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「経営者会報ブログ」&「ニュートップリーダー」編集記者・酒井俊宏の「こんな社長さんに会ってきました!」
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2009年03月27日(金)更新
【取材日記】福知工業 福知香代子さん
女性経営者は、往々にして、
男性経営者より、思い切りがよいような気がしていましたが、
経営者会報4月号「シリーズ告白」で取材させていただいた、
福知工業の福知香代子さんは、まさに「決断の人」でした。
■福知工業 ホームページ >>>
福知さんは、同社の実質三代目。
福知さんのお父上は、「灯油販売用小型移動タンク」を開発、
その後、トラック積載用の「コンテナ・ローリー」を
世に送り出したかたです。
いわゆる灯油の移動販売は、同社の存在を抜きにして語れません。
下の写真の後ろのほうにあるローリーの製造が
同社の主業務です。
ですが、昨今のエネルギー需要の変化、
加えて景気の悪化から、
福知さんは、昨年の暮れ、
事業縮小を決意します。
「ローリーの需要はあるし、お客様にはメーカーとして部品を
供給する義務があります。どうすればよいのか、考えに考えて
私は“協業先”を探すことにしました」
どういうことかと言いますと、
信頼できる経営者に話をし、
同社は受注と資材調達をメインにして、実際の製造は
協業会社がする。社員もそちらに移籍してもらうようにしたのです。
ことしの2月20日をもって、そのような形に改めたそうです。
「私なりに、社員と、お客様にとって、一番よい選択は何か、
悩み抜いた結果の決断でした。社員とお客様のことしか考え
なかった」
その決断に至るまでの紆余曲折は、
ぜひ経営者会報4月号をご覧いただきたいと思いますが、
私が強く感じたのは、冒頭で述べた、
福知さんの決断力、思い切りのよさです。
こうした場合、男性の経営者、それも、
経営をしてきた経験が豊富な人ほど、
「見栄」が邪魔をするのか、
逡巡しているうちにタイミングを逸してしまうような
気がしてなりません。
結果、社員も喜ばず、顧客も取引先も喜ばず、
そして自身も大きなダメージを負うような結果を招いてしまう。
福知さんの決断には大きな根拠があり、
ご本人のなかにも、悔いはないように見受けられました。
この、顧客と従業員が最優先、という価値観は、
お父上譲りだそうです。
それも、あとになってから、気づいたことだそうですが……
「いつか、もう一度集結できるよう、がんばろう、とみんなに
は言いました」
そう語る、福知さんの口調は、
毅然としていました。
なお、福知さんへの取材は、この経営者会報ブログの会員である
社会保険労務士・井寄奈美さんのご紹介で実現しました。
取材の日は、井寄さんにもご同席いただきました。
下の写真は、井寄さん(左)と福知さんのツーショットです。
井寄さんご自身もブログで書いておられます。
ぜひご覧ください。
■井寄さんのブログ >>>
何度も書いてきたことですが、
やっぱり、よい人のお知り合いは、必ずよい人です。
今回も強く、そのことを感じました。
もちろん、取材ソースは自分で探すべきですし、
アンテナも張っているつもりですが、
こうしたケースでは、ご紹介くださったかたを
信じて、あっさりとお邪魔させていただきます。
正直、新聞などの情報より、一人の信頼できるかたの目のほうが
信じられる、と思っているからです。
福知さん、井寄さん、
本当にありがとうございました!
