酒井俊宏の「こんな社長さんに会ってきました!」 | 経営者会報 (社長ブログ)
「経営者会報ブログ」&「ニュートップリーダー」編集記者・酒井俊宏の「こんな社長さんに会ってきました!」
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私事、でおそれいります。
以前、私の家内が、自宅の一角でパン屋をしていることを
ちょっとだけ、ここで書きました。
実は、この経営者会報ブログの会員のみなさまの
情報発信を見習い、参考にして、家内はブログ↓を
始めました。
■ベーカリー ミイ >>>
そうした情報発信と、久米繊維工業・久米信行社長が
動画でご紹介してくださったり、というおかげもあって、
ご近所さんだけでなく、隣町から見えるお客様が
増えてきています。
地元のメディアや食通のかたのブログなどでご紹介いただくことも増えてきました。
そうした記事が「クロワッサン誌」の編集部のかたの目に止まり、
取材をいただいたのが、先月の半ばのことでした。
その取材が、きょう発売の同誌に掲載されました。
「この年齢で、住まいかたを見直す」
という特集のなかで、川崎市からつくばに移り住んだ
私たち夫婦のことを、ご紹介いただいています。
編集部のみなさま、ライターさん、カメラマンさん、
本当にありがとうございました。
恥ずかしながら、書店さんで見かけたら、
お手に取っていただきたいと思います。
思えば、オープンしたのが、去年の12月13日。
一年経たずに、こんなことが起こるとは、
もちろんまったく想像していませんでした。
ご指導、ご心配、そして、応援してくださったみなさますべてに、
厚く御礼申しあげます。
ありがとうございました。
本来、経営者でもない私の、まさに私事などは、
立場上、ここで書くべきことではないのですが、
多くの会員のかたにご心配していただきましたし、
応援もいただきました。
どうしても、この場で、みなさまにお伝えし、
お礼を申しあげたいと思った次第です。
なにとぞ、ご容赦くださいますよう、
お願い申しあげます。
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2011年02月17日(木)更新
【取材日記】近代ホームグループ 松本 祐さん
ニュートップリーダー2月号の特集は、
「“経営勘”を鍛える」と題して組みました。
経営が勘頼みでいけないことは当然のこととはいえ、
たとえば、
・顕在化していない将来のリスクを察知する
・いくつか選択肢があり迷うなかで決めなくてはならない経営の方針
・新事業などへの挑戦
などの局面において、経営者の意思決定を左右するのは、
最終的には「勘」であるといっても過言ではないでしょう。
その勘は、それまでに当人が現場で培ってきた、種々の経験や
データ収集・分析などの上に立ってこそ作動するものであり、
ただの「ヤマカン」とは違います。
そのような経営に必要な勘をここでは「経営勘」と称し、
それを養ううえでトップは日々、
どのような姿勢でいるべきなのかを考えてみました。
詳しくは本誌を手に取っていただければありがたく存じますが、
ご登場いただいた経営者のうち、
近代ホーム創業者の松本祐(ゆたか)さんのご発言を、
一部、ご紹介します。
松本さんです。
「勘を磨くには失敗するしかありません。人間は、
究極的には失敗からしか学べない。私は創業八年め
まで失敗続きだった。会社を潰しかけて、自分がな
いものねだりばかりしていることに気づきました。
そして、いまいる社員に感謝し、長所を認めて少し
ずつ成長させるよう心がけてから、不思議と勘が当
たるようになった」
■近代ホームグループ ホームページ >>>
他人のせい、世の中のせいにしていると、
目も勘も曇る、と松本さんはおっしゃいます。
すべて自分の責任と、どーんと受け止めて歩んでいくからこそ、
自分が何をすべきかという思考回路が機能し、
それを反復するうちに冴え出すのが、
経営勘なのかもしれません。
このような、「いわくいいがたい」経営の深いところに迫り、
読者にとって真に役立つ考えるヒントを提示する記事にこそ
本誌の特長があると考えています。
そこには、今後も力を入れていきたいと考えています。
なお、松本さんには何度も取材をさせていただき、
そのたびに、誌面に筋が通る気がしています。
厚く御礼申し上げます。
以前にも、同社と松本さんのことを
編集部ブログで書かせていただいたことがあります。
■取材日記 近代ホーム社長・松本祐さん >>>
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「“経営勘”を鍛える」と題して組みました。
