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「経営者会報ブログ」&「ニュートップリーダー」編集記者・酒井俊宏の「こんな社長さんに会ってきました!」
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2009年01月20日(火)更新
【取材日記】リングアンドリンク 金丸信一さん
新規事業を起こす際、よくいわれるのは
落下傘方式ではダメで、自社の事業の延長線上でやるべき、
ということです。
実際、それが大きな前提ではあるのでしょう。
しかし、自社の事業の本質をよく捉えていないと
単に裾野を広げただけで、
今度は既存の事業が手薄になったりすることもあるでしょう。
過日、経営者会報2月号の特集「高収益企業になる!」で
取材をさせていただいた
リングアンドリンク社長の金丸信一さんの取り組みは
その点、とても参考になります。
精密機械製造がメインでしたが、
ソフトウェア事業にも乗り出し、
これがわずか5年あまりで、
全体の3割を売り上げるまでに伸びているのです。
■リングアンドリンク ホームページ >>>
もちろん、「高収益企業になる」という企画の趣旨に関しても
同社は十二分に読者にヒントを示しておられます。
99年、経営危機に陥ってから、
金丸社長は、抜本的に組織を改革しました。
チーム制を採り入れ、会社の数字をすべて公開。
利益を重視する姿勢を打ち出し、それはご自身も徹底され、
社員のかたにはいっさい指示を出さず、
「利益は出るか、出たのか」を確認するだけ。
それで業績は奇跡的な回復を遂げていくのです。
(くわしくは、経営者会報2月号をご覧ください)
合わせて、先に述べた、新規事業=ソフトウェア事業が
大きな伸びを見せます。
これは自社で独自に構築していたシステムを
応用できる業種はないかを探し、
不動産事業者向けに特化して世に送り出されたものです。
「ウェブに関する技術も、工場内でLANを構築していた
関係でネットワークの技術もあり、データベース化に関し
てもノウハウがありました。この三つの技術を一括で提供
しているシステム業者は意外にない。ビジネスに活かせな
いかと考えて、成算ありと判断したのが不動産業界です。
サポートに力を入れていますが、機械屋である私どもにと
って機械が壊れたら修理するのは当たり前です」
……だから、畑違いの業種への無謀な進出ではなく、
同社の既存事業の延長線上で生まれたビジネスモデルといえます。
おやりになっていることの本質を
きちんとつかんでおられたから、成功したのでしょう。
くわしくはこちらをどうぞ。
■@dream2000 >>>
金丸さんは、いまでは不動産業者にとっては
救いの神のようになり、全国を講演や指導で
回っておられるとのことです。
昨年は154回!講演されたとのこと。
同社のシステムでホームページを作成している業者も
なんと1600社にのぼるそうです。
金丸さん、ありがとうございました!
■中小企業経営者のための羅針盤『月刊経営者会報』
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■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社 >>>
落下傘方式ではダメで、自社の事業の延長線上でやるべき、
ということです。
実際、それが大きな前提ではあるのでしょう。
しかし、自社の事業の本質をよく捉えていないと
単に裾野を広げただけで、
今度は既存の事業が手薄になったりすることもあるでしょう。
過日、経営者会報2月号の特集「高収益企業になる!」で
取材をさせていただいた
リングアンドリンク社長の金丸信一さんの取り組みは
その点、とても参考になります。
精密機械製造がメインでしたが、
ソフトウェア事業にも乗り出し、
これがわずか5年あまりで、
全体の3割を売り上げるまでに伸びているのです。
■リングアンドリンク ホームページ >>>
もちろん、「高収益企業になる」という企画の趣旨に関しても
同社は十二分に読者にヒントを示しておられます。
99年、経営危機に陥ってから、
金丸社長は、抜本的に組織を改革しました。
チーム制を採り入れ、会社の数字をすべて公開。
利益を重視する姿勢を打ち出し、それはご自身も徹底され、
社員のかたにはいっさい指示を出さず、
「利益は出るか、出たのか」を確認するだけ。
それで業績は奇跡的な回復を遂げていくのです。
(くわしくは、経営者会報2月号をご覧ください)
合わせて、先に述べた、新規事業=ソフトウェア事業が
大きな伸びを見せます。
これは自社で独自に構築していたシステムを
応用できる業種はないかを探し、
不動産事業者向けに特化して世に送り出されたものです。
「ウェブに関する技術も、工場内でLANを構築していた
関係でネットワークの技術もあり、データベース化に関し
てもノウハウがありました。この三つの技術を一括で提供
しているシステム業者は意外にない。ビジネスに活かせな
いかと考えて、成算ありと判断したのが不動産業界です。
サポートに力を入れていますが、機械屋である私どもにと
って機械が壊れたら修理するのは当たり前です」
……だから、畑違いの業種への無謀な進出ではなく、
同社の既存事業の延長線上で生まれたビジネスモデルといえます。
おやりになっていることの本質を
きちんとつかんでおられたから、成功したのでしょう。
くわしくはこちらをどうぞ。
■@dream2000 >>>
金丸さんは、いまでは不動産業者にとっては
救いの神のようになり、全国を講演や指導で
回っておられるとのことです。
昨年は154回!講演されたとのこと。
同社のシステムでホームページを作成している業者も
なんと1600社にのぼるそうです。
金丸さん、ありがとうございました!