■中小企業経営者のための羅針盤『月刊経営者会報』
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男性経営者より、思い切りがよいような気がしていましたが、
経営者会報4月号「シリーズ告白」で取材させていただいた、
福知工業の福知香代子さんは、まさに「決断の人」でした。
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福知さんは、同社の実質三代目。
福知さんのお父上は、「灯油販売用小型移動タンク」を開発、
その後、トラック積載用の「コンテナ・ローリー」を
世に送り出したかたです。
いわゆる灯油の移動販売は、同社の存在を抜きにして語れません。
下の写真の後ろのほうにあるローリーの製造が
同社の主業務です。
ですが、昨今のエネルギー需要の変化、
加えて景気の悪化から、
福知さんは、昨年の暮れ、
事業縮小を決意します。
「ローリーの需要はあるし、お客様にはメーカーとして部品を
供給する義務があります。どうすればよいのか、考えに考えて
私は“協業先”を探すことにしました」
どういうことかと言いますと、
信頼できる経営者に話をし、
同社は受注と資材調達をメインにして、実際の製造は
協業会社がする。社員もそちらに移籍してもらうようにしたのです。
ことしの2月20日をもって、そのような形に改めたそうです。
「私なりに、社員と、お客様にとって、一番よい選択は何か、
悩み抜いた結果の決断でした。社員とお客様のことしか考え
なかった」
その決断に至るまでの紆余曲折は、
ぜひ経営者会報4月号をご覧いただきたいと思いますが、
私が強く感じたのは、冒頭で述べた、
福知さんの決断力、思い切りのよさです。
こうした場合、男性の経営者、それも、
経営をしてきた経験が豊富な人ほど、
「見栄」が邪魔をするのか、
逡巡しているうちにタイミングを逸してしまうような
気がしてなりません。
結果、社員も喜ばず、顧客も取引先も喜ばず、
そして自身も大きなダメージを負うような結果を招いてしまう。
福知さんの決断には大きな根拠があり、
ご本人のなかにも、悔いはないように見受けられました。
この、顧客と従業員が最優先、という価値観は、
お父上譲りだそうです。
それも、あとになってから、気づいたことだそうですが……
「いつか、もう一度集結できるよう、がんばろう、とみんなに
は言いました」
そう語る、福知さんの口調は、
毅然としていました。
なお、福知さんへの取材は、この経営者会報ブログの会員である
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何度も書いてきたことですが、
やっぱり、よい人のお知り合いは、必ずよい人です。
今回も強く、そのことを感じました。
もちろん、取材ソースは自分で探すべきですし、
アンテナも張っているつもりですが、
こうしたケースでは、ご紹介くださったかたを
信じて、あっさりとお邪魔させていただきます。
正直、新聞などの情報より、一人の信頼できるかたの目のほうが
信じられる、と思っているからです。
福知さん、井寄さん、
本当にありがとうございました!
(編集部・酒井俊宏)
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2009年03月27日(金)更新
【ブログピックアップ】三和メッキ工業 清水栄次さん
「ブログピックアップ」では、
経営者のみなさんの書かれたブログの中から、
お薦めのブログをご紹介しています。
今回のお薦めブログは三和メッキ工業の清水栄次さんです。
* * *
私は、弊社の社員は家族と同じ位置づけだと思って
経営してゆくのが理想だと思ってます。
理想だといいながらそれに近づけるように日々努力を
しております。
社員は私の子供なんですよね。
で、私が父親。
■続きはこちら >>>
■三和メッキ工業 ホームページ >>>
* * *
個人的に、まったく同感です。
家族的な経営こそ、日本人に一番向いているのではないでしょうか。
ここぞというときに、我を押さえて
全体の利益をはかることのできる精神性こそ、
日本人の美点だと思いますし、
経営において、それを引き出すのは
トップのこうした姿勢だと思います。
もちろん「社員の父親になる」ということを
己に課すのは大変でしょう。
でも、そのような、自己に負荷をかけるトップの姿勢を
社員のみなさんもきっと見ていて、
信頼感が醸成されていくとも思うのです。
清水さん、僭越ながら、私は清水さんは
断じて正しいと思います。
陰ながら応援しております。
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* * *
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理想だといいながらそれに近づけるように日々努力を
しております。
社員は私の子供なんですよね。
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* * *
個人的に、まったく同感です。
家族的な経営こそ、日本人に一番向いているのではないでしょうか。
ここぞというときに、我を押さえて
全体の利益をはかることのできる精神性こそ、
日本人の美点だと思いますし、
経営において、それを引き出すのは
トップのこうした姿勢だと思います。
もちろん「社員の父親になる」ということを
己に課すのは大変でしょう。
でも、そのような、自己に負荷をかけるトップの姿勢を
社員のみなさんもきっと見ていて、
信頼感が醸成されていくとも思うのです。
清水さん、僭越ながら、私は清水さんは
断じて正しいと思います。
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2009年03月25日(水)更新
WBC、日本代表V2で思うこと
WBCV2の快挙、日本代表選手の勇姿、
歓喜する様子に感動しました。
すごい、さすが! 万歳!
