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2008年12月26日(金)更新

【取材日記】はせがわ酒店 長谷川浩一さん

過日、経営者会報1月号(1月1日発行予定)、
福永雅文氏の連載 「小が大に勝つ」戦略 の取材に随行し、
はせがわ酒店(東京都江東区)さんにおじゃましてまいりました。

お相手は社長の長谷川浩一さんです。

はせがわさん

■はせがわ酒店 ホームページ >>>

はせがわ酒店さんは、下の写真でおわかりいただけると思いますが、
一見して、小洒落た酒屋さん。
しかし、業界内で知らない者はいない、というほど凄いお店(会社)です。

おみせ

なんとビールが1本もない。
日本酒、それも地方の銘酒と呼ばれるものを中心に扱っていて、
そのほとんどが、現社長の長谷川さんが自らの足と舌で、
探しあててきた銘酒なのです。

ちんれつ

ただの町の酒屋さんが、どのようにして
“勝って”いったのか。

それは、気鋭のコンサルタント・福永氏の筆による
経営者会報1月号の記事をご覧いただければと思いますが、
少しだけ、ご紹介します。

はせがわさんしゅざい

長谷川さんはもともと別の会社に勤務していて
お父さんの立ち上げた酒屋さんを継ぐ予定ではありませんでした。
しかし、跡継ぎだったお兄さんが急逝。
長谷川さんが引き継ぐことになったのです。

ただの町の酒屋さんではじり貧だと考えた長谷川さんは
当初、自分が好きだったワインに絞ろうとしますが、
やはり江東区という下町では受け容れられず、頓挫。

そして「実はあまり好きではなかった」という日本酒に絞ることに。
ある地酒に巡り会い、日本酒の本当のうまさを知ったからでもあります。

しかし著名な地酒はなかなか入手できない。
そんなとき、知り合いの居酒屋店主のひと言で、
長谷川さんの人生は動き出し始めます。

「全国には3000以上の蔵がある。自分の足と舌で
探したらいいじゃないか」──


まだバブルが弾ける前の頃です。
そしていま、長谷川さんの集めた自慢の地酒が
はせがわ酒店さんには並び、卸売りもやっておられます。
コンビニエンスストアや大手居酒屋チェーンも
長谷川さんと提携しようと、足を運ぶまでになっています。
日本一の地酒の目利き──それがいまの長谷川さんの
通り名でもあります。

近年では、表参道ヒルズにパイロットショップを出すなど、
美味しい日本酒の存在を、
より広く知ってもらうための取り組みも始めています。

「儲けだけ考えたら、この店(亀戸本店)一店だけ
やるのが一番。でも日本酒に育ててもらった私たち
ですから、恩返しのつもりで取り組んでいます」

戦略的な正しさもさりながら、それを貫くうえで
“志”がいかに大切かを、改めて知った取材でした。

長谷川さん、ありがとうございました!

(編集部・酒井俊宏)



けいかいさいしん
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