(編集部・酒井俊宏)
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2009年01月19日(月)更新
【取材日記】タビオ 越智直正会長
接するだけでこちらが元気をいただくような、
魅力的な経営者にお会いすることができる。
それは、この経営者会報という雑誌に携わることの
大きな「役得」だと思っております。
ものの考え方やスケールに刺激を受けますし、
なにより、単純に、パワーをいただいた感じになります。
実際、その会社がうまく行っているのも、
経営者のモチベーションや明るさに
多くの社員さんが刺激を受けている、
という面はあると思います。
そうしたかたは、やはり創業者に多いなというのが
私の実感です。
事業を自ら創り上げてきた自信がおありなのでしょうし、
ご自身が手塩にかけてきた会社、そして社員のみなさんに対して
大きな愛情を注いでいるのが伝わってきます。
経営者会報2月号の特集「高収益企業になる!」にご登場いただいた
タビオ創業者の越智直正会長は、まさに、そんなかたでした。
取材の窓口になってくださった、広報グループの伊藤さんと。
■タビオ ホームページ >>>
タビオはもとの社名をダンといいます。
社名変更して2年あまりなので、
こちらで記憶されているかたも多いと思います。
靴下卸から始まって、現在は企画から製造・卸売・小売まで手がけ、
「靴下屋」のブランドを中心に
FC、直営合わせて全国約280店舗を有しています。
一足800円前後からという同社の主力商品の靴下は
高品質で耐久性に優れ、ファッション性も高く、
消費者に強く支持されてきました。
多くの同業者、アパレル関係者が中国に生産拠点を置き、
彼の地での生産をメインとするなか、国内生産にこだわり、
製造などの関係する企業と手を携えた経営を貫いてきています。
(数%は同社でも中国生産していますが)
90年代初期に、生産工場(協力工場)と仕入れ先である糸関係の商社、
そして小売店をつなぐ、
サプライチェーン・マネジメントシステムを構築しているのです。
業界では嚆矢といえるでしょう。
そうしてできあがった、「売れるぶんだけ作る」体制が
同社の、売上高経常利益率12%超という高収益の根幹です。
詳しくは、2月1日発行予定の、
弊誌2月号をご覧いただければと思いますが、
越智会長は、人こそ高収益の源泉とおっしゃっています。
「システムは道具です。道具を真似すれば成功するなら、
長嶋さんのバット使えば誰でもホームランが打てること
になる。作家先生の使てる万年筆使えば同じ文章が書け
ることになる。そんなわけない。システムではなくてそ
れを支える人が重要なんです」
もう一つ。
世界中を回ってきた越智会長は、日本人と日本という国に
強い誇り、自信をもっておられます。
「わし程度の男の考えることは、日本という国で、日本
人と一緒なら、必ず叶えられる。日本人は優秀です。な
のにメディアは悲観論ばかり。日本人は自信をもたなく
てはいけません」
つい悲観的になりがちな昨今ですし、
多くのマスメディアの姿勢は、たしかに
総じて悲観的な論調が幅をきかせています。
もちろん理性的な検証は必要ですが、
メディアのそうした論調が余計に
人々から活力を奪っている面は
否めないのではないか、と思います。
弊誌は、悲観論に陥らない、明るい将来を描くための
ヒントを示していきたいと、越智会長にお会いして、
改めて肝に銘じた次第です。
読めば元気の出る、越智会長のお話、
ぜひ弊誌を手に取って、ご覧いただければと思います。
越智会長、元気をいただきました。
ありがとうございました!
