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「経営者会報ブログ」&「ニュートップリーダー」編集記者・酒井俊宏の「こんな社長さんに会ってきました!」
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私事、でおそれいります。
以前、私の家内が、自宅の一角でパン屋をしていることを
ちょっとだけ、ここで書きました。
実は、この経営者会報ブログの会員のみなさまの
情報発信を見習い、参考にして、家内はブログ↓を
始めました。
■ベーカリー ミイ >>>
そうした情報発信と、久米繊維工業・久米信行社長が
動画でご紹介してくださったり、というおかげもあって、
ご近所さんだけでなく、隣町から見えるお客様が
増えてきています。
地元のメディアや食通のかたのブログなどでご紹介いただくことも増えてきました。
そうした記事が「クロワッサン誌」の編集部のかたの目に止まり、
取材をいただいたのが、先月の半ばのことでした。
その取材が、きょう発売の同誌に掲載されました。
「この年齢で、住まいかたを見直す」
という特集のなかで、川崎市からつくばに移り住んだ
私たち夫婦のことを、ご紹介いただいています。
編集部のみなさま、ライターさん、カメラマンさん、
本当にありがとうございました。
恥ずかしながら、書店さんで見かけたら、
お手に取っていただきたいと思います。
思えば、オープンしたのが、去年の12月13日。
一年経たずに、こんなことが起こるとは、
もちろんまったく想像していませんでした。
ご指導、ご心配、そして、応援してくださったみなさますべてに、
厚く御礼申しあげます。
ありがとうございました。
本来、経営者でもない私の、まさに私事などは、
立場上、ここで書くべきことではないのですが、
多くの会員のかたにご心配していただきましたし、
応援もいただきました。
どうしても、この場で、みなさまにお伝えし、
お礼を申しあげたいと思った次第です。
なにとぞ、ご容赦くださいますよう、
お願い申しあげます。
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2010年04月20日(火)更新
【取材日記】ニコリ 鍜治真起さん
先月末、ニュートップL.5月号の
特別記事『海外で、売る!』の取材で
ニコリ社長の鍜治真起さんに、
お話をうかがってきました。
鍜治さんは日本国内よりも、
むしろ海外で著名なかたかもしれません。
鍜治さんが命名し、新たな命を吹き込んだといえる
パズル『数独』は世界109か国に広まり、
各国で出版物が刊行されるほか、
新聞や雑誌でも日々、掲載されています。
鍜治さんは世界中の愛好者から
“数独の父”と呼ばれ、敬愛されているのです。
その鍜治さんに、企業が海外進出するさいの
要諦について、お話をうかがってきわけですが、
豪快で、かつ爽やかなお人柄に、
すっかり魅了されてしまった次第です。
■ニコリ ホームページ >>>
くわしくは、5月1日発売予定のニュートップL.5月号を
ご参照いただければ幸いですが、ちょっとだけ、ご紹介します。
「数独」の原型は1979年にアメリカで生まれた
「ナンバープレイス」というパズルです。
しかし、当時は誰もこのパズルに注目せず、
鍛治社長が84年、偶然、手にした
アメリカのパズル雑誌で見つけた
ナンバープレイスに興味をもち、スタッフや、
後述する「作家」やファンとともに進化させてきました。
鍜治さん自身、次のように語るほどの人気なのです。
「外国の空港の売店ではどこでも数独コーナー
がありますし、ブリティッシュ・エアウェイズ
の全コックピットでは数独禁止令が出るほど乗
務員が熱中して困っているらしいですよ」
「数独」という名称は、鍜治さんが考えました。
1から9までの数字しか使わないパズルなので
「一ケタ数字→シングル→独身」という連想で、
「数字は独身に限る」……
それが縮まって「数独」になったというわけです。
ニコリでは季刊『パズル通信ニコリ』を八〇年から発行。
これは、パズルファンの投稿で成り立っています。
投稿者は全国に2000人ほど、
常連が500人ほどいるそうです。
優れた問題をコンスタントにつくれるようになると、
「作家」と呼ばれるようになり、社員さんも作家出身者が大半。
ニコリのパズルは紙と鉛筆を使って考えられているのが大きな特長で、
パソコンで自動的に作る、他社のものとはまったく違うそうです。
パズルといえど、手間暇をかけた日本的ものづくりを
貫いていることが、多くのファンの心をつかみました。
海外進出の要諦については、
鍜治さんは次のように語ります。
「海外企業との契約は、フレンドリーシップで始
めるとパートナーシップまでもっていくのにエネ
ルギーがいる。最初からパートナーシップを結び、
企業間の信頼関係を高めることが大切です」