イチローや松坂、ダルビッシュ、岩隈、杉内、青木、中島、城島、
内川、小笠原……活躍した選手ばかりでなく、おそらく
ベンチやスタッフ全員も一丸となっていたからこそ可能になった、
見事な勝利だったのではないでしょうか。
個人的に、原辰徳という人は凄い、と思いました。
プレーヤーではないけれど、最大の功労者は原さんだと思います。
そう考える理由は以下のような点にあります。
・ごたごた続きの監督人選のなか、選ばれたら二つ返事で受けたこと。
これはサンケイスポーツ(3月25日付け)によれば、
「リーダーは自分でなるものでなく、人が押し上げてくれるもの」という、
恩師・元巨人監督の故藤田元司氏の教えに従ったものだそうです。
・実力相応にプライドも高い、一流選手たちのモチベーションを
最後まで削ぐことなく、保ち続けたこと。
・最初に決めた方針(野手は二つ以上のポジションを守れること、
名前のある選手でも調子が悪ければ使わないこと)を最後まで貫いたこと。
加えて、ご自身いつも笑顔で、
選手には、服装や髪型も「サムライらしく」清潔にさわやかに、
を義務づけました。
某夕刊紙によれば、そのほか「後ろ向きな言葉は絶対に口にしないこと」だけを強い、
あとは細かいことは言わなかったとのこと。
そういえば、選手から、そうした発言はまったく聞かれなかったような……。
とにかく、実力ある面々を束ねて、その力を引き出したという点、
マネジメントにおいても大いに参考になるのではないかと思います。
かつて、私はスポーツマネジメントを
経営の現場になぞらえるメディアの風潮には
やや辟易していました。
結果を出したプロ野球監督の手腕本みたいなものを
競って出す風潮です。
その道の達人ばかり、そもそも意識が高い人たちばかりで
さらには個人事業主であるプロ野球選手を束ねるプロ野球の、
自身も個人事業主である監督と、
一般の会社員を率いる立場は、似て非なるもの、
と思っていたからです。
しかし、昨今の企業経営のトレンドとして、
私の尊敬する、ある経営コンサルタントの方は、
「戦略の時代、そして組織設計が企業の明暗を分けた時代から、
いまは強い個人、社長以下どれだけ強い個人が揃っているかが
企業経営の明暗を分ける時代になった」
とおっしゃっています。
それだけ、個々の社員にも
「プロ意識」が求められる時代になったといえます。
力のある人材を集めることに関しては、
現実の経営では大変だったりするのでしょうけれども、
その優秀な個々人の力を引き出す
それを組織として束ねて、強さを生み出すということに関しては
プロスポーツのチームマネジメントは、
経営においても大いに参考になる、と認識を改めつつありました。
その意味で、今大会の原監督の采配、大いに注目していたのです。
あの延長10回、内川選手からイチロー選手までの攻撃は
神懸かり的でした。イチロー選手が言うように、
「神が下りてきた」のでしょう。
もちろん、現実のプロ野球のことはよくわかりませんし、
結果論にすぎないかもしれませんが、
戦術面・作戦面での自負が強い
選手を大人扱いしないタイプの監督さんであったなら、
下りてきた、かどうか、とも思うのです。
最高の結果を出したその采配、マネジメントは
これからいろいろ報道がなされることでしょうし、
メディアでも注目を浴びることと思います。
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歓喜する様子に感動しました。
すごい、さすが! 万歳!