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魅力的な経営者にお会いすることができる。
それは、この経営者会報という雑誌に携わることの
大きな「役得」だと思っております。
ものの考え方やスケールに刺激を受けますし、
なにより、単純に、パワーをいただいた感じになります。
実際、その会社がうまく行っているのも、
経営者のモチベーションや明るさに
多くの社員さんが刺激を受けている、
という面はあると思います。
そうしたかたは、やはり創業者に多いなというのが
私の実感です。
事業を自ら創り上げてきた自信がおありなのでしょうし、
ご自身が手塩にかけてきた会社、そして社員のみなさんに対して
大きな愛情を注いでいるのが伝わってきます。
経営者会報2月号の特集「高収益企業になる!」にご登場いただいた
タビオ創業者の越智直正会長は、まさに、そんなかたでした。
取材の窓口になってくださった、広報グループの伊藤さんと。
■タビオ ホームページ >>>
タビオはもとの社名をダンといいます。
社名変更して2年あまりなので、
こちらで記憶されているかたも多いと思います。
靴下卸から始まって、現在は企画から製造・卸売・小売まで手がけ、
「靴下屋」のブランドを中心に
FC、直営合わせて全国約280店舗を有しています。
一足800円前後からという同社の主力商品の靴下は
高品質で耐久性に優れ、ファッション性も高く、
消費者に強く支持されてきました。
多くの同業者、アパレル関係者が中国に生産拠点を置き、
彼の地での生産をメインとするなか、国内生産にこだわり、
製造などの関係する企業と手を携えた経営を貫いてきています。
(数%は同社でも中国生産していますが)
90年代初期に、生産工場(協力工場)と仕入れ先である糸関係の商社、
そして小売店をつなぐ、
サプライチェーン・マネジメントシステムを構築しているのです。
業界では嚆矢といえるでしょう。
そうしてできあがった、「売れるぶんだけ作る」体制が
同社の、売上高経常利益率12%超という高収益の根幹です。
詳しくは、2月1日発行予定の、
弊誌2月号をご覧いただければと思いますが、
越智会長は、人こそ高収益の源泉とおっしゃっています。
「システムは道具です。道具を真似すれば成功するなら、
長嶋さんのバット使えば誰でもホームランが打てること
になる。作家先生の使てる万年筆使えば同じ文章が書け
ることになる。そんなわけない。システムではなくてそ
れを支える人が重要なんです」
もう一つ。
世界中を回ってきた越智会長は、日本人と日本という国に
強い誇り、自信をもっておられます。
「わし程度の男の考えることは、日本という国で、日本
人と一緒なら、必ず叶えられる。日本人は優秀です。な
のにメディアは悲観論ばかり。日本人は自信をもたなく
てはいけません」
つい悲観的になりがちな昨今ですし、
多くのマスメディアの姿勢は、たしかに
総じて悲観的な論調が幅をきかせています。
もちろん理性的な検証は必要ですが、
メディアのそうした論調が余計に
人々から活力を奪っている面は
否めないのではないか、と思います。
弊誌は、悲観論に陥らない、明るい将来を描くための
ヒントを示していきたいと、越智会長にお会いして、
改めて肝に銘じた次第です。
読めば元気の出る、越智会長のお話、
ぜひ弊誌を手に取って、ご覧いただければと思います。
越智会長、元気をいただきました。
ありがとうございました!