経営が勘頼みでいけないことは当然のこととはいえ、
たとえば、
・顕在化していない将来のリスクを察知する
・いくつか選択肢があり迷うなかで決めなくてはならない経営の方針
・新事業などへの挑戦
などの局面において、経営者の意思決定を左右するのは、
最終的には「勘」であるといっても過言ではないでしょう。
その勘は、それまでに当人が現場で培ってきた、種々の経験や
データ収集・分析などの上に立ってこそ作動するものであり、
ただの「ヤマカン」とは違います。
そのような経営に必要な勘をここでは「経営勘」と称し、
それを養ううえでトップは日々、
どのような姿勢でいるべきなのかを考えてみました。
詳しくは本誌を手に取っていただければありがたく存じますが、
ご登場いただいた経営者のうち、
近代ホーム創業者の松本祐(ゆたか)さんのご発言を、
一部、ご紹介します。
松本さんです。
「勘を磨くには失敗するしかありません。人間は、
究極的には失敗からしか学べない。私は創業八年め
まで失敗続きだった。会社を潰しかけて、自分がな
いものねだりばかりしていることに気づきました。
そして、いまいる社員に感謝し、長所を認めて少し
ずつ成長させるよう心がけてから、不思議と勘が当
たるようになった」
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他人のせい、世の中のせいにしていると、
目も勘も曇る、と松本さんはおっしゃいます。
すべて自分の責任と、どーんと受け止めて歩んでいくからこそ、
自分が何をすべきかという思考回路が機能し、
それを反復するうちに冴え出すのが、
経営勘なのかもしれません。
このような、「いわくいいがたい」経営の深いところに迫り、
読者にとって真に役立つ考えるヒントを提示する記事にこそ
本誌の特長があると考えています。
そこには、今後も力を入れていきたいと考えています。
なお、松本さんには何度も取材をさせていただき、
そのたびに、誌面に筋が通る気がしています。
厚く御礼申し上げます。
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編集部ブログで書かせていただいたことがあります。
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(編集部 酒井俊宏)
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2011年02月15日(火)更新
つくば暮らし・筑波山雪景色
昨夜から明け方にかけて、関東でも雪になりました。
この写真は、今朝方、自宅そばで撮りました。
雪化粧した筑波山です。
私は、つくば市から東京・文京区の弊社まで通勤していますが、
よほど悪天候でないかぎり、毎日、筑波山を拝んでから出勤しています。
改めて考えると、たぶん、社内では一番田舎から通っています。
テレビ番組でいうと、ほぼ「人生の楽園」とか
「関東甲信越小さな旅」の世界です。
せっかくですので、ときどき、そんな田舎暮らしの風景も、
迷惑がられない程度に、披露したいと思っています。
よろしくお願いいたします。
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この写真は、今朝方、自宅そばで撮りました。
雪化粧した筑波山です。
私は、つくば市から東京・文京区の弊社まで通勤していますが、
よほど悪天候でないかぎり、毎日、筑波山を拝んでから出勤しています。
改めて考えると、たぶん、社内では一番田舎から通っています。
テレビ番組でいうと、ほぼ「人生の楽園」とか
「関東甲信越小さな旅」の世界です。
せっかくですので、ときどき、そんな田舎暮らしの風景も、
迷惑がられない程度に、披露したいと思っています。
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2011年02月04日(金)更新
【取材日記】ヒロカワ製靴(スコッチグレイン)社長 廣川雅一さん
過日、月刊ニュートップL.(リーダー)2011年2月号連載、
「小よく大を制す ビジネス兵法」の取材で
東京・墨田区に本社を置く、ヒロカワ製靴さんにお邪魔してきました。
同連載は、毎号、
ランチェスター戦略コンサルティングの第一人者・福永雅文さんが、
規模は小さくとも、戦略性をもち、大手に伍して闘っている
企業の経営者に取材。福永さんの視点で記事をまとめていただくものです。
私は記事の担当者として、お供させていただいています。
ヒロカワ製靴さんの場合は社名より、
スコッチグレインという
ブランド名のほうが通りがよいかもしれません。
同社二代目社長の廣川雅一さんは、