とくにアメリカなどでは、契約は収益のみならず、
想定しうるリスクをどのように分担するか、も
問われるそうで、互いに繁栄しよう、という
パートナーシップが求められるそうです。
それにしても、海外経験豊富な鍜治さんのお話は
大変ユニークで、目を瞠るようなお話をたくさんうかがうことができました。
たとえば、こんな話です。
「海外では先方企業で初めて商談する際、数十分、
社長室などで待たされることがある。非礼でそう
しているのではなく、そうしたスペースには社長
その人を物語る、書籍や趣味のものなどが置いて
あり、それを見て、人となりを知り、フレンドリ
ーになる手がかりをつかんで欲しい、という意味
があるそうです」
「海外のメディアは、『皇太子家の問題について
どう思うか』など仕事に関係ない分野でも日本の
ことについてコメントを求められる。一番違うの
は、海外では話したことを、聞いたままを記事に
してしまう。日本の場合、新聞社にせよ出版社に
せよテレビ局にせよ、一つの番組、記事をともに
つくる、という目的意識を共有できることが多い。
だから“適当”にしゃべっても、ちゃんと記事に
してくれる、という安心感がある」
どちらがよいのかはさておき、メディアの世界でも
なにやら日本的な特徴があるようですし、
どこか職人的なところは、
やはり失ってはならない部分であるように思った次第です。
このほかにも、競馬好きな鍜治さんは、
海外で趣味を問われて、そう答えると、
「馬は何頭もっているんだい」とか
「馬の買い付けにいくなら紹介するよ」などと言われたこともあるそう。
単にギャンブル扱いの日本と違って、英国などでは
紳士の、大人の楽しみという扱いで、競馬好き、というと、
「さすがは……」という反応になるのだそうです。
とにかく、面白いお話のオンパレードで
記事にできないのがほんとうにもったいないくらいでした。
鍜治さん、楽しい取材で、大いに勉強になりました。
ありがとうございました。
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特別記事『海外で、売る!』の取材で
ニコリ社長の鍜治真起さんに、
お話をうかがってきました。
鍜治さんは日本国内よりも、
むしろ海外で著名なかたかもしれません。
鍜治さんが命名し、新たな命を吹き込んだといえる
パズル『数独』は世界109か国に広まり、
各国で出版物が刊行されるほか、
新聞や雑誌でも日々、掲載されています。
鍜治さんは世界中の愛好者から
“数独の父”と呼ばれ、敬愛されているのです。
その鍜治さんに、企業が海外進出するさいの
要諦について、お話をうかがってきわけですが、
豪快で、かつ爽やかなお人柄に、
すっかり魅了されてしまった次第です。
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くわしくは、5月1日発売予定のニュートップL.5月号を
ご参照いただければ幸いですが、ちょっとだけ、ご紹介します。
「数独」の原型は1979年にアメリカで生まれた
「ナンバープレイス」というパズルです。
しかし、当時は誰もこのパズルに注目せず、
鍛治社長が84年、偶然、手にした
アメリカのパズル雑誌で見つけた
ナンバープレイスに興味をもち、スタッフや、
後述する「作家」やファンとともに進化させてきました。
鍜治さん自身、次のように語るほどの人気なのです。
「外国の空港の売店ではどこでも数独コーナー
がありますし、ブリティッシュ・エアウェイズ
の全コックピットでは数独禁止令が出るほど乗
務員が熱中して困っているらしいですよ」
「数独」という名称は、鍜治さんが考えました。
1から9までの数字しか使わないパズルなので
「一ケタ数字→シングル→独身」という連想で、
「数字は独身に限る」……
それが縮まって「数独」になったというわけです。
ニコリでは季刊『パズル通信ニコリ』を八〇年から発行。
これは、パズルファンの投稿で成り立っています。
投稿者は全国に2000人ほど、
常連が500人ほどいるそうです。
優れた問題をコンスタントにつくれるようになると、
「作家」と呼ばれるようになり、社員さんも作家出身者が大半。
ニコリのパズルは紙と鉛筆を使って考えられているのが大きな特長で、
パソコンで自動的に作る、他社のものとはまったく違うそうです。
パズルといえど、手間暇をかけた日本的ものづくりを
貫いていることが、多くのファンの心をつかみました。
海外進出の要諦については、
鍜治さんは次のように語ります。
「海外企業との契約は、フレンドリーシップで始
めるとパートナーシップまでもっていくのにエネ
ルギーがいる。最初からパートナーシップを結び、
企業間の信頼関係を高めることが大切です」
とくにアメリカなどでは、契約は収益のみならず、
想定しうるリスクをどのように分担するか、も
問われるそうで、互いに繁栄しよう、という
