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2012年08月31日(金)更新

つくば暮らし・猪苗代~会津の旅③

最終日(21日)は会津若松城へ。

戊辰戦争で傷つき、維新後、
石垣を残して廃城。
現在の天守閣や櫓、門などは、
昭和40年に地元の人たちが力をあわせて
再建されたものです。

石垣は、往時のままだそう。


 



天守にのぼり、そこから市中を眺めます。
白虎隊の人たちが自決したという飯盛山方面。



うまく言葉でいえませんが、
会津若松の街には、常に凛とした空気を感じました。

名君として名高い会津藩祖・保科正之、
それより前にこの地を治めた蒲生氏郷や上杉景勝といった
英傑たちの家中の遺風がやはり影響しているのでしょうか。
どこを歩いても、農村地帯を走っても、
街全体が、つねに掃き清められているような、
小気味よい、こざっぱりとした印象がずっと持続します。

会津藩にはかつて「什の掟」というものがありました。
地域ぐるみで、士族の子弟を教育するための理念と
理解していますが、そうした気風のようなものが、
やっぱり生きているのでしょう。

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什(じゅう)の掟
 
一、年長者の言うことに背いてはなりませぬ
二、年長者には御辞儀をしなければなりませぬ
三、虚言をいふ事はなりませぬ
四、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
五、弱い者をいぢめてはなりませぬ
六、戸外で物を食べてはなりませぬ
七、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ
 
ならぬことはならぬものです
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七以外は、基本的にいまも通じる話かと思います。

いじめの問題なども、結局、理屈ではなく、

「ならぬことはならぬものです」

と大人が言うしかないですし、大人が、弱い者をいじめたりしない、
という手本を見せるしかない。

何年か前、社会学者の人たちを中心に「なぜ人を殺してはいけないのか」と
子供に聞かれたらどう答えるか的な論争が、メディアで盛んだった時期があります。

なぜもなにもない。

「ならぬことはならぬものです」
 
それが答えだと思います。

あえて理屈を言うなら、
ならぬことをしないこと、自体が人間の条件である、
からです。

ならぬことをしていないか、
自戒の念を抱きつつ、そんなことをふと思いました。


さて、駆け足で回った福島県二泊三日。
美味しいものをいただいて温泉につかってオーバーホールするのが
もともとの、ごく普通の目的でした。
帰ってきてから思うのは、
わが国の素晴らしさ、国土の美しさ、先人たちの偉大さなどが
こんなに体感できる土地もそうはないのではないか、ということです。

福島県、最高です。
行ったことがないとしたら、損ですよ。

そういえば、ちょっとした偶然ですが、
本誌最新号の表紙の写真↓は「南会津のそば畑」でした。

(編集部 酒井俊宏)
 


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