落ち着いた語り口ではありましたが、
靴づくりにかけた情熱が胸のうちには
ふつふつとたぎっていることが、
よく伝わってきました。
■ヒロカワ製靴(スコッチグレイン) ホームページ >>>
詳しくはぜひ発売中のニュートップL.(リーダー)を
ご一読いただきたいと存じますが、一部ご紹介しましょう。
同社の歴史には、まさに日本企業の生き残りの一つの道が
示されています。
ご存じのかたも多いことと思いますが、
靴の製法は、大きく分けて以下の三つがあるそうです。
・グッドイヤー・ウエルト製法
・マッケイ製法
・セメント製法
いちばん手間がかかるのが、グッドイヤー・ウエルト。
「掬(すく)い縫い」と「出し縫い」という、二度縫いするやり方です。
本来、靴はこの製法で作られていました。
マッケイは、靴の甲革にソールを直接縫い付けるもの。
セメントは接着剤で甲革とソールを貼り合わせるもの。
廣川さんのお父上が1964年に立ち上げたヒロカワ製靴は
当初、OEMが中心だったこともあり、
先方の要請に応えるかたちで、一部、セメントやマッケイのものも
出してはいましたが、
自社ブランドであるスコッチグレインを展開することに決めた78年以降、
伝統製法のグッドイヤー・ウエルトに絞りました。
スコッチグレインの靴は
「ちゃんと手入れすれば一生履けます」(廣川さん)
とのこと。
それでいて、2万円台から手に入るのはお値打ちでしょう。
最近、軽くて履きやすい紳士靴が多くなりましたが
そのほとんどがセメント製法で、
もちろん一生モノとはいきません。
ちなみに、私がこの日履いていたのは、
けっこうお気に入りの英国製の靴だったのですが
廣川さんに見ていただいたら「セメント製法」でした(泣)。
やはり男たるもの、重くても本物の靴を履くべきだ、
と痛感した次第です。
コツコツという、足音からして存在感が違います。
さて、このようなものづくりへのこだわりにおとらず、
同社で力を注いだのが、販売力の強化でした。
雑誌広告をどんどん打ち、97年以降は直営店を開設。
現在、東京の銀座と大阪の淀屋橋にお店があります。
■店舗案内 >>>
良質なものづくりをしていなければブランドにはなれず、
かといってそれだけでもだめで、
自ら売る努力もしていなくては、ブランドにはならないことを
同社の歩みは示しています。
なお、この取材日記、ずいぶんご無沙汰してしまいました。
これから気を取り直してばりばり書いていきますので、
みなさま、よろしくお願いいたします。
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「小よく大を制す ビジネス兵法」の取材で
東京・墨田区に本社を置く、ヒロカワ製靴さんにお邪魔してきました。
同連載は、毎号、
ランチェスター戦略コンサルティングの第一人者・福永雅文さんが、
規模は小さくとも、戦略性をもち、大手に伍して闘っている
企業の経営者に取材。福永さんの視点で記事をまとめていただくものです。
私は記事の担当者として、お供させていただいています。
ヒロカワ製靴さんの場合は社名より、
スコッチグレインという
ブランド名のほうが通りがよいかもしれません。
同社二代目社長の廣川雅一さんは、
落ち着いた語り口ではありましたが、
靴づくりにかけた情熱が胸のうちには
ふつふつとたぎっていることが、
よく伝わってきました。
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同社の歴史には、まさに日本企業の生き残りの一つの道が
示されています。
ご存じのかたも多いことと思いますが、
靴の製法は、大きく分けて以下の三つがあるそうです。
・グッドイヤー・ウエルト製法
・マッケイ製法
・セメント製法
いちばん手間がかかるのが、グッドイヤー・ウエルト。
「掬(すく)い縫い」と「出し縫い」という、二度縫いするやり方です。
本来、靴はこの製法で作られていました。
マッケイは、靴の甲革にソールを直接縫い付けるもの。
セメントは接着剤で甲革とソールを貼り合わせるもの。
廣川さんのお父上が1964年に立ち上げたヒロカワ製靴は
当初、OEMが中心だったこともあり、
先方の要請に応えるかたちで、一部、セメントやマッケイのものも
出してはいましたが、
自社ブランドであるスコッチグレインを展開することに決めた78年以降、
伝統製法のグッドイヤー・ウエルトに絞りました。
スコッチグレインの靴は
「ちゃんと手入れすれば一生履けます」(廣川さん)
とのこと。
それでいて、2万円台から手に入るのはお値打ちでしょう。
最近、軽くて履きやすい紳士靴が多くなりましたが
そのほとんどがセメント製法で、
もちろん一生モノとはいきません。
ちなみに、私がこの日履いていたのは、