パートナーシップが求められるそうです。
それにしても、海外経験豊富な鍜治さんのお話は
大変ユニークで、目を瞠るようなお話をたくさんうかがうことができました。
たとえば、こんな話です。
「海外では先方企業で初めて商談する際、数十分、
社長室などで待たされることがある。非礼でそう
しているのではなく、そうしたスペースには社長
その人を物語る、書籍や趣味のものなどが置いて
あり、それを見て、人となりを知り、フレンドリ
ーになる手がかりをつかんで欲しい、という意味
があるそうです」
「海外のメディアは、『皇太子家の問題について
どう思うか』など仕事に関係ない分野でも日本の
ことについてコメントを求められる。一番違うの
は、海外では話したことを、聞いたままを記事に
してしまう。日本の場合、新聞社にせよ出版社に
せよテレビ局にせよ、一つの番組、記事をともに
つくる、という目的意識を共有できることが多い。
だから“適当”にしゃべっても、ちゃんと記事に
してくれる、という安心感がある」
どちらがよいのかはさておき、メディアの世界でも
なにやら日本的な特徴があるようですし、
どこか職人的なところは、
やはり失ってはならない部分であるように思った次第です。
このほかにも、競馬好きな鍜治さんは、
海外で趣味を問われて、そう答えると、
「馬は何頭もっているんだい」とか
「馬の買い付けにいくなら紹介するよ」などと言われたこともあるそう。
単にギャンブル扱いの日本と違って、英国などでは
紳士の、大人の楽しみという扱いで、競馬好き、というと、
「さすがは……」という反応になるのだそうです。
とにかく、面白いお話のオンパレードで
記事にできないのがほんとうにもったいないくらいでした。
鍜治さん、楽しい取材で、大いに勉強になりました。
ありがとうございました。
(編集部 酒井俊宏)
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2010年04月16日(金)更新
【取材日記】ヱビナ電化工業 海老名伸哉さん
過日、弊誌・ニュートップL.4月号の取材、
「特集 デキる人材はトップ自ら採る!」で
東京都大田区に本社を構える、
ヱビナ電化工業さんにお邪魔してきました。
お話をうかがったのは、
3代目社長の海老名伸哉さん。
お父上である先代・信緒さんが昨年末、急逝され、
伸哉さんは33歳で社長に就任しました。
大変失礼ながら、その若さでありながら、
実に堂々として、自社の事業を熱く熱く語る
非常にエネルギッシュなかたでした。
■ヱビナ電化工業 ホームページ >>>
この特集は、大企業でなくとも
優秀な人材を採用している企業に
なぜそれが可能なのかをお聞きし
経営者のみなさまのご参考に供するものです。
人材育成はもちろん重要ですが、
それ以前に重要なのは、
どれだけ優秀な人材を採用できるか
(優秀、とは学業のことだけを言っているわけではありません、念のため)、
まずはそこなのではないかと思います。
しかしながら、そもそも中小企業には優秀な人材はこない、
と諦めてしまっているかたも多い。
本当にそうなのでしょうか。
一面、それは事実かもしれません。
でも諦めずに努力を続けている企業では
やはり、成果が上がっているのも事実です。
ヱビナ電化工業さんは、テレビ東京の
『カンブリア宮殿』などにも登場されていますので、
ご存じのかたも多いと思いますが、
優秀な技術系の女性を多く採用し、育てておられます。
↓海老名さんじきじきにご案内いただきました。
詳しくは発売中の、ニュートップL.4月号を
ご覧いただければと思いますが、
海老名社長のご発言を一部、引用してご紹介します。
「本格的に新卒採用を始めたのは一〇年前。
以来、毎年五~七人の技術系社員を採用して
います。企業文化の醸成の面からも新卒から
育てるのが一番。本来は男女均等に採用した
いのですが、実力重視で選んだ結果、女性が
多くなってしまった」
なぜそうなるのか。
同社では、先代・信緒氏が主導し、
めっきの技術を、科学的にデータ解析することにシフトし、
従来の職人の勘と経験頼みを脱しています。
そのうえ、営業マンを置かず、
技術者が顧客企業と折衝するスタイルのため、
分析・解析装置を活用できて、
顧客企業に様々な提案ができる人材を求めています。
当然、コミュニケーション能力を重視することになります。
「技術者といえどもお客さんとコミュニケー
ションが取れなければ仕事になりません。と
ころがうちを受けに来る理系の男子学生はま
ともに話すことすらできない人が少なくない」
……ゆえに、結果的に女性が残るというわけです。
男である私は、ちょっと複雑な思いがしますが。
その女性たちの側に選ばれるのもわけがあります。
同社では新しく研究所を建てたり、
工場を改築する設備投資に加え、
パートさんがたくさん勤務しているからでもありますが、
食堂やトイレを拡張したり、ゆったりとお化粧のできる
