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2009年01月20日(火)更新

【取材日記】リングアンドリンク 金丸信一さん

新規事業を起こす際、よくいわれるのは
落下傘方式ではダメで、自社の事業の延長線上でやるべき、
ということです。

実際、それが大きな前提ではあるのでしょう。
しかし、自社の事業の本質をよく捉えていないと
単に裾野を広げただけで、
今度は既存の事業が手薄になったりすることもあるでしょう。

過日、経営者会報2月号の特集「高収益企業になる!」
取材をさせていただいた
リングアンドリンク社長の金丸信一さんの取り組みは
その点、とても参考になります。

精密機械製造がメインでしたが、
ソフトウェア事業にも乗り出し、
これがわずか5年あまりで、
全体の3割を売り上げるまでに伸びているのです。


かねまるさん

■リングアンドリンク ホームページ >>>

もちろん、「高収益企業になる」という企画の趣旨に関しても
同社は十二分に読者にヒントを示しておられます。

99年、経営危機に陥ってから、
金丸社長は、抜本的に組織を改革しました。
チーム制を採り入れ、会社の数字をすべて公開。
利益を重視する姿勢を打ち出し、それはご自身も徹底され、
社員のかたにはいっさい指示を出さず、
「利益は出るか、出たのか」を確認するだけ。
それで業績は奇跡的な回復を遂げていくのです。
(くわしくは、経営者会報2月号をご覧ください)

合わせて、先に述べた、新規事業=ソフトウェア事業が
大きな伸びを見せます。
これは自社で独自に構築していたシステムを
応用できる業種はないかを探し、
不動産事業者向けに特化して世に送り出されたものです。

「ウェブに関する技術も、工場内でLANを構築していた
関係でネットワークの技術もあり、データベース化に関し
てもノウハウがありました。この三つの技術を一括で提供
しているシステム業者は意外にない。ビジネスに活かせな
いかと考えて、成算ありと判断したのが不動産業界です。
サポートに力を入れていますが、機械屋である私どもにと
って機械が壊れたら修理するのは当たり前です」

……だから、畑違いの業種への無謀な進出ではなく、
同社の既存事業の延長線上で生まれたビジネスモデルといえます。

おやりになっていることの本質を
きちんとつかんでおられたから、成功したのでしょう。

くわしくはこちらをどうぞ。

■@dream2000 >>>

金丸さんは、いまでは不動産業者にとっては
救いの神のようになり、全国を講演や指導で
回っておられるとのことです。
昨年は154回!講演されたとのこと。
同社のシステムでホームページを作成している業者も
なんと1600社にのぼるそうです。

金丸さん、ありがとうございました!

(編集部・酒井俊宏)



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2009年01月19日(月)更新

【取材日記】タビオ 越智直正会長

接するだけでこちらが元気をいただくような、
魅力的な経営者にお会いすることができる。
それは、この経営者会報という雑誌に携わることの
大きな「役得」だと思っております。

ものの考え方やスケールに刺激を受けますし、
なにより、単純に、パワーをいただいた感じになります。
実際、その会社がうまく行っているのも、
経営者のモチベーションや明るさに
多くの社員さんが刺激を受けている、
という面はあると思います。

そうしたかたは、やはり創業者に多いなというのが
私の実感です。

事業を自ら創り上げてきた自信がおありなのでしょうし、
ご自身が手塩にかけてきた会社、そして社員のみなさんに対して
大きな愛情を注いでいるのが伝わってきます。

経営者会報2月号の特集「高収益企業になる!」にご登場いただいた
タビオ創業者の越智直正会長は、まさに、そんなかたでした。

かいちょうさん

取材の窓口になってくださった、広報グループの伊藤さんと。
■タビオ ホームページ >>>


タビオはもとの社名をダンといいます。
社名変更して2年あまりなので、
こちらで記憶されているかたも多いと思います。

靴下卸から始まって、現在は企画から製造・卸売・小売まで手がけ、
「靴下屋」のブランドを中心に
FC、直営合わせて全国約280店舗を有しています。

一足800円前後からという同社の主力商品の靴下は
高品質で耐久性に優れ、ファッション性も高く、
消費者に強く支持されてきました。

多くの同業者、アパレル関係者が中国に生産拠点を置き、
彼の地での生産をメインとするなか、国内生産にこだわり、
製造などの関係する企業と手を携えた経営を貫いてきています。
(数%は同社でも中国生産していますが)