イチローや松坂、ダルビッシュ、岩隈、杉内、青木、中島、城島、
内川、小笠原……活躍した選手ばかりでなく、おそらく
ベンチやスタッフ全員も一丸となっていたからこそ可能になった、
見事な勝利だったのではないでしょうか。
個人的に、原辰徳という人は凄い、と思いました。
プレーヤーではないけれど、最大の功労者は原さんだと思います。
そう考える理由は以下のような点にあります。
・ごたごた続きの監督人選のなか、選ばれたら二つ返事で受けたこと。
これはサンケイスポーツ(3月25日付け)によれば、
「リーダーは自分でなるものでなく、人が押し上げてくれるもの」という、
恩師・元巨人監督の故藤田元司氏の教えに従ったものだそうです。
・実力相応にプライドも高い、一流選手たちのモチベーションを
最後まで削ぐことなく、保ち続けたこと。
・最初に決めた方針(野手は二つ以上のポジションを守れること、
名前のある選手でも調子が悪ければ使わないこと)を最後まで貫いたこと。
加えて、ご自身いつも笑顔で、
選手には、服装や髪型も「サムライらしく」清潔にさわやかに、
を義務づけました。
某夕刊紙によれば、そのほか「後ろ向きな言葉は絶対に口にしないこと」だけを強い、
あとは細かいことは言わなかったとのこと。
そういえば、選手から、そうした発言はまったく聞かれなかったような……。
とにかく、実力ある面々を束ねて、その力を引き出したという点、
マネジメントにおいても大いに参考になるのではないかと思います。
かつて、私はスポーツマネジメントを
経営の現場になぞらえるメディアの風潮には
やや辟易していました。
結果を出したプロ野球監督の手腕本みたいなものを
競って出す風潮です。
その道の達人ばかり、そもそも意識が高い人たちばかりで
さらには個人事業主であるプロ野球選手を束ねるプロ野球の、
自身も個人事業主である監督と、
一般の会社員を率いる立場は、似て非なるもの、
と思っていたからです。
しかし、昨今の企業経営のトレンドとして、
私の尊敬する、ある経営コンサルタントの方は、
「戦略の時代、そして組織設計が企業の明暗を分けた時代から、
いまは強い個人、社長以下どれだけ強い個人が揃っているかが
企業経営の明暗を分ける時代になった」
とおっしゃっています。
それだけ、個々の社員にも
「プロ意識」が求められる時代になったといえます。
力のある人材を集めることに関しては、
現実の経営では大変だったりするのでしょうけれども、
その優秀な個々人の力を引き出す
それを組織として束ねて、強さを生み出すということに関しては
プロスポーツのチームマネジメントは、
経営においても大いに参考になる、と認識を改めつつありました。
その意味で、今大会の原監督の采配、大いに注目していたのです。
あの延長10回、内川選手からイチロー選手までの攻撃は
神懸かり的でした。イチロー選手が言うように、
「神が下りてきた」のでしょう。
もちろん、現実のプロ野球のことはよくわかりませんし、
結果論にすぎないかもしれませんが、
戦術面・作戦面での自負が強い
選手を大人扱いしないタイプの監督さんであったなら、
下りてきた、かどうか、とも思うのです。
最高の結果を出したその采配、マネジメントは
これからいろいろ報道がなされることでしょうし、
メディアでも注目を浴びることと思います。
(編集部・酒井俊宏)
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2009年03月24日(火)更新