洗面台を設置したりと、女性が働きやすい環境づくりを
心がけてきました。
一方で、海老名社長は、入社前に仕事を体験させる
インターン研修や、入社後も定期的に社員さんと
個別の面談をもって、悩みも聞いておられます。
そうした努力もあって、離職率も低いそうです。
仕事で高いレベルを求められ、
自分が成長できる会社であること、
環境面においても、
社員を大切にする姿勢のある会社だということが、
自ずと学生側にも伝わることでしょう。
つまりは、よい会社であることがまず先で、
あとは、嘘をつかず、そのことが伝わるよう
努力を重ねていく、ということが大切なように
思われます。
なお、26歳で入社した海老名社長は
先代さんから次のように言われ、
ずっと責任者として採用に力を注いでこられたそうです。
「これから長い間、お前と一緒に仕事をしていく
人たちなんだから、お前が人物を見なさい」
素晴らしいと思いました。
以下は、4月号の編集後記にも書いたことではありますが、
新人の採用は、スムーズな事業承継とともに
企業の「永続・発展」を期すうえで不可欠のものである以上、
承継を念頭に置きながら、自社の採用活動のあり方を考えるのは、
ごく自然なことなのではないか、と感じた次第です。
素晴らしい父、子、そして親子の関係が、承継にせよ、採用にせよ、
その成功の要因であることを思わずにはいられませんでした。
海老名さん、ありがとうございました。
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「特集 デキる人材はトップ自ら採る!」で
東京都大田区に本社を構える、
ヱビナ電化工業さんにお邪魔してきました。
お話をうかがったのは、
3代目社長の海老名伸哉さん。
お父上である先代・信緒さんが昨年末、急逝され、
伸哉さんは33歳で社長に就任しました。
大変失礼ながら、その若さでありながら、
実に堂々として、自社の事業を熱く熱く語る
非常にエネルギッシュなかたでした。
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この特集は、大企業でなくとも
優秀な人材を採用している企業に
なぜそれが可能なのかをお聞きし
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人材育成はもちろん重要ですが、
それ以前に重要なのは、
どれだけ優秀な人材を採用できるか
(優秀、とは学業のことだけを言っているわけではありません、念のため)、
まずはそこなのではないかと思います。
しかしながら、そもそも中小企業には優秀な人材はこない、
と諦めてしまっているかたも多い。
本当にそうなのでしょうか。
一面、それは事実かもしれません。
でも諦めずに努力を続けている企業では
やはり、成果が上がっているのも事実です。
ヱビナ電化工業さんは、テレビ東京の
『カンブリア宮殿』などにも登場されていますので、
ご存じのかたも多いと思いますが、
優秀な技術系の女性を多く採用し、育てておられます。
↓海老名さんじきじきにご案内いただきました。
詳しくは発売中の、ニュートップL.4月号を
ご覧いただければと思いますが、
海老名社長のご発言を一部、引用してご紹介します。
「本格的に新卒採用を始めたのは一〇年前。
以来、毎年五~七人の技術系社員を採用して
います。企業文化の醸成の面からも新卒から
育てるのが一番。本来は男女均等に採用した
いのですが、実力重視で選んだ結果、女性が
多くなってしまった」
なぜそうなるのか。
同社では、先代・信緒氏が主導し、
めっきの技術を、科学的にデータ解析することにシフトし、
従来の職人の勘と経験頼みを脱しています。
そのうえ、営業マンを置かず、
技術者が顧客企業と折衝するスタイルのため、
分析・解析装置を活用できて、
顧客企業に様々な提案ができる人材を求めています。
当然、コミュニケーション能力を重視することになります。
「技術者といえどもお客さんとコミュニケー
ションが取れなければ仕事になりません。と
ころがうちを受けに来る理系の男子学生はま
ともに話すことすらできない人が少なくない」
……ゆえに、結果的に女性が残るというわけです。
男である私は、ちょっと複雑な思いがしますが。
その女性たちの側に選ばれるのもわけがあります。
同社では新しく研究所を建てたり、
工場を改築する設備投資に加え、
パートさんがたくさん勤務しているからでもありますが、
食堂やトイレを拡張したり、ゆったりとお化粧のできる
洗面台を設置したりと、女性が働きやすい環境づくりを
心がけてきました。
一方で、海老名社長は、入社前に仕事を体験させる
インターン研修や、入社後も定期的に社員さんと
個別の面談をもって、悩みも聞いておられます。
そうした努力もあって、離職率も低いそうです。
仕事で高いレベルを求められ、
自分が成長できる会社であること、