90年代初期に、生産工場(協力工場)と仕入れ先である糸関係の商社、
そして小売店をつなぐ、
サプライチェーン・マネジメントシステムを構築しているのです。
業界では嚆矢といえるでしょう。
そうしてできあがった、「売れるぶんだけ作る」体制が
同社の、売上高経常利益率12%超という高収益の根幹です。

詳しくは、2月1日発行予定の、
弊誌2月号をご覧いただければと思いますが、
越智会長は、人こそ高収益の源泉とおっしゃっています。

「システムは道具です。道具を真似すれば成功するなら、
長嶋さんのバット使えば誰でもホームランが打てること
になる。作家先生の使てる万年筆使えば同じ文章が書け
ることになる。そんなわけない。システムではなくてそ
れを支える人が重要なんです」

もう一つ。

世界中を回ってきた越智会長は、日本人と日本という国に
強い誇り、自信をもっておられます。

「わし程度の男の考えることは、日本という国で、日本
人と一緒なら、必ず叶えられる。日本人は優秀です。な
のにメディアは悲観論ばかり。日本人は自信をもたなく
てはいけません」

つい悲観的になりがちな昨今ですし、
多くのマスメディアの姿勢は、たしかに
総じて悲観的な論調が幅をきかせています。
もちろん理性的な検証は必要ですが、
メディアのそうした論調が余計に
人々から活力を奪っている面は
否めないのではないか、と思います。

弊誌は、悲観論に陥らない、明るい将来を描くための
ヒントを示していきたいと、越智会長にお会いして、
改めて肝に銘じた次第です。

読めば元気の出る、越智会長のお話、
ぜひ弊誌を手に取って、ご覧いただければと思います。

越智会長、元気をいただきました。
ありがとうございました!

(編集部・酒井俊宏)



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2009年01月16日(金)更新

【ブログピックアップ】東京彫刻工業 花輪篤稔さん

「ブログピックアップ」では、
経営者のみなさんの書かれたブログの中から、
お薦めのブログをご紹介しています。

今回のお薦めブログは新たに加わってくださった、
東京彫刻工業花輪篤稔さんです。
 
 *      *      *



ここ数日、偶然にも島根の方との出会いが立て続けにありました。

昨日は、今や島根を代表する若手リーダー、奥出雲の三澤社長との交流、そして本日は、益田市の吉部社長御一行様が来社されその後皆さんとの会食、なんだか“今年は島根との距離が近くなる”と、勝手に思い込んでいたことが、年明け早々現実になり始めたような、そんな気がしています。



■続きはこちら >>>
■東京彫刻工業 ホームページ >>>

 *      *      *


東京彫刻工業さんは、大正8年創業の老舗の刻印メーカーです。
花輪さんは三代目にあたります。
すでに示唆に富む記事を、何本もアップしておられます。
 
お顔が広く、行動力がすばらしくていらっしゃるのでしょう。
テーマも中国のこと、ものづくりのこと、そしてお子様のこと……
と多岐にわたっていて、
そのどれもが、きっと会員さんや読者のみなさまにとって
ヒントになるのでは、と感じました。
 
花輪さん、これから事務局一同、
お役に立てるよう努力して参ります。
引き続きのご投稿を、楽しみにしております。
 
どうかよろしくお願い申しあげます!


(編集部・酒井俊宏)




けいかいきゅういち
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2009年01月08日(木)更新

【ブログピックアップ】フライ・ハイ 松田淳さん

「ブログピックアップ」では、
経営者のみなさんの書かれたブログの中から、
お薦めのブログをご紹介しています。

今回のお薦めブログは
フライ・ハイ松田淳さんです。
 
 *      *      *



ERPシステム切り替えの失敗からたくさんのことを学びましたが、在庫管理やシステムのテクニカルな話より、もっと本質的な学びをお伝えしたいと思います。



■続きはこちら >>>
■フライ・ハイ  ホームページ >>>

 *      *      *


企業再生コンサルティングのプロフェッショナルである松田さんは
毎回、示唆に富んだ記事をアップしてくださっています。

今回の記事は、経営者ならずとも、
私のような仕事をしている人間でも非常に腑に落ちます。

まだまだ「できた人」はもちろん「できる人」にもほど遠い自分ですが、
たしかに、読んでくださるかたをイメージしながら書けた記事ほど、
仕上がりがよいような気がします。
 
松田さん、これから事務局一同、
お役に立てるよう努力して参ります。
引き続き、示唆に富んだ、滋味深いご投稿を
楽しみにしております。
 
どうかよろしくお願い申しあげます!


