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2012年01月19日(木)更新

【取材日記】スターホーム 星 武司さん



特集「会社とトップを強くする失敗学」の取材で
何人かの社長さんにお話をうかがってきました。 
その中のお一人が、神奈川県逗子・葉山エリアで、
おもに注文住宅の設計・施工・販売を手がけるスターホーム社長の星 武司さんです。
 
 
 
星さんです。
 
 
 
 
同社本社屋。レストランだった物件をリフォームした、
同社のセンスとお仕事ぶりがよくあらわれた素敵な建物です。
 
■スターホーム >>>
 
この特集はタイトルが示すとおり、経営トップが、
失敗からいかに学ぶかを示すのが趣旨です。

果敢に挑戦していれば、経営に失敗はつきものです。
いまの時代、挑戦しないことこそ、最大の失敗でしょう。
 
大切なのは、同じ失敗を繰り返さないこと。失敗を活かすことでしょう。
つまり、事業のプラン、ビジネスモデルをブラッシュアップする。
だけでなく、事業や経営の真髄のようなものをつかむ。
ご自身の器を大きくしていく糧にする。
そういった活かし方ができるなら、
失敗はどんどんすべきともいえるのではないでしょうか。
 
星さんは失敗をきっかけに、何を学ばれたのか。
詳しくは、2月1日発行予定のニュートップリーダー2月号
ご覧いただきたいと存じますが、一部、ご紹介します。
 
二代目として事業を軌道に載せた星さんは、こうおっしゃいます。
 
『少々の成功に酔い、自分を見失ってしまいました』
 
年商2億円だった会社を就任数年で四倍にされたそうで、
無理からぬ面はあったと思いますが、
それを可能にした高い要求水準と拡大路線に社員は疲弊し、
停滞しだします。

クレームも増え、星さんは心身を病み、
呼吸困難のような症状もでたそうです。
 
そこからがすごいのですが、息ができないなら、
いっそ息をせざるを得ないようにしようと、
家の近所を数キロメートル、毎朝ランニングし始めるのです。
そして、走ったあとは瞑想する。
 
3か月ほどが過ぎたとき、
星社長はなぜ自分が幸せになれないのかがわかったそうです。
自分の成功意欲によって、本来もっていたはずの志が曇り、
自分自身を汚(けが)していた。そのことに気づいたのです。
 
そう気づいて、改めて抱いたのは、社員のかたへの感謝の念だったそうです。
そこから星さんも同社も生まれ変わったといいます。
 
一つの特集を組む際、事例ごとの結論部分が
似ることはよくありますが、
今回は、「自責」という言葉がカギであり、大きな共通項になりました。
 
なお、一口に失敗と言っても、致命傷になる大きなものもあります。
智者は歴史に学ぶといいますが、他者や先人の体験を己のものとするうえで、
本誌のような経営誌が果たせる役割は小さくはないと思います。
本誌は、経営者の内面を臨場感とともに描くことを、
編集の大きな方針に据えています。
 
疑似体験と申しますか、本誌を手に取ることで学んでいただけるよう、
参考度の高い事例を、ご本人の思いを掘り下げて描いていくことに、
よりいっそう力を入れていきたいと感じた特集でした。
 
一個人として、一人の管理職として、
重要な勉強をさせていただきました。
 
星さん、ありがとうございました!
 
 
(編集部 酒井俊宏)
 
 

 
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