環境面においても、
社員を大切にする姿勢のある会社だということが、
自ずと学生側にも伝わることでしょう。
つまりは、よい会社であることがまず先で、
あとは、嘘をつかず、そのことが伝わるよう
努力を重ねていく、ということが大切なように
思われます。
なお、26歳で入社した海老名社長は
先代さんから次のように言われ、
ずっと責任者として採用に力を注いでこられたそうです。
「これから長い間、お前と一緒に仕事をしていく
人たちなんだから、お前が人物を見なさい」
素晴らしいと思いました。
以下は、4月号の編集後記にも書いたことではありますが、
新人の採用は、スムーズな事業承継とともに
企業の「永続・発展」を期すうえで不可欠のものである以上、
承継を念頭に置きながら、自社の採用活動のあり方を考えるのは、
ごく自然なことなのではないか、と感じた次第です。
素晴らしい父、子、そして親子の関係が、承継にせよ、採用にせよ、
その成功の要因であることを思わずにはいられませんでした。
海老名さん、ありがとうございました。
(編集部 酒井俊宏)
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2010年01月14日(木)更新
【取材日記】コクホー 庄山悟さん
過日、経営者会報ブログ会員の
コクホー・庄山悟さんをおたずねして、
大阪へ行ってまいりました。
月刊ニュートップリーダー2月号から始まった
「トップのための名品・逸品」という連載での取材です。
↓自慢の自社製トランク(後述)を手にされる庄山さん。
■庄山さんのブログ >>>
■コクホー ホームページ >>>
■国鞄シリーズ サイト >>>
同社で扱っておられる、「国鞄シリーズ」は、
まさにトップリーダーがもつにふさわしい名作だと思い、
同シリーズをご紹介すべく、おたずねした次第です。
掲載は3月号を予定しています。
写真は、私が撮ったものでは質感が伝わらないので、
庄山さんにお借りしたものを使用させていただきました。
いつもは、この経営者会報ブログで、
縦横無尽の、涙あり、笑いあり、の
ハイテンションブログを書かれている庄山さんですが、
素顔は真面目で、自社で扱う商品への“熱い想い”をおもちです。
その想いを余すところなく、語っていただきました。
3月号(ちょっと先ですが)の記事を
ご覧いただければ幸いですが、
スペースの関係もあり、おそらく納め切れない、
庄山さんの事業に対する思い入れを
ご紹介したいと思います。
庄山さんは、大学をご卒業後、東京の総合資材卸商社に勤務、
営業のプロとしてスキルを磨き、
若くして執行役員まで登り詰めたところで、
2006年の1月、お父上が経営しておられたコクホーに入社、
代表取締役社長に就任します。
当時、コクホーさんで手がけていたのは、
学童向けや、一般的な商品が中心です。
そこで庄山さんは、はたと思います。
「自分がもちたい鞄がラインナップになかった。
自分がいる会社に自分のもちたいものがない。絶
望感で打ちひしがれていました。商売人なら、自
分がもちたい、使いたいものを売りたいし、そう
あるべきだと思ったんです」
その絶望感が、大きなビジネスのヒントとなりました。
「これなら欲しい」と思える鞄が果たしてあるのか、
庄山さんは、百貨店から専門店、ブランドショップと歩き回ります。
そして結局、パーツまですべて日本でつくり、皮の材質から
縫製までこだわった、大人の男が、長くもちたいと思える鞄は
見当たらなかったのだそうです。
自分が心底、欲しいと思う鞄がない。
それなら自分たちでつくればいい。
何十年も使える鞄を、使いたくなる鞄を──。
その根拠となったのは、昔、コクホーさんでつくり、
お父上が使われていたトランクです。
今、庄山さんご自身が使っておられます。
冒頭の写真でご本人が手にしておられるのもそれです。
シンプルで飽きのこないデザイン、50年もった耐久性のある、
親から子へと受け継がれたトランクが、
同社が2007年1月に発売を開始した
最高級国産鞄「国鞄シリーズ」の原型となりました。
「長く経営をしておられれば、楽しいことだけで
なく辛いこともあるでしょう。鞄は、そうした喜
びや、艱難辛苦をともにするパートナーともいえ
ます。鞄とともにある思い出や会社や事業に関す
る思い。鞄と一緒に、そうした思い、シミや傷ご
と、たとえばご子息に引き継がれる際、引き継が
れていかれたら嬉しい。そんな思いがあります」
それゆえに、国鞄シリーズは「永代保証」を謳っています。
「日本で五指に入る職人さん」(庄山さん)が手作りで
丁寧に一個一個、仕上げ、
よほど無理な使い方をしてしまった場合を除き、無償で直すそうです。
しかも、近畿圏なら、お問い合わせがあれば
そのお客様のところへ飛んでいく。
まさに破格のビジネスモデルといえます。
「最初は社員も、私を変人扱いしていたと思いま