けっこうお気に入りの英国製の靴だったのですが
廣川さんに見ていただいたら「セメント製法」でした(泣)。
やはり男たるもの、重くても本物の靴を履くべきだ、
と痛感した次第です。
コツコツという、足音からして存在感が違います。
さて、このようなものづくりへのこだわりにおとらず、
同社で力を注いだのが、販売力の強化でした。
雑誌広告をどんどん打ち、97年以降は直営店を開設。
現在、東京の銀座と大阪の淀屋橋にお店があります。
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良質なものづくりをしていなければブランドにはなれず、
かといってそれだけでもだめで、
自ら売る努力もしていなくては、ブランドにはならないことを
同社の歩みは示しています。
なお、この取材日記、ずいぶんご無沙汰してしまいました。
これから気を取り直してばりばり書いていきますので、
みなさま、よろしくお願いいたします。
(編集部 酒井俊宏)
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2010年07月22日(木)更新
【取材日記】ワタベウェディング会長 渡部隆夫さん
過日、ニュートップL.7月号の
新連載『トップが語る 私的経営原論』の取材で
ワタベウェディング会長の渡部隆夫さんに、
お話をおききしてきました。
海外挙式の草分けで、いまや、
ウェディング業界をリードする存在となった同社を
その地位に導かれたかたが渡部さんです。
渡部さんには、弊誌の前身である『経営者会報』時代から
何度もご登場いただき、私も、取材させていただくのは
これで三度目となります。
■ワタベウェディング ホームページ >>>
渡部さんのように一代で会社を成長させた経営者の方々に、
半生を振り返っていただきながら、
独自に培ってこられた経営哲学や人材観、勝負勘といったものを
ご披露いただき、読者経営者のご参考に供するのが
企画の趣旨です。
ご本人の経営のノウハウをたった4ページに凝縮して盛り込む、
これからの弊誌の目玉企画です。
詳しくは、発売中の弊誌7月号を
ご覧いただきたいと存じますが、
少し、一部引用しながらご紹介します。
渡部さんは、経営者にとって一番大事なものは、
「志」である、とおっしゃっています。
「志とは、思いつきや欲の類ではなく、一生を懸けて
何を成し遂げるかという、人生の大きな目標のことで
す。それを信念として自分の胸の内に強く刻みこむこ
とが、経営者にとって一番重要なことだと思います」
渡部さんの志とは、「日本一の貸衣裳屋になる」ことでした。
お母様が創業され、そのお母様の仕事を発展させることが
ご自身の務めである、と若い頃に決意しておられます。
昼も夜もなく、お客さんのために尽くすお母様の姿を
そばで見ていて、日本中に広める価値があり、
そのことで必ずお客様に喜ばれる、という確信があったといいます。
日本一になる──
そのように考える、あるいは考えた経営者は
世に多いと思いますが、
では、なんのために日本一になるのか、
ならねばならないのか。
そこに、単なる拡大路線を走った経営者と、
渡部さんの大きな違いがあるのではないか、
と思います。
スケールの大きなかたにお会いすると
こちらもエネルギーをいただきます。
渡部さん、このたびも大いに勉強になりました。
ありがとうございました。
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新連載『トップが語る 私的経営原論』の取材で
ワタベウェディング会長の渡部隆夫さんに、
お話をおききしてきました。
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ウェディング業界をリードする存在となった同社を
その地位に導かれたかたが渡部さんです。
渡部さんには、弊誌の前身である『経営者会報』時代から
何度もご登場いただき、私も、取材させていただくのは
これで三度目となります。
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半生を振り返っていただきながら、
独自に培ってこられた経営哲学や人材観、勝負勘といったものを
ご披露いただき、読者経営者のご参考に供するのが
企画の趣旨です。
ご本人の経営のノウハウをたった4ページに凝縮して盛り込む、
これからの弊誌の目玉企画です。
詳しくは、発売中の弊誌7月号を
ご覧いただきたいと存じますが、
少し、一部引用しながらご紹介します。
渡部さんは、経営者にとって一番大事なものは、
「志」である、とおっしゃっています。
「志とは、思いつきや欲の類ではなく、一生を懸けて