【取材日記】平成建設 秋元久雄さん
中小企業にはなかなかよい人材は来ない──。
それは一面事実かもしれませんが、
よい人材を採用できている企業は現実にあります。
そうした企業のトップにお会いすると、
結局は、トップの熱意次第ではないのか、
と思えてきます。
最新号の経営者会報3月号「異能経営者がゆく!」で
ご登場いただいた、平成建設(静岡県沼津市)の
創業社長・秋元久雄さんの、採用にかける情熱は
凄いものがありました。
詳しくは、最新の3月号をお手に取っていただければと思いますが、
以下、少しご紹介します。
■平成建設 ホームページ >>>
代々の大工棟梁の家に生まれた秋元さんは、
一時はウェイトリフティングでの五輪出場を目指し、
自衛隊体育学校に入学します。
残念ながら夢は叶わず、ゼネコンやハウスメーカーで
営業職として飛び抜けた成績を上げたのち、独立。
1989年のことです。
減少傾向かつ高齢化する「大工」さんを
自らの手で育てるための選択でした。
もちろん、何事も下請けに出すのが当たり前の業界で、
自前で大工を育てられたら、企業としての大きな強みになる、
という経営者としての読みもありました。
「大工を社内で育成したらどうかと、何度も勤め先で
進言した。でも全く受け容れてもらえない。それはそ
うです。職人を正社員として抱えれば、教育コストも
かかるし、受注産業なので仕事の量にも波があり社会
保険料等を含めた固定費の負担もばかにならない。誰
も内製化なんてしたがりません」
そして創業して8年目の97年、
地元以外での新卒採用に踏み切ります。
地元の優秀な人材を、
毎年一人か二人は採用できるようになってきたことで
手応えを得たからです。
「静岡に一人いるなら、全国から集めたら、50人くら
い採れるだろう、と単純に考えた(笑)」
いつのときも、秋元さん自ら、説明会に出て、
熱く、仕事のやりがいを訴えるうちに、
いつしか、東京工業大や東大、早慶、
地方の国公立大学などから、優秀な新卒が
集まるようになりました。
「元来、大工は自分で設計もすれば現場の管理もやる。
棟梁ともなればそれが当然で、自分も職人でありなが
ら職人をうまく使う。高度な知識と技能、経験を要求
される仕事でした。高度成長期に分業化が進んで、そ
うした仕事は求められなくなり、大工はやりがいのな
い職業になり果ててしまった。業界挙げて分業化した
結果、大工仕事の価値を貶めてしまったのです」
秋元さんは、その価値をもう一度、
取り戻そうとしておられます。
内製化に徹することで、中間マージンはなくなり
コスト面で優位に立てるほか、
顧客の要望をダイレクトに聴き、
施工に活かすことにもつながっています。
現在、同社は、リクルートの就職人気ランキングのゼネコン部門で
大手に伍してトップテンの常連になっています。
それにしても、同業他社がやらない、
リスクのある取り組みに秋元さんが挑戦できたのはなぜなのか。
私は「成功への確信」に尽きると思います。
その確信はおそらく、単なる成功意欲からは生まれない。
秋元さんはこう危惧します。
「このままでは大工がいなくなり、日本の伝統建築を
手がけられる人間は誰もいなくなる。これは文化の損
失です」
このスケール感ある「志」があってこそ、確信は強化され、
志に裏付けされた確信を経営者がもっているから、
若者たちの心を捉えるのではないか。
そう思わずにはいられませんでした。
秋元さん、ありがとうございました!