す。でも、軌道に乗るにつれて、だんだん私が言
っていたことが腑に落ちていったようです」
トップが夢を描き、それが実現していく過程で、
社内も一枚岩になっていく。
さらに、社員の方々が挑戦することの大切さを知り、
自社商品への矜恃をもつ。
そうした、かけがえのない「宝」を
庄山さんと同社は、国鞄シリーズを手がけることで
手にされたのです。
7パターンだけで飽きの来ないシンプルなデザイン。
職人さんの最高の技術でつくられた、
日本の皮革加工技術の結晶といえる逸品。
庄山さんには、日本の皮革技術が途絶えてしまうことへの
危惧もあったそうです。
受け継がれてきた技術を守るために、
自分に何ができるのか、それも庄山さんにとって、
大きな動機であったのでした。
庄山さん、感動的なお話を
ありがとうございました。
そして読者のみなさま、
この鞄、本当にお勧めです。
安くはないかもしれません。
でも、一生ものだと思えば、しかも永代保証ともなれば、
むしろ安いくらいです。
まずは国鞄シリーズのサイトを覗いてみては
いかがでしょうか。
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コクホー・庄山悟さんをおたずねして、
大阪へ行ってまいりました。
月刊ニュートップリーダー2月号から始まった
「トップのための名品・逸品」という連載での取材です。
↓自慢の自社製トランク(後述)を手にされる庄山さん。
■庄山さんのブログ >>>
■コクホー ホームページ >>>
■国鞄シリーズ サイト >>>
同社で扱っておられる、「国鞄シリーズ」は、
まさにトップリーダーがもつにふさわしい名作だと思い、
同シリーズをご紹介すべく、おたずねした次第です。
掲載は3月号を予定しています。
写真は、私が撮ったものでは質感が伝わらないので、
庄山さんにお借りしたものを使用させていただきました。
いつもは、この経営者会報ブログで、
縦横無尽の、涙あり、笑いあり、の
ハイテンションブログを書かれている庄山さんですが、
素顔は真面目で、自社で扱う商品への“熱い想い”をおもちです。
その想いを余すところなく、語っていただきました。
3月号(ちょっと先ですが)の記事を
ご覧いただければ幸いですが、
スペースの関係もあり、おそらく納め切れない、
庄山さんの事業に対する思い入れを
ご紹介したいと思います。
庄山さんは、大学をご卒業後、東京の総合資材卸商社に勤務、
営業のプロとしてスキルを磨き、
若くして執行役員まで登り詰めたところで、
2006年の1月、お父上が経営しておられたコクホーに入社、
代表取締役社長に就任します。
当時、コクホーさんで手がけていたのは、
学童向けや、一般的な商品が中心です。
そこで庄山さんは、はたと思います。
「自分がもちたい鞄がラインナップになかった。
自分がいる会社に自分のもちたいものがない。絶
望感で打ちひしがれていました。商売人なら、自
分がもちたい、使いたいものを売りたいし、そう
あるべきだと思ったんです」
その絶望感が、大きなビジネスのヒントとなりました。
「これなら欲しい」と思える鞄が果たしてあるのか、
庄山さんは、百貨店から専門店、ブランドショップと歩き回ります。
そして結局、パーツまですべて日本でつくり、皮の材質から
縫製までこだわった、大人の男が、長くもちたいと思える鞄は
見当たらなかったのだそうです。
自分が心底、欲しいと思う鞄がない。
それなら自分たちでつくればいい。
何十年も使える鞄を、使いたくなる鞄を──。
その根拠となったのは、昔、コクホーさんでつくり、
お父上が使われていたトランクです。
今、庄山さんご自身が使っておられます。
冒頭の写真でご本人が手にしておられるのもそれです。
シンプルで飽きのこないデザイン、50年もった耐久性のある、
親から子へと受け継がれたトランクが、
同社が2007年1月に発売を開始した
最高級国産鞄「国鞄シリーズ」の原型となりました。
「長く経営をしておられれば、楽しいことだけで
なく辛いこともあるでしょう。鞄は、そうした喜
びや、艱難辛苦をともにするパートナーともいえ
ます。鞄とともにある思い出や会社や事業に関す
る思い。鞄と一緒に、そうした思い、シミや傷ご
と、たとえばご子息に引き継がれる際、引き継が
れていかれたら嬉しい。そんな思いがあります」
それゆえに、国鞄シリーズは「永代保証」を謳っています。
「日本で五指に入る職人さん」(庄山さん)が手作りで
丁寧に一個一個、仕上げ、
よほど無理な使い方をしてしまった場合を除き、無償で直すそうです。
しかも、近畿圏なら、お問い合わせがあれば
そのお客様のところへ飛んでいく。
まさに破格のビジネスモデルといえます。
「最初は社員も、私を変人扱いしていたと思いま
す。でも、軌道に乗るにつれて、だんだん私が言
っていたことが腑に落ちていったようです」
トップが夢を描き、それが実現していく過程で、
社内も一枚岩になっていく。
