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2012年08月24日(金)更新

【取材日記】ハウステンボス社長/エイチ・アイ・エス会長・澤田秀雄さん 



月刊ニュートップリーダー8月号で、
エイチ・アイ・エス創業者ハウステンボス社長澤田秀雄さん
ご登場いただきました。
 
ご存じの方も多いと思いますが、
地元財界の期待を担ってオープンした長崎県佐世保市のハウステンボスは
創業以来18年、赤字続きでした。

しかし澤田さんが社長に就き、
エイチ・アイ・エスグループとして2010年3月、支援に入ると、
翌期には奇跡的に黒字化を果たします。
本誌連載中の「小よく大を制す」でおなじみの福永雅文さんによる
澤田さんへのインタビューと、それに基づく解説記事とで再生の秘訣に迫っています。
 
澤田さんです。

 
(撮影/Photographer 山本信介)

 
■ハウステンボス >>>
■エイチ・アイ・エス >>>
 
 
澤田さんといえば、数々の新規事業を成功に導いた
伝説のベンチャー経営者ですが、
さすがにハウステンボスだけは無理なのではないか、
と危惧する声が内外で大きかったのは事実のようです。
しかし結果として、またも成功に導かれました。
 
ベンチャー経営者というと、豪快に夢を語るけれど、
緻密さにかけるイメージをもつ人は多いと思いますし、
そのことが綻びの原因となるといったケースも現実に見聞きします。

ですが、取材に同席してお目にかかった澤田さんは、まったくそのようではなく、
緻密で細心な配慮をされるかたとお見受けしました。
より強い印象として残ったのは、とにかく笑顔を絶やさない、
非常に明るいかただということです。
 
天性そうなのでしょうし、
努めてそのようにふるまっておられる面もあると拝察しますが、
意気消沈しがちだった当時のハウステンボスの社員の方々のやる気を引き出したものを、
もしも一つだけ挙げるとするなら、この明るさだったのではないか。

誰だって「この親分についていったら、いいことがありそうだ」と思える人に、
実際ついていきたいはずです。
多忙な身でありながら、月のうち半分は
ハウステンボスにおられるということも大きいのではないかと思いました。
 
経営者のかたなら、先見性、戦略の立て方、
社員の方々に対する接し方などなど、澤田さんの手法や考え方は
おおいに参考になるはずです。

厳しい状況にあっても、全社挙げて挫けることなく、
成果を上げるべく導くことのできるリーダーシップとはなにか、
その要諦を感じ取っていただける本記事、ぜひ、ご一読ください。

ハウステンボスに直に足を運ばれるのもよいでしょう。
きっと、澤田さんの経営を、体感できることと思います。
 
 
(編集部 酒井俊宏)
 



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2012年07月19日(木)更新

【取材日記】アタゴ社長・雨宮秀行さん


月刊ニュートップL.(リーダー)2012年8月号掲載予定の
特集『飛躍に導く トップの決断』の取材で、
アタゴ(東京都港区)・雨宮秀行社長にお話をうかがってきました。 
 

 
雨宮さんです。
(撮影・カメラマン柚木裕司氏)
 
■アタゴ >>>

 
トップの仕事とは、究極的には決めること、
すなわち「決断」なのではないか、と思います。
 
とすれば、トップの「決断力」が
その企業の将来を左右するといっても過言ではないでしょう。
 
雨宮さん率いるアタゴは「屈折計」専門のメーカーで、
とくに小型の製品において、世界中で高い評価を得ています。
 
規模こそ大きくはありませんが、世界に1000以上の代理店をもち、
米国、中国、タイ、インド、イタリアなど世界各地に支社をもっています。
 
そのほとんどは、2006年に三代目社長として就任した雨宮さんが、
まだ課長だった時代から
会社の期待を背負って開拓したものです。
 
どういったところと組むか、誰と組むか。その決断の繰り返しで、
しかも「基本的に迷わない」で、海外拠点を切り拓いた雨宮社長は、
大変僭越ながら、三代目として理想的な経営者だと思います。
 
決断にはスピードが求められます。
しかし、なかなか決められない経営者も少なくないようにお聞きします。
判断が難しいのは、どのような案件であれ、リスクがつきものだからでしょう。
ゆえに、多少のリスクは受け止める胆力が必要になります。
 
創業経営者で、会社を家業から事業に成長させたような人は、
リスクを取る訓練を実地にふんでいて、鍛えられています。
その経験がもちにくい二代目以降の経営者は、
どのようにして自己を鍛えていけばよいのか。
 
詳しいエピソード、そして雨宮社長の決断に対する哲学については、
ニュートップリーダー8月号をご一読いただきたいと思いますが、
雨宮社長の若い前半生に、ヒントはあります。
 