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それは一面事実かもしれませんが、
よい人材を採用できている企業は現実にあります。
そうした企業のトップにお会いすると、
結局は、トップの熱意次第ではないのか、
と思えてきます。
最新号の経営者会報3月号「異能経営者がゆく!」で
ご登場いただいた、平成建設(静岡県沼津市)の
創業社長・秋元久雄さんの、採用にかける情熱は
凄いものがありました。
詳しくは、最新の3月号をお手に取っていただければと思いますが、
以下、少しご紹介します。
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代々の大工棟梁の家に生まれた秋元さんは、
一時はウェイトリフティングでの五輪出場を目指し、
自衛隊体育学校に入学します。
残念ながら夢は叶わず、ゼネコンやハウスメーカーで
営業職として飛び抜けた成績を上げたのち、独立。
1989年のことです。
減少傾向かつ高齢化する「大工」さんを
自らの手で育てるための選択でした。
もちろん、何事も下請けに出すのが当たり前の業界で、
自前で大工を育てられたら、企業としての大きな強みになる、
という経営者としての読みもありました。
「大工を社内で育成したらどうかと、何度も勤め先で
進言した。でも全く受け容れてもらえない。それはそ
うです。職人を正社員として抱えれば、教育コストも
かかるし、受注産業なので仕事の量にも波があり社会
保険料等を含めた固定費の負担もばかにならない。誰
も内製化なんてしたがりません」
そして創業して8年目の97年、
地元以外での新卒採用に踏み切ります。
地元の優秀な人材を、
毎年一人か二人は採用できるようになってきたことで
手応えを得たからです。
「静岡に一人いるなら、全国から集めたら、50人くら
い採れるだろう、と単純に考えた(笑)」
いつのときも、秋元さん自ら、説明会に出て、
熱く、仕事のやりがいを訴えるうちに、
いつしか、東京工業大や東大、早慶、
地方の国公立大学などから、優秀な新卒が
集まるようになりました。
「元来、大工は自分で設計もすれば現場の管理もやる。
棟梁ともなればそれが当然で、自分も職人でありなが
ら職人をうまく使う。高度な知識と技能、経験を要求
される仕事でした。高度成長期に分業化が進んで、そ
うした仕事は求められなくなり、大工はやりがいのな
い職業になり果ててしまった。業界挙げて分業化した
結果、大工仕事の価値を貶めてしまったのです」
秋元さんは、その価値をもう一度、
取り戻そうとしておられます。
内製化に徹することで、中間マージンはなくなり
コスト面で優位に立てるほか、
顧客の要望をダイレクトに聴き、
施工に活かすことにもつながっています。
現在、同社は、リクルートの就職人気ランキングのゼネコン部門で
大手に伍してトップテンの常連になっています。
それにしても、同業他社がやらない、
リスクのある取り組みに秋元さんが挑戦できたのはなぜなのか。
私は「成功への確信」に尽きると思います。
その確信はおそらく、単なる成功意欲からは生まれない。
秋元さんはこう危惧します。
「このままでは大工がいなくなり、日本の伝統建築を
手がけられる人間は誰もいなくなる。これは文化の損
失です」
このスケール感ある「志」があってこそ、確信は強化され、
志に裏付けされた確信を経営者がもっているから、
若者たちの心を捉えるのではないか。
そう思わずにはいられませんでした。
秋元さん、ありがとうございました!
(編集部・酒井俊宏)
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2009年03月19日(木)更新
【ブログピックアップ】東京彫刻工業 花輪篤稔さん
「ブログピックアップ」では、
経営者のみなさんの書かれたブログの中から、
お薦めのブログをご紹介しています。
今回のお薦めブログは東京彫刻工業の花輪篤稔さんです。
* * *
現在、社内で推進していることの一つに「見える化」と「見られる化」を実施しています。
ご存知の通り、「見える化」は、生産進捗や5Sなど、日常業務の透明性を高くするもので、多くの企業さんが既に実践されていることと思います。
当社も、バーコードを使った生産進捗ソフトを導入したり、データ管理を一元化したり、そこそこ「見える化」が浸透していると思っております。
そして、今回新たに加えられたのが「見られる化」です。
■続きはこちら >>>
■東京彫刻工業 ホームページ >>>
* * *
花輪さんのブログからは、社長さん以下、
日々、革新に取り組んでおられる様子が伝わってきます。
この「見られる化」の取り組みは、
ものづくりの現場をもつ経営者にとって参考度が高いと思います。
花輪さんは、地域への発信と、社員さんのプライドの点での効果を述べておられますが、
ものづくりに興味のなかった、もしくはもっていても、なかなか現場を目にする機会のない
子供たちや若い人たちの心にも響くのではないか、と思っております。
花輪さん、かげながら応援しております!
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* * *
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そして、今回新たに加えられたのが「見られる化」です。
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* * *
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