さらに、社員の方々が挑戦することの大切さを知り、
自社商品への矜恃をもつ。
そうした、かけがえのない「宝」を
庄山さんと同社は、国鞄シリーズを手がけることで
手にされたのです。
7パターンだけで飽きの来ないシンプルなデザイン。
職人さんの最高の技術でつくられた、
日本の皮革加工技術の結晶といえる逸品。
庄山さんには、日本の皮革技術が途絶えてしまうことへの
危惧もあったそうです。
受け継がれてきた技術を守るために、
自分に何ができるのか、それも庄山さんにとって、
大きな動機であったのでした。
庄山さん、感動的なお話を
ありがとうございました。
そして読者のみなさま、
この鞄、本当にお勧めです。
安くはないかもしれません。
でも、一生ものだと思えば、しかも永代保証ともなれば、
むしろ安いくらいです。
まずは国鞄シリーズのサイトを覗いてみては
いかがでしょうか。
(編集部 酒井俊宏)
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2009年12月10日(木)更新
つくばで一番小さなパン屋、です・・
私事、でおそれいります。
以前、私の家内が、自宅の一角でパン屋をしていることを
ちょっとだけ、ここで書きました。
実は、この経営者会報ブログの会員のみなさまの
情報発信を見習い、参考にして、家内はブログ↓を
始めました。
■ベーカリー ミイ >>>
そうした情報発信と、久米繊維工業・久米信行社長が
動画でご紹介してくださったり、というおかげもあって、
ご近所さんだけでなく、隣町から見えるお客様が
増えてきています。
地元のメディアや食通のかたのブログなどでご紹介いただくことも増えてきました。
そうした記事が「クロワッサン誌」の編集部のかたの目に止まり、
取材をいただいたのが、先月の半ばのことでした。
その取材が、きょう発売の同誌に掲載されました。
「この年齢で、住まいかたを見直す」
という特集のなかで、川崎市からつくばに移り住んだ
私たち夫婦のことを、ご紹介いただいています。
編集部のみなさま、ライターさん、カメラマンさん、
本当にありがとうございました。
恥ずかしながら、書店さんで見かけたら、
お手に取っていただきたいと思います。
思えば、オープンしたのが、去年の12月13日。
一年経たずに、こんなことが起こるとは、
もちろんまったく想像していませんでした。
ご指導、ご心配、そして、応援してくださったみなさますべてに、
厚く御礼申しあげます。
ありがとうございました。
本来、経営者でもない私の、まさに私事などは、
立場上、ここで書くべきことではないのですが、
多くの会員のかたにご心配していただきましたし、
応援もいただきました。
どうしても、この場で、みなさまにお伝えし、
お礼を申しあげたいと思った次第です。
なにとぞ、ご容赦くださいますよう、
お願い申しあげます。
(編集部・酒井俊宏)
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2009年11月09日(月)更新
【取材日記】牛肉をめぐる冒険 (サカエヤ・新保吉伸さん)─3─
〈前回記事より続く〉
12月1日発行予定の、
ニュートップリーダー12月号の取材=牛肉をめぐる冒険、これで最後です。
サカエヤ・新保吉伸さんのご案内で、
生産農家の木下牧場さんにお邪魔させていただきました。
滋賀県近江八幡市にある同牧場さんまで、
新保さんの車に乗せていただき、帰りも草津駅まで
送っていただきました。
本当にお手数をおかけいたしました。
行きの行程尾では琵琶湖畔のカフェでランチを取ったりして、
ちょっと「いい旅 夢気分」みたいな道中でした。
といっても、男三人で湖畔に面したカウンターに陣取るのは、
少々、絵にならなかったかも・・・
木下牧場さんは、ご夫婦二人に娘さんたちでやっておられます。
ご主人の木下幸雄さんと、奥様の、その美さん。
お二人ともに、新保さんと志が同じであることが
お話をお聞きして、すぐ理解できました。
エサから変える、という新保さんの、
業界ではまずあり得ないオーダーを承け、
挑戦を続けているご夫婦です。
取材のあとは、お二人のご案内で、
牛舎を見せていただきました。
五感で取材対象を体感することの大切さを改めて思い知らされた、
と前々回の記事で書きましたが、
この日は、私たちの「嗅覚」の出番でした。
都会育ちでない私は、いわゆる「家畜子屋」というのは
これまでの人生の中で、割合、見てきています。
しかし、木下牧場さんの牛舎は、それまでの、私がもっていた
常識を、わずかな時間で覆してしまいました。
全然、「臭くない」のです。
もちろん多少の動物臭はしますが、
牛舎に足を運んですぐ漂ってきたのは、
稲藁と、日なたの匂い。
よく手入れがされ、丹精込めて、
牛たちを育てていることが素人目にもわかります。
牛たちもいたって元気で、