自ら望んだ旅とはいえ、大学生のとき、サハラ砂漠で行き倒れ、死にかけるのです。
もちろん、九死に一生を得たからいえることかもしれませんが、
この無謀な旅が、雨宮社長の中に肚の座りを生んだことは間違いないようです。
 
経営の現場でなくとも、経営者にとって必要な資質を鍛える場は
ご当人次第で得ることができるのだと思った次第です。

 
 
(編集部 酒井俊宏)
 
 
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2012年04月04日(水)更新

【取材日記】日本マンパワー社長・加藤智明さん

 
 
過日、本誌『月刊ニュートップリーダー』の取材で、
日本マンパワー・加藤智明社長にお目にかかってきました。
経営戦略を扱う記事としてご好評をいただいている、
ランチェスター戦略コンサルティングの第一人者、
福永雅文氏の連載「小よく大を制す ビジネス兵法」の取材です。
 
日本マンパワーさんは、
もともと人材紹介業と教育業を柱にしていましたが、
現社長・加藤智明さんの指揮のもと、
経営資源をキャリア開発支援に絞って集中して、
それが見事に奏功し、強い会社になっていきます。
 

加藤さんです。
 
■日本マンパワー ホームページ >>>
 
 
オーナー経営者にご登場願うことの多い本誌ですが、
加藤さんはいわゆるサラリーマン社長です。
 
創業者に見込まれ、最初に勤めた会社から日本マンパワーに転じ
入社したのち独立。
その会社を軌道に乗せたあと、別の会社に招かれ副社長として活躍しますが、
招いた側の金銭トラブルがもとで結局、会社をたたむことになります。
そんな経験をしているとき、
日本マンパワーの創業者に声をかけられ「出戻った」のだそうです。
 
面白いのは、本文にあるとおり、
「一度やめた人間が元の通りに戻るのはしめしがつかない」ため、
契約社員として戻ったこと。
 
なんとそのまま管理職、取締役、そして社長へとのぼりつめるのです。
そして、加藤社長はキャリアカウンセラー養成事業を大きな柱と位置づけ、
戦略的に絞ったことで同社は堅実に成長していきます。
 
中小企業においてオーナー経営者でないトップが
うまく会社を成長させたという例は、正直それほど聞きません。
 
しかし、加藤社長に間近でお話をうかがっていると、エネルギッシュで、
強い当事者意識が立ちのぼっているように感じられました。
会社というより「事業運営に対するオーナーシップ」とでもいえばいいのか。
 
大変僭越ながら、天性、経営者であられるように感じましたし、
先代さんが見込まれた理由がわかったような気がしました。
 
この健全なオーナーシップこそは、規模の大小を問わず、
現実にオーナーであろうとなかろうと、
トップが備えておかなくてはならない重要な
資質・要件なのではないかと思った次第です。
 
加藤さん、ありがとうございました!
 
 
 
なお、本連載はコンサルタント・福永雅文氏ならではの記事で、
ご好評をいただいています。
 
企業が生き残るうえでの戦略面でのヒントを分析的に記しながらも、
読み応えある読み物にもなっているからでしょう。
 
歴史にも造詣が深く、社名を「戦国マーケティング」と
名づける福永さんだから描ける本連載、
ぜひご一読いただきたいと思います。
 
 
■戦国マーケティング ホームページ >>>
 
 
(編集部 酒井俊宏)
 
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2012年01月19日(木)更新

【取材日記】スターホーム 星 武司さん



特集「会社とトップを強くする失敗学」の取材で
何人かの社長さんにお話をうかがってきました。 
その中のお一人が、神奈川県逗子・葉山エリアで、
おもに注文住宅の設計・施工・販売を手がけるスターホーム社長の星 武司さんです。
 
 
 
星さんです。
 
 
 
 
同社本社屋。レストランだった物件をリフォームした、
同社のセンスとお仕事ぶりがよくあらわれた素敵な建物です。
 
■スターホーム >>>
 
この特集はタイトルが示すとおり、経営トップが、
失敗からいかに学ぶかを示すのが趣旨です。

果敢に挑戦していれば、経営に失敗はつきものです。
いまの時代、挑戦しないことこそ、最大の失敗でしょう。
 
大切なのは、同じ失敗を繰り返さないこと。失敗を活かすことでしょう。
つまり、事業のプラン、ビジネスモデルをブラッシュアップする。
だけでなく、事業や経営の真髄のようなものをつかむ。
ご自身の器を大きくしていく糧にする。
そういった活かし方ができるなら、
失敗はどんどんすべきともいえるのではないでしょうか。
 