(編集部・酒井俊宏)



けいかいじゅうに
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2009年01月07日(水)更新

【取材日記】イケヒコ・コーポレーション 猪口芳範さん

複数の経営者にワンテーマでご登場いただく記事では、
当方の狙い通りに帰結することもあれば、
取り組んでみて結論が浮かび上がってくる場合もあります。

経営者会報1月号『特集・自主独立の経営』は後者のようで、
登場された経営者も識者も一様に「自立した社員」の存在が
カギだと指摘されています。

とすると、トップがそのような社員を育成する情熱を
もてるかどうか。その点を試される話であるともいえます。

過日、私が取材をさせていただいた
イケヒコ・コーポレーション猪口芳範社長は、
非常に教育熱心なかたでした。

いけひこさん

■イケヒコ・コーポレーション ホームページ >>>

地場の伝統産業である「い草」の卸だった同社は、
猪口社長が三代目として会社を継いでから、
い草製品のメーカーに転じます。
同時に、高度成長末期のそのころ、
大きく伸長していたスーパー業界に営業をかけ、
全国に販売網を広げます。
結果、業界シェアトップとなり、この時期にあっても
増収増益基調を保ち続けています。
まさに、地方にあって「自主独立」を貫いておられます。

詳しくは弊誌1月号をご覧いただければと思いますが、
記事にならなかった話を含め、少しご紹介します。
 
同社のある福岡県大木町エリアには、
同社ほどの規模・業容(年商113億円・従業員310名)の
会社は、ほとんどない様子でした。

いけひここうじょう

この日の取材は、工場の二階にしつらえられた
ショールームでさせていただいたのですが、
来客には必ず挨拶するようにとの教育が徹底されているのでしょう、
社員のかたが上がってくるたび、猪口さんと私の近くまで足を運び、

「本日はいらっしゃいませ!」

と元気に、そして丁重に挨拶をしていかれるのには驚きました。
(そのたびに何を訊いていたのか、一瞬忘れそうになりましたが)
 
そうした精神面や礼儀面だけでなく
「健康でないと幸せになれない」との社長の考えから、
毎朝礼のあとには、なんと全員で500メートル走をするそうです。

「二日酔いや体調不良で歩いている人間もいますが、
そういうのは大目に見ています(笑)。でもたいてい
みんな一所懸命走ってますね」


OJTと申しますか、同社の場合、
事業の強みである組織運営のあり方がそのまま、
従業員さんの成長につながっているようです。
同社では、早くから事業部制を採ってきていて、
各事業部は合計60を超えるユニットに分かれています。

各ユニットは、リーダー含め3、4名で構成。
この人たちはよほどのことがないかぎり、
異動しないというのが、大きな特長です。

「人間、あれもこれもはできない。でも一つのことを
掘り下げていけば、相当な知識と経験が身に付くもの
です。それが自信にもつながりますし、当然、社業に
も大きく貢献することになる」

 
地方に居を置きつつ全国区になった成功例としても、
さらには伝統産業の生き残り策の成功例としても、
同社ほどの例は、少ないといえます。

それは、猪口さんご自身の、社会的な使命感に発しています。
ご本人のこのご発言が象徴的です。

「かつて、い草業界には新卒の大卒なんて来てくれま
せんでした。地方というのはどこもそうかもしれませ
んが、地元の優秀な若者が都会に出ていったきり戻っ
てきてくれない。地元に雇用を生み出したい、という
思いは強かった。そのためには経済的な待遇も整えな
くてはいけません。同時に、社員が自立した立派なお
父さん、お母さんになれる、学びの場にしたいと考え
てきました。それが社会の基礎ですから」


トップのこうした姿勢こそ、
真の「自立」への要諦なのかもしれません。

猪口さん、大変勉強になりました。
ありがとうございました!


(編集部・酒井俊宏)



けいかいひょうし
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