放牧の時間になると、そわそわし出して、
ご主人の幸雄さんが、放牧場に通じる扉に手をかけると、
「もう待てない!」とばかりに、
牛舎の中を輪になってぐるぐると駆け回る。
牛がのそのそ歩いているのは見たことがありますが、
走る姿というのは、スペインの闘牛のシーンを
テレビで観たくらいで、初めての体験でした。
専門的なことは素人が書いて間違いがあってもいけないので、
詳しくふれるのはご容赦いただきたいと思いますが、
健康に育てられ、元気で体力もあることがわかります。
新保さんによれば、無理に太らされた牛では、絶対に無理だそうです。
そういう牛は、出荷前に絶命することもあるそうです。
いわゆる成人病ですね。
木下牧場さんの牛は、無理に肥え太らせたりはせず、
霜降りの牛でも、そうなる血筋を大事にしているそうです。
川上から川下まで、とはよくいわれることですが、
河口から源流まで遡ったような取材は
私としては、今回が初めてでした。
みなさまのご商売に「嘘がない」ことが
ごく自然に体感できました。
そして、われわれ人間は、他の生き物から命を分けてもらって生きていること。
そのことをよく理解して、大切に育てたり、
扱ったりしている人たちがおられて初めて、
私たちが安全で美味しい食べ物を口にできること──。
この旅で学ばせていただいたことは、とても一口には言えません。
新保さん、木下幸雄さん、その美さん。
ほんとうにありがとうございました。
大変勉強になった、10月の「肉の日」でした。
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12月1日発行予定の、
ニュートップリーダー12月号の取材=牛肉をめぐる冒険、これで最後です。
サカエヤ・新保吉伸さんのご案内で、
生産農家の木下牧場さんにお邪魔させていただきました。
滋賀県近江八幡市にある同牧場さんまで、
新保さんの車に乗せていただき、帰りも草津駅まで
送っていただきました。
本当にお手数をおかけいたしました。
行きの行程尾では琵琶湖畔のカフェでランチを取ったりして、
ちょっと「いい旅 夢気分」みたいな道中でした。
といっても、男三人で湖畔に面したカウンターに陣取るのは、
少々、絵にならなかったかも・・・
木下牧場さんは、ご夫婦二人に娘さんたちでやっておられます。
ご主人の木下幸雄さんと、奥様の、その美さん。
お二人ともに、新保さんと志が同じであることが
お話をお聞きして、すぐ理解できました。
エサから変える、という新保さんの、
業界ではまずあり得ないオーダーを承け、
挑戦を続けているご夫婦です。
取材のあとは、お二人のご案内で、
牛舎を見せていただきました。
五感で取材対象を体感することの大切さを改めて思い知らされた、
と前々回の記事で書きましたが、
この日は、私たちの「嗅覚」の出番でした。
都会育ちでない私は、いわゆる「家畜子屋」というのは
これまでの人生の中で、割合、見てきています。
しかし、木下牧場さんの牛舎は、それまでの、私がもっていた
常識を、わずかな時間で覆してしまいました。
全然、「臭くない」のです。
もちろん多少の動物臭はしますが、
牛舎に足を運んですぐ漂ってきたのは、
稲藁と、日なたの匂い。
よく手入れがされ、丹精込めて、
牛たちを育てていることが素人目にもわかります。
牛たちもいたって元気で、
放牧の時間になると、そわそわし出して、
ご主人の幸雄さんが、放牧場に通じる扉に手をかけると、
「もう待てない!」とばかりに、
牛舎の中を輪になってぐるぐると駆け回る。
牛がのそのそ歩いているのは見たことがありますが、
走る姿というのは、スペインの闘牛のシーンを
テレビで観たくらいで、初めての体験でした。
専門的なことは素人が書いて間違いがあってもいけないので、
詳しくふれるのはご容赦いただきたいと思いますが、
健康に育てられ、元気で体力もあることがわかります。
新保さんによれば、無理に太らされた牛では、絶対に無理だそうです。
そういう牛は、出荷前に絶命することもあるそうです。
いわゆる成人病ですね。
木下牧場さんの牛は、無理に肥え太らせたりはせず、
霜降りの牛でも、そうなる血筋を大事にしているそうです。
川上から川下まで、とはよくいわれることですが、
河口から源流まで遡ったような取材は
私としては、今回が初めてでした。
みなさまのご商売に「嘘がない」ことが
ごく自然に体感できました。
そして、われわれ人間は、他の生き物から命を分けてもらって生きていること。
そのことをよく理解して、大切に育てたり、
扱ったりしている人たちがおられて初めて、
私たちが安全で美味しい食べ物を口にできること──。
この旅で学ばせていただいたことは、とても一口には言えません。
新保さん、木下幸雄さん、その美さん。
ほんとうにありがとうございました。
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