(編集部・酒井俊宏)
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2009年01月07日(水)更新
【取材日記】イケヒコ・コーポレーション 猪口芳範さん
複数の経営者にワンテーマでご登場いただく記事では、
当方の狙い通りに帰結することもあれば、
取り組んでみて結論が浮かび上がってくる場合もあります。
経営者会報1月号『特集・自主独立の経営』は後者のようで、
登場された経営者も識者も一様に「自立した社員」の存在が
カギだと指摘されています。
とすると、トップがそのような社員を育成する情熱を
もてるかどうか。その点を試される話であるともいえます。
過日、私が取材をさせていただいた
イケヒコ・コーポレーションの猪口芳範社長は、
非常に教育熱心なかたでした。
■イケヒコ・コーポレーション ホームページ >>>
地場の伝統産業である「い草」の卸だった同社は、
猪口社長が三代目として会社を継いでから、
い草製品のメーカーに転じます。
同時に、高度成長末期のそのころ、
大きく伸長していたスーパー業界に営業をかけ、
全国に販売網を広げます。
結果、業界シェアトップとなり、この時期にあっても
増収増益基調を保ち続けています。
まさに、地方にあって「自主独立」を貫いておられます。
詳しくは弊誌1月号をご覧いただければと思いますが、
記事にならなかった話を含め、少しご紹介します。
同社のある福岡県大木町エリアには、
同社ほどの規模・業容(年商113億円・従業員310名)の
会社は、ほとんどない様子でした。
この日の取材は、工場の二階にしつらえられた
ショールームでさせていただいたのですが、
来客には必ず挨拶するようにとの教育が徹底されているのでしょう、
社員のかたが上がってくるたび、猪口さんと私の近くまで足を運び、
「本日はいらっしゃいませ!」
と元気に、そして丁重に挨拶をしていかれるのには驚きました。
(そのたびに何を訊いていたのか、一瞬忘れそうになりましたが)
そうした精神面や礼儀面だけでなく
「健康でないと幸せになれない」との社長の考えから、
毎朝礼のあとには、なんと全員で500メートル走をするそうです。
「二日酔いや体調不良で歩いている人間もいますが、
そういうのは大目に見ています(笑)。でもたいてい
みんな一所懸命走ってますね」
OJTと申しますか、同社の場合、
事業の強みである組織運営のあり方がそのまま、
従業員さんの成長につながっているようです。
同社では、早くから事業部制を採ってきていて、
各事業部は合計60を超えるユニットに分かれています。
各ユニットは、リーダー含め3、4名で構成。
この人たちはよほどのことがないかぎり、
異動しないというのが、大きな特長です。
「人間、あれもこれもはできない。でも一つのことを
掘り下げていけば、相当な知識と経験が身に付くもの
です。それが自信にもつながりますし、当然、社業に
も大きく貢献することになる」
地方に居を置きつつ全国区になった成功例としても、
さらには伝統産業の生き残り策の成功例としても、
同社ほどの例は、少ないといえます。
それは、猪口さんご自身の、社会的な使命感に発しています。
ご本人のこのご発言が象徴的です。
「かつて、い草業界には新卒の大卒なんて来てくれま
せんでした。地方というのはどこもそうかもしれませ
んが、地元の優秀な若者が都会に出ていったきり戻っ
てきてくれない。地元に雇用を生み出したい、という
思いは強かった。そのためには経済的な待遇も整えな
くてはいけません。同時に、社員が自立した立派なお
父さん、お母さんになれる、学びの場にしたいと考え
てきました。それが社会の基礎ですから」
トップのこうした姿勢こそ、
真の「自立」への要諦なのかもしれません。
猪口さん、大変勉強になりました。
ありがとうございました!
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当方の狙い通りに帰結することもあれば、
取り組んでみて結論が浮かび上がってくる場合もあります。
経営者会報1月号『特集・自主独立の経営』は後者のようで、
登場された経営者も識者も一様に「自立した社員」の存在が
カギだと指摘されています。
とすると、トップがそのような社員を育成する情熱を
もてるかどうか。その点を試される話であるともいえます。
過日、私が取材をさせていただいた
イケヒコ・コーポレーションの猪口芳範社長は、
非常に教育熱心なかたでした。
■イケヒコ・コーポレーション ホームページ >>>
地場の伝統産業である「い草」の卸だった同社は、
猪口社長が三代目として会社を継いでから、
い草製品のメーカーに転じます。
同時に、高度成長末期のそのころ、
大きく伸長していたスーパー業界に営業をかけ、
全国に販売網を広げます。
結果、業界シェアトップとなり、この時期にあっても
増収増益基調を保ち続けています。
まさに、地方にあって「自主独立」を貫いておられます。
詳しくは弊誌1月号をご覧いただければと思いますが、
記事にならなかった話を含め、少しご紹介します。
同社のある福岡県大木町エリアには、