何を成し遂げるかという、人生の大きな目標のことで
す。それを信念として自分の胸の内に強く刻みこむこ
とが、経営者にとって一番重要なことだと思います」
渡部さんの志とは、「日本一の貸衣裳屋になる」ことでした。
お母様が創業され、そのお母様の仕事を発展させることが
ご自身の務めである、と若い頃に決意しておられます。
昼も夜もなく、お客さんのために尽くすお母様の姿を
そばで見ていて、日本中に広める価値があり、
そのことで必ずお客様に喜ばれる、という確信があったといいます。
日本一になる──
そのように考える、あるいは考えた経営者は
世に多いと思いますが、
では、なんのために日本一になるのか、
ならねばならないのか。
そこに、単なる拡大路線を走った経営者と、
渡部さんの大きな違いがあるのではないか、
と思います。
スケールの大きなかたにお会いすると
こちらもエネルギーをいただきます。
渡部さん、このたびも大いに勉強になりました。
ありがとうございました。
(編集部 酒井俊宏)
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2010年04月30日(金)更新
【取材日記】名南コンサルティングネットワーク 亀井英孝さんと「千年経営研究会」
先週末、名古屋へ出張しておりました。
弊誌・ニュートップリーダーで、
「事業承継の王道」という連載記事を
ご執筆いただいている名南コンサルティングネットワーク・
亀井英孝さんの主宰する、
「千年経営研究会」の会合に
参加させていただきました。
↓亀井さんです。
■名南コンサルティングネットワーク >>>
■日本法人会千年経営研究会 >>>
亀井さんの所属しておられる
名南コンサルティングネットワークさんには、
弊誌の前身である「経営者会報」時代から、
弊社は長らくお世話になっています。
亀井さんには、そのご縁で、ご執筆や取材などで
たびたび誌面にご登場いただいてきました。
その亀井さんは、コンサルティングにおいても
長く扱ってこられた事業承継問題を、
いまではライフワークとしています。
この「千年経営研究会」は、
亀井さんを慕っておられる後継予定者のかたが
なかば自然発生的に集って、昨年、発足した会です。
文字通り、会社が永続していくために、
どのような姿勢が経営者に求められるのかを
みなで話し合い、考える場です。
実費程度に会費を集めるだけで、
亀井さんは一銭も受け取っていません。
エリアと成り立ち方から、ふだんは
「三好会」「岡崎会」「瀬戸会」「豊橋会」の四つの会に別れて
定期的にミーティングを重ね、活動しておられます。
私がお邪魔させていただいたのは、
「三好会」の会合でした。
経営とはそもそも何か、
経営を受け継ぐとは、譲り渡すとは
どういうことなのか。
そうした経営にかかわる根本的なテーマ
を真剣に討議されるなかで、
日々、生じる、経営への疑問も、
メンバー同士でぶつけあう。
この日は、部外者の私が傍聴させていただくためか、
「ちょっと抑え気味」(亀井氏)だったそうですが、
きれいごとではない、生々しい
親と子の衝突など、ふだんの取材では
窺い知ることのできない、
リアルな経営の現場の一端、なにがしかを
感じることができました。
亀井さんは次のようにおっしゃいます。
「この会には、悩みをもった後継者が参加しますが、
残念なことに続かない人も多い。もちろん一口には
いえませんが、いま起きている問題を、人のせいに
するのではなく、自分が原因で起こっている、と捉
えることのできる人は続くようです。そうして気づ
けた人は、そのあと目に見えて成長されるのがわか
ります」
亀井さん、「三好会」のみなさま、
温かく受け入れてくださり、
まことにありがとうございました。
大いに勉強になりました。
お許しいただけるなら、また、
お邪魔させていただきたいと思います。
ありがとうございました。
■人間を知り経営を学ぶ、中小企業経営者のブレーン『月刊ニュートップリーダー』
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「事業承継の王道」という連載記事を
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亀井英孝さんの主宰する、
「千年経営研究会」の会合に
参加させていただきました。
↓亀井さんです。
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亀井さんの所属しておられる
名南コンサルティングネットワークさんには、
弊誌の前身である「経営者会報」時代から、
弊社は長らくお世話になっています。
亀井さんