした。

この日の模様を、石原さんご自身も、
ブログに書かれています。

私のことも出てしまっているので、
ちょっと照れくさい感じもしますが、
どうかご覧下さい!

■忘年会!
http://xgai.keikai.topblog.jp/blog/d/10007271.html

本当に、若く、熱気にあふれた、
「生涯全部真剣」という
キャッチフレーズ通りの会社だと思いました。

石原さん、社員のみなさん、
どうもありがとうございました。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(編集部・酒井俊宏)



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2007年12月21日(金)更新

波頭 亮 氏 『就活の法則』が発刊されました

私が大変お世話になっているかたが
最近上梓されたご著書を紹介させていただきます。

気鋭の経営コンサルタント・波頭亮先生の最新作、
『就活の法則 適職探しと会社選びの10ヵ条』
(講談社BIZ刊)です。

もちろん単なる就職本などではありません。
多くの新人が3年で最初に入った会社を辞めると
いわれていますが、
先生によれば、それは社会の大きな損失であって、
そうしたミスマッチを減らすための社会へのメッセージや、
仕事に対する考え方、取り組み方についても、
若者に対して根本的な意識転換を迫る、刺激的で濃い内容の本です。

しゅうかつ

■株式会社XEED(波頭氏オフィス)
 HP>>>http://www.xeed.org/

波頭先生は、日本屈指の経営コンサルタントであり、
多くの企業を成功に導いておられます。

経営者会報本誌の連載対談『波頭亮の経営New Wave』では
五年あまりの長きにわたり、
ゲスト経営者との対談でホストを務めていただきました。

前任者のE君の後を受けて対談の担当となり、
先生の謦咳に接する機会をいただいたことで、
私なりに、経営とは何か、仕事とは何か等について、
それ以前とは、考えることのレベルが格段に上がったと思っています。
(とはいえ、おっしゃることの水準が高すぎて、
とても消化しきれていませんが……)

波頭先生のプロフェッショナルとしての
お仕事への姿勢や考え方をおわかりになりたいかたには、
『プロフェッショナル原論』(ちくま新書)がお薦めです。

ぷろ

最近は、一過性のブーム的売れ方をする本が多い新書にあって、
ロングセラーとなっています。
こちらもぜひ、お手に取ってみてください!

(編集部・酒井俊宏)



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2007年12月20日(木)更新

【ブログピックアップ】レーザーテック・浜野太郎さん

「ブログピックアップ」では、
経営者のみなさんの書かれたブログの中から、
お薦めのブログをご紹介しています。

今回のお薦めブログはレーザーテック浜野太郎さんです。
 
 *      *      *


先日、レーザーテックのカイゼン大賞の選考を行いました。

そこから、カイゼンをもっとも多く出した人に
カイゼン件数大賞として、賞金30000円
2位に20000円 3位に10000円

そして、もっとも良かったカイゼン大賞に
金賞として30000円 銀賞20000円 銅賞として10000円

そして、小さく変えても効果がある小変賞が5000円を選考しました。

(続きはこちら)>>>
http://lasertech.keikai.topblog.jp/blog/a/10007186.html

 *      *      *
 

レーザーテックさん社内の明るい雰囲気が伝わってきます。
会社の雰囲気を盛り上げるうえで、
他の社長さんにとっても参考度の高い取り組みだと思います。
 
「いまだかつて、報奨金を出し過ぎて、潰れた会社は1社もない」という
講師のかたの言葉には大きく頷けるものがありますね。

(編集部・酒井俊宏)



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2007年12月19日(水)更新

【取材日記】一澤信三郎帆布・一澤信三郎さん

先日、経営者会報新年1月号掲載予定の
「異能経営者がゆく!」の取材で、
京都の有名なかばん屋さん・一澤信三郎帆布さんに
取材をさせていただきました。

お相手はお名前がそのまま社名になっている、
一澤信三郎さん。
信三郎さんいわく「私なんかよりはるかに働き者」という
素敵な奥様、恵美取締役も、途中からご同席くださいました。

ごふうふ

■一澤信三郎帆布のHP >>>
http://www.ichizawashinzaburohanpu.co.jp/cgi-bin/index.cgi

テントなどに使われる丈夫な帆布を使用し、
縫製にも染めにもこだわった同社の職人手作りのかばんは
京都・知恩院近くにある本社店舗でしか手に入りません。
創業2年めですが、全国に多くのファンをもっています。

取材前に当社のカメラマンが撮った写真です。
平日午前9時の開店前に、
すでにこんなにお客さんが並んでいます。

おみせ

ご存じの方も多いかと思いますが、
信三郎さんは、有名な「一澤帆布」の後継者として、
先代である父・信夫氏を助け、
一澤帆布のブランドを全国区にした人です。

信三郎さんは、大学を卒業後、
大手新聞社の大阪支社で勤務したのち、
30歳そこそこで京都に戻って3年後に社長に就任。

百貨店などから引き合いがすごかったにもかかわらず、
信三郎さんはお父上譲りの頑固さで本店舗のみの販売を貫き、
そのことで希少価値も生まれました。

大いに業績は伸びましたが、ある事件が起こります。
信三郎さんの長兄である信太郎氏が、
先代・信夫さんが亡くなられたあと、
信三郎さんに株式の大半を譲るとした遺言書と
まったく相反する内容の、
後日付の遺言書の存在を明らかにしてきたのです。

信太郎氏は、都市銀行で銀行員を勤め、
家業にはほとんどタッチしていなかったそうです。

最高裁で遺言書の真偽が争われ、
信三郎さんは実質敗訴してしまいます。
2004年のことです。
翌年には社長を解任されてしまいます。

メディアですでにさんざん報道された“事件”なので
ほどほどに記しておきますが、
重くて大きな一つの事実があります。

それは、旧・一澤帆布の社員は全員が信三郎さん側についた
ということです。そのため、信太郎氏の一澤帆布は、
一時的に休業を余儀なくされています。

私見ですが、
これほど明確な「ジャッジ」はないと思っています。

強制執行で工場から立ち退きを命じられた信三郎さん以下は、
新たに「一澤信三郎帆布」を創業。

それまで手がけてこなかった柄ものなどラインナップも
大幅に増やしたにもかかわらず、
強制執行の日から、なんと一か月後の2006年4月6日、
オープンに漕ぎ着けます。
しかも初日に訪れたお客さんはなんと4000人。
いまも多い日だと一日1500点は売れるそうです。

しんざぶろうかばん

なぜ信三郎さんに社員の皆さんがついていったのか。
なぜ、「いままでどこに隠しとったんや、ちゅうくらいの
やる気と気概を見せてくれた」
(信三郎さん)のか──

詳しくは、経営者会報・新年1月号を
ぜひ、ご覧いただければと思います。

余談ながら、ひょうひょうとした語り口の信三郎さんの、
綺麗な京都弁を活かしたくて、今回の記事は
ほとんどおっしゃったままに再現しています。

通常は、いわゆる方言を活字にすると、
ニュアンスやイントネーションがうまく伝わらないことが多いため、
ほぼ標準語にして記事にしていますが、
今回はあえてトライしてみました。

結果は見てのお楽しみですが、
かなりの臨場感ある記事となりました。
もちろんそれは、お話に内容があるからにほかなりません。

さらに余談ながら、下の写真のかばん、
つい、自分用に購入してしまいました。

ぬのかばん
(自宅テーブル上にて)

ブログを書き出してから休みの日もデジカメを持ち歩くようになり、
仕事用ではない、こんなサイズの(ジャストA4)かばんを探していました。
まさに一目惚れ状態でした。

デザイン、皮の使いかた、縫製、生地の強さ、柔らかさと、
すべてが好みでした。大事に使わせていただきます。

信三郎さん、恵美さん、社員のみなさん、
ありがとうございました!

(編集部・酒井俊宏)



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2007年12月14日(金)更新

【ブログピックアップ】双和食品工業・高尾幸子さん

「ブログピックアップ」では、
経営者のみなさんの書かれたブログの中から、
お薦めのブログをご紹介しています。

今回のお薦めブログは双和食品工業高尾幸子さんです。
 
 *      *      *


年賀状を出す準備のため、名刺の整理をした。

社長となって、人とお会いする機会が増え、名刺の数も

かなりの量で、整理するのが大変になった。

(続きはこちら)>>>
http://oukoku.keikai.topblog.jp/blog/104/10007123.html

 *      *      *
 

私ふぜいでも、一年にお会いする方、いただいた名刺の量はかなりの数になりますが、
社長ともなると、私の比ではないことと思います。
ご苦労を察します。
 
ところで、高尾さんのブログのおかげで、
自分がまだなにも年賀状がらみで着手していないことに気づきました。

高尾さんを見習って、いただいたご縁に感謝しながら、
この一年を振り返ってみようと思った次第です。

(編集部・酒井俊宏)



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2007年12月06日(木)更新

【ブログピックアップ】フットマーク・磯部成文さん

「ブログピックアップ」では、
経営者のみなさんの書かれたブログの中から、
お薦めのブログをご紹介しています。

今回のお薦めブログはフットマーク磯部成文さんです。
 
 *      *      *


本日冬の賞与を支給することになりました、ハイ

私はテーブルの上にずらりと並べた一人ひとりの賞与の封筒を見て、
毎年つぶやきます。

「賞与は現金でお渡ししたいです。
 本当は銀行から賞与を振り込みたくないんです」

(続きはこちら)>>>
http://footmark.keikai.topblog.jp/blog/102/10007042.html

 *      *      *
 

取材でお話をうかがっていると、
磯部さんと同じ思いをおもちの経営者は多数いらっしゃると感じます。
現金支給は無理でも、
明細は手渡ししているというかたもおられました。
 
私の子供の頃は、現金支給が当たり前。

母は、日立系列の企業に勤める父から月給や賞与の袋を預かると、
いつも、居間の神棚に賞与の袋を立てかけて拝んでいました。

よく「給料や賞与が銀行振込になってからオヤジの威厳がなくなった」
と嘆く人がいますが、たしかに当時は視覚的に、
「ああ、父ちゃんに感謝しなきゃな」
と素直に思えたものです。
 
社長は社員に感謝の念を込めて手渡しし、
一家の大黒柱は、感謝の気持ちを込めて奥さんに手渡す──。
「お金」を介して感謝の念をやりとりするような時代が、たしかにありました。
そんなことを考えると、当時のお金には、
いま以上の価値があったように思えてなりません。

(編集部・酒井俊宏)



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2007年12月06日(木)更新

【取材日記】伊藤景パック産業・伊藤景一郎さん

去る11月30日、月刊経営者会報・新年1月号掲載予定の
「特集 社長の品格」の取材で、
東京・台東区に本社を構える伊藤景パック産業さんに
取材をさせていただきました。
お相手は同社三代目の伊藤景一郎さん。

正直、「品格」という言葉自体、『国家の品格』『女性の品格』と
ベストセラー本が続き、もはやブームを超えた観があります。
手垢がついてしまっている言葉かもしれませんが、
このところ食品メーカーを中心に企業の不祥事が頻発していることを受け、
社長の「品格」をテーマとして採りあげることにしました。

私自身は、本来、社長本人であれ経営姿勢であれ、
当然に品格を含んでいるものでなければならず、
そうでないかぎり、短期的に利益を上げることはできても、
決して“永続”はしないのではないか、と考えています。

伊藤景パック産業さんは、その典型といえる永続企業です。

経木屋さんとして現社長のお祖父様が明治43年に創業し、
現在では、ケーキなどお菓子のパッケージングを企画から提案、
多くの食品メーカー、ケーキ屋さん、スーパーなどから
頼られる存在になっています。

時代に合わせて微妙に業態を変えてきていますが、
立派な老舗といえるでしょう。

伊藤社長は、ご覧の通り、フランクな印象でありながら、
内面の品格を感じさせる方でした。

いとうさん

■伊藤景パック産業 HPはこちら 
>>> http://www.itokei.com/

伊藤さんには、ご自身が考えるトップの品格の定義や、
不祥事が起こる背景、メカニズムについて、
ご意見をうかがいました。

くわしい話は、1月発行予定の経営者会報1月号を
ご覧いただきたいと思いますが、
印象深かったご発言を少しだけ、ご紹介します。

「私だけじゃないと思いますが、経営者は臆病なんです。
倒産させてしまった夢をよく見ます。びっしょり汗をか
いて目覚める。こうなってはいけないなということをい
つも思っています。お取引先、社員、お客様とすべての
方に多大なご迷惑をおかけするわけですからね」


そのためには適正な利潤を上げ続けなければならないと、
おっしゃり、こう続けます。

「品格とは「存在価値」と言い換えてもよいと思います。
利益をきちんと上げている会社は、必ずお客様から価値、
商品価値も含めてその企業に対して高い価値を認められ
ている。不祥事が露見するようなことを陰でやっている
企業というのは、自ら存在価値を損なうリスクをつくっ
てしまっている。まったく理解ができません」


実際、多くの良心的な経営をしておられる社長さんにとっては、
このところの企業不祥事は、迷惑千万な話なのでしょう。

ところで、伊藤さんは終始、

「本当に私に語る資格があるのでしょうか。品格どころ
か品すらないですし」

とご謙遜しながら、慎重に言葉を選んで、
質問に答えてくださいました。

品格というのは、たしかに、
そうそう自覚できるものではないでしょうし、
自分に品格があるなどと思った瞬間に、
損なわれるものなのかもしれません。

ですが、同社の「品格」はこんなところに
よく現れていると思います。

はりがみ

取材にうかがう際、同社の玄関を入ってすぐの場所に掲げられていた
このボードに驚いていると、
忙しそうに玄関ホール前を通りがかった男性社員の方が、足を止め、
「いらっしゃいませ、ご案内はお済みでしょうか?」
と私に声をかけてくださいました。

この応対の素晴らしさといい、ボードの件といい、
社長さん以下、みなさん、
ごく自然なホスピタリティを
おもちなのです。

品格の定義は、人それぞれだと思いますが、
私は、企業の品格とは、つまりこういうことなのだ、
と感じ、この時点で、取材の成功を確信した次第です。

(編集部・酒井俊宏)



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個人プロフィール

『月刊ニュートップリーダー(L.)』(前身は「経営者会報」)編集部にて社長の取材記事を担当。十数年の間に800名以上の経営者に取材、多くの経営者に感銘を受けた経験から、「日本を支えているのは中小企業とその経営者」と確信し、敬意を抱いている。『経営者会報ブログ』サイト編集部員も兼ねる。

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