同社ほどの規模・業容(年商113億円・従業員310名)の
会社は、ほとんどない様子でした。
この日の取材は、工場の二階にしつらえられた
ショールームでさせていただいたのですが、
来客には必ず挨拶するようにとの教育が徹底されているのでしょう、
社員のかたが上がってくるたび、猪口さんと私の近くまで足を運び、
「本日はいらっしゃいませ!」
と元気に、そして丁重に挨拶をしていかれるのには驚きました。
(そのたびに何を訊いていたのか、一瞬忘れそうになりましたが)
そうした精神面や礼儀面だけでなく
「健康でないと幸せになれない」との社長の考えから、
毎朝礼のあとには、なんと全員で500メートル走をするそうです。
「二日酔いや体調不良で歩いている人間もいますが、
そういうのは大目に見ています(笑)。でもたいてい
みんな一所懸命走ってますね」
OJTと申しますか、同社の場合、
事業の強みである組織運営のあり方がそのまま、
従業員さんの成長につながっているようです。
同社では、早くから事業部制を採ってきていて、
各事業部は合計60を超えるユニットに分かれています。
各ユニットは、リーダー含め3、4名で構成。
この人たちはよほどのことがないかぎり、
異動しないというのが、大きな特長です。
「人間、あれもこれもはできない。でも一つのことを
掘り下げていけば、相当な知識と経験が身に付くもの
です。それが自信にもつながりますし、当然、社業に
も大きく貢献することになる」
地方に居を置きつつ全国区になった成功例としても、
さらには伝統産業の生き残り策の成功例としても、
同社ほどの例は、少ないといえます。
それは、猪口さんご自身の、社会的な使命感に発しています。
ご本人のこのご発言が象徴的です。
「かつて、い草業界には新卒の大卒なんて来てくれま
せんでした。地方というのはどこもそうかもしれませ
んが、地元の優秀な若者が都会に出ていったきり戻っ
てきてくれない。地元に雇用を生み出したい、という
思いは強かった。そのためには経済的な待遇も整えな
くてはいけません。同時に、社員が自立した立派なお
父さん、お母さんになれる、学びの場にしたいと考え
てきました。それが社会の基礎ですから」
トップのこうした姿勢こそ、
真の「自立」への要諦なのかもしれません。
猪口さん、大変勉強になりました。
ありがとうございました!
(編集部・酒井俊宏)
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2008年12月26日(金)更新
【取材日記】はせがわ酒店 長谷川浩一さん
過日、経営者会報1月号(1月1日発行予定)、
福永雅文氏の連載 「小が大に勝つ」戦略 の取材に随行し、
はせがわ酒店(東京都江東区)さんにおじゃましてまいりました。
お相手は社長の長谷川浩一さんです。
■はせがわ酒店 ホームページ >>>
はせがわ酒店さんは、下の写真でおわかりいただけると思いますが、
一見して、小洒落た酒屋さん。
しかし、業界内で知らない者はいない、というほど凄いお店(会社)です。
なんとビールが1本もない。
日本酒、それも地方の銘酒と呼ばれるものを中心に扱っていて、
そのほとんどが、現社長の長谷川さんが自らの足と舌で、
探しあててきた銘酒なのです。
ただの町の酒屋さんが、どのようにして
“勝って”いったのか。
それは、気鋭のコンサルタント・福永氏の筆による
経営者会報1月号の記事をご覧いただければと思いますが、
少しだけ、ご紹介します。
長谷川さんはもともと別の会社に勤務していて
お父さんの立ち上げた酒屋さんを継ぐ予定ではありませんでした。
しかし、跡継ぎだったお兄さんが急逝。
長谷川さんが引き継ぐことになったのです。
ただの町の酒屋さんではじり貧だと考えた長谷川さんは
当初、自分が好きだったワインに絞ろうとしますが、
やはり江東区という下町では受け容れられず、頓挫。
そして「実はあまり好きではなかった」という日本酒に絞ることに。
ある地酒に巡り会い、日本酒の本当のうまさを知ったからでもあります。
しかし著名な地酒はなかなか入手できない。
そんなとき、知り合いの居酒屋店主のひと言で、
長谷川さんの人生は動き出し始めます。
「全国には3000以上の蔵がある。自分の足と舌で
探したらいいじゃないか」──
まだバブルが弾ける前の頃です。
そしていま、長谷川さんの集めた自慢の地酒が
はせがわ酒店さんには並び、卸売りもやっておられます。
コンビニエンスストアや大手居酒屋チェーンも
長谷川さんと提携しようと、足を運ぶまでになっています。
日本一の地酒の目利き──それがいまの長谷川さんの
通り名でもあります。
近年では、表参道ヒルズにパイロットショップを出すなど、
美味しい日本酒の存在を、
より広く知ってもらうための取り組みも始めています。
「儲けだけ考えたら、この店(亀戸本店)一店だけ
やるのが一番。でも日本酒に育ててもらった私たち
ですから、恩返しのつもりで取り組んでいます」
戦略的な正しさもさりながら、それを貫くうえで
“志”がいかに大切かを、改めて知った取材でした。
長谷川さん、ありがとうございました!