星さんは失敗をきっかけに、何を学ばれたのか。
詳しくは、2月1日発行予定のニュートップリーダー2月号
ご覧いただきたいと存じますが、一部、ご紹介します。
 
二代目として事業を軌道に載せた星さんは、こうおっしゃいます。
 
『少々の成功に酔い、自分を見失ってしまいました』
 
年商2億円だった会社を就任数年で四倍にされたそうで、
無理からぬ面はあったと思いますが、
それを可能にした高い要求水準と拡大路線に社員は疲弊し、
停滞しだします。

クレームも増え、星さんは心身を病み、
呼吸困難のような症状もでたそうです。
 
そこからがすごいのですが、息ができないなら、
いっそ息をせざるを得ないようにしようと、
家の近所を数キロメートル、毎朝ランニングし始めるのです。
そして、走ったあとは瞑想する。
 
3か月ほどが過ぎたとき、
星社長はなぜ自分が幸せになれないのかがわかったそうです。
自分の成功意欲によって、本来もっていたはずの志が曇り、
自分自身を汚(けが)していた。そのことに気づいたのです。
 
そう気づいて、改めて抱いたのは、社員のかたへの感謝の念だったそうです。
そこから星さんも同社も生まれ変わったといいます。
 
一つの特集を組む際、事例ごとの結論部分が
似ることはよくありますが、
今回は、「自責」という言葉がカギであり、大きな共通項になりました。
 
なお、一口に失敗と言っても、致命傷になる大きなものもあります。
智者は歴史に学ぶといいますが、他者や先人の体験を己のものとするうえで、
本誌のような経営誌が果たせる役割は小さくはないと思います。
本誌は、経営者の内面を臨場感とともに描くことを、
編集の大きな方針に据えています。
 
疑似体験と申しますか、本誌を手に取ることで学んでいただけるよう、
参考度の高い事例を、ご本人の思いを掘り下げて描いていくことに、
よりいっそう力を入れていきたいと感じた特集でした。
 
一個人として、一人の管理職として、
重要な勉強をさせていただきました。
 
星さん、ありがとうございました!
 
 
(編集部 酒井俊宏)
 
 

 
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2011年12月28日(水)更新

【取材日記】山水閣 片岡孝夫さん

月刊ニュートップL.(リーダー)2012年2月号
特集「『高い』のに繁盛する会社」の取材で
栃木県那須町の温泉旅館・山水閣に邪魔し、
社長の片岡孝夫さんにお話をうかがってきました。 



 
片岡さんです。(撮影・山本信介)

 
この特集の趣旨は、高付加価値な事業を追求している
企業の具体例を通じて、価格競争などの「消耗戦」から距離を置き、
独自路線を歩んで成功するためのヒントを、
読者のみなさまに示すものです。
 
山水閣さんは別館まで含め、30前後の客室があります。
片岡孝夫社長によれば「稼働率は7割程度に抑える」とのこと。
かつては100%を目指していたそうですが、
行き届いたサービスを実現するにはそのくらいが理想で、
できれば隣の部屋にほかのお客さんがいないくらいにしたいそう。
 
高級路線ではサービス過剰な感のある旅館業にあって、
同館では贅肉をそぎ落とし、それでいて行き届いたサービスを実現しています。
 
たとえば客室係の客室への出入り頻度は意図的におさえる。
女将さんは置かずに、全従業員に自分たちが主役、という意識を徹底しています。
 
那須高原という立地もあり、大いにリフレッシュできる宿として人気で、
数か月先まで予約で埋まっているそうです。
 


(撮影・山本信介)
 
■山水閣 >>>
 
宿そのものの素晴らしさは
このホームページからも十分うかがえます。
 
詳しくは本文をご一読いただきたいと思いますが、
特筆したいのは同館は10年前まではごく普通の旅館で、
赤字続きで危機的な経営状態にあったということです。
 
当時、家業を手伝い始めた片岡社長は、たたむ方向で考えていました。
しかしある出来事をきっかけに翻意し、
すべて自分の問題として全責任を背負うと決めます。
そこから同社の躍進が始まります。
 
片岡社長が経営者としてどう生きるかを模索し、
答えをつかんでいく過程と同館が見違えるような宿になっていく過程は
僭越ながら、明らかに重なっているように感じました。
 
同特集にご登場の各氏に共通していますが、
中堅・中小企業における経営とは、
トップその人が経営者としてどう生きるか、人としてどう生きるか、
そのあらわれにほかならないと思います。
 
お客さん、エンドユーザーは、
サービスや製品を通して表現される経営者その人の、
哲学や行動の支持者なのでしょう。
 
 
 
(編集部 酒井俊宏)
 
 
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