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福永雅文氏の連載 「小が大に勝つ」戦略 の取材に随行し、
はせがわ酒店(東京都江東区)さんにおじゃましてまいりました。
お相手は社長の長谷川浩一さんです。
■はせがわ酒店 ホームページ >>>
はせがわ酒店さんは、下の写真でおわかりいただけると思いますが、
一見して、小洒落た酒屋さん。
しかし、業界内で知らない者はいない、というほど凄いお店(会社)です。
なんとビールが1本もない。
日本酒、それも地方の銘酒と呼ばれるものを中心に扱っていて、
そのほとんどが、現社長の長谷川さんが自らの足と舌で、
探しあててきた銘酒なのです。
ただの町の酒屋さんが、どのようにして
“勝って”いったのか。
それは、気鋭のコンサルタント・福永氏の筆による
経営者会報1月号の記事をご覧いただければと思いますが、
少しだけ、ご紹介します。
長谷川さんはもともと別の会社に勤務していて
お父さんの立ち上げた酒屋さんを継ぐ予定ではありませんでした。
しかし、跡継ぎだったお兄さんが急逝。
長谷川さんが引き継ぐことになったのです。
ただの町の酒屋さんではじり貧だと考えた長谷川さんは
当初、自分が好きだったワインに絞ろうとしますが、
やはり江東区という下町では受け容れられず、頓挫。
そして「実はあまり好きではなかった」という日本酒に絞ることに。
ある地酒に巡り会い、日本酒の本当のうまさを知ったからでもあります。
しかし著名な地酒はなかなか入手できない。
そんなとき、知り合いの居酒屋店主のひと言で、
長谷川さんの人生は動き出し始めます。
「全国には3000以上の蔵がある。自分の足と舌で
探したらいいじゃないか」──
まだバブルが弾ける前の頃です。
そしていま、長谷川さんの集めた自慢の地酒が
はせがわ酒店さんには並び、卸売りもやっておられます。
コンビニエンスストアや大手居酒屋チェーンも
長谷川さんと提携しようと、足を運ぶまでになっています。
日本一の地酒の目利き──それがいまの長谷川さんの
通り名でもあります。
近年では、表参道ヒルズにパイロットショップを出すなど、
美味しい日本酒の存在を、
より広く知ってもらうための取り組みも始めています。
「儲けだけ考えたら、この店(亀戸本店)一店だけ
やるのが一番。でも日本酒に育ててもらった私たち
ですから、恩返しのつもりで取り組んでいます」
戦略的な正しさもさりながら、それを貫くうえで
“志”がいかに大切かを、改めて知った取材でした。
長谷川さん、ありがとうございました!
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2008年11月28日(金)更新
【取材日記】教育基礎研究所 中川研作さん
経営者会報本誌では、新年1月号より、
新シリーズ「社長の声」(仮)をスタートさせます。
「特集」などの器には収まりにくい、
やや特殊なテーマで、なおかつ
経営者のみなさんに参考度の高いエピソードや考えを
社長さんの肉声の形で、お伝えしようというものです。
実はこの企画、経営者会報ブログ会員の
教育基礎研究所社長・中川研作さんからのご提案がきっかけです。
■中川さんのブログ >>>
■教育基礎研究所 ホームページ >>>
ご存じのかたもいらっしゃるかもしれませんが、
ことしのGW明け、中川さんはバイクで走行中、交通事故に遭われ、
3週間あまり、入院される重傷を負いました。
その後、無事、退院され、
第5回のオフ会(6月27日)の二次会の場でお話しした際、
中川さんはこんなことをおっしゃっていました。
「入院してみて、初めて分かったんです。自分がどれだけ
リスク管理をしていなかったか。権限委譲もしているつも
りだったけど、現実には違いました」
……その体験を、同じ経営者のみなさまにお伝えしたい、
そういう企画の枠はないですか?
とおっしゃるのです。なるほど、と思い、
同時に、つい大上段に構えた企画
(それも重要だと思っていますが)を
考えがちだった自分を反省することになりました。
「風評被害に遭った」「工場の移転はこんなに大変だ」
「こうしたらテレビで紹介してもらえた」……等々、
実際に体験しないと言えないことは沢山あります。
現実に経営に努力しておられる経営者のみなさんにとっては
中川さんがなさったような「なった者にしかわからない」体験こそ
真に価値ある情報なのかもしれない。
そう考えて、そのような“声”をお載せする枠として、
上記「社長の声」を新たに設けた次第です。
ところで、ここで言いたいのはそれだけではありません。
中川さんには、改めて取材をさせていただこうと思い、
先月の半ば、その旨を申し入れ、ご快諾いただきました。
すると数日して中川さんからメールが。
「取材の参考になればと思い、ざっとメモ的に書いてみました」
添付ファイルを開いて拝読してびっくり。
そこには臨場感あふれる筆致で、
事故の模様から、その後の思いまで、
流れるような文章で書かれていたのです。
お書きになっているブログを拝見して
文章がお上手だとは思っていましたが、
ここまで文才がおありとは……。
素晴らしいものでした。
「メモ」どころではなく、ほぼそのまま原稿として通用しますし、
ライターさんに原稿をお願いした場合、
ここまで“読ませる”ものが上がってくることは
正直、滅多にないのです。
おかげで取材では当方が確認したい点をうかがうだけですみ、
中川さんのさまざまなご経験や知識の一端をお聞きする、
私にとっては楽しい時間となりました。
その中川さんの原稿は経営者会報2009年1月号に
掲載されます。どうかお手に取ってみてください。
中川さん、素晴らしい原稿と
重要なヒントをくださったことに
深く感謝申し上げます。
ありがとうございました!
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新シリーズ「社長の声」(仮)をスタートさせます。
「特集」などの器には収まりにくい、
やや特殊なテーマで、なおかつ
経営者のみなさんに参考度の高いエピソードや考えを
社長さんの肉声の形で、お伝えしようというものです。
実はこの企画、経営者会報ブログ会員の
教育基礎研究所社長・中川研作さんからのご提案がきっかけです。
■中川さんのブログ >>>
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ご存じのかたもいらっしゃるかもしれませんが、
ことしのGW明け、中川さんはバイクで走行中、交通事故に遭われ、
3週間あまり、入院される重傷を負いました。
その後、無事、退院され、
第5回のオフ会(6月27日)の二次会の場でお話しした際、
中川さんはこんなことをおっしゃっていました。
「入院してみて、初めて分かったんです。自分がどれだけ
リスク管理をしていなかったか。権限委譲もしているつも
りだったけど、現実には違いました」
……その体験を、同じ経営者のみなさまにお伝えしたい、
そういう企画の枠はないですか?
とおっしゃるのです。なるほど、と思い、
同時に、つい大上段に構えた企画
(それも重要だと思っていますが)を
考えがちだった自分を反省することになりました。
「風評被害に遭った」「工場の移転はこんなに大変だ」
「こうしたらテレビで紹介してもらえた」……等々、
実際に体験しないと言えないことは沢山あります。
現実に経営に努力しておられる経営者のみなさんにとっては
中川さんがなさったような「なった者にしかわからない」体験こそ
真に価値ある情報なのかもしれない。
そう考えて、そのような“声”をお載せする枠として、
上記「社長の声」を新たに設けた次第です。
ところで、ここで言いたいのはそれだけではありません。
中川さんには、改めて取材をさせていただこうと思い、
先月の半ば、その旨を申し入れ、ご快諾いただきました。
すると数日して中川さんからメールが。
「取材の参考になればと思い、ざっとメモ的に書いてみました」
添付ファイルを開いて拝読してびっくり。
そこには臨場感あふれる筆致で、
事故の模様から、その後の思いまで、
流れるような文章で書かれていたのです。
お書きになっているブログを拝見して
文章がお上手だとは思っていましたが、
ここまで文才がおありとは……。
素晴らしいものでした。
「メモ」どころではなく、ほぼそのまま原稿として通用しますし、
ライターさんに原稿をお願いした場合、
ここまで“読ませる”ものが上がってくることは
正直、滅多にないのです。
おかげで取材では当方が確認したい点をうかがうだけですみ、
中川さんのさまざまなご経験や知識の一端をお聞きする、
私にとっては楽しい時間となりました。
その中川さんの原稿は経営者会報2009年1月号に
掲載されます。どうかお手に取ってみてください。
中川さん、素晴らしい原稿と
重要なヒントをくださったことに
深く感謝申し上げます。
ありがとうございました!
(編集部・酒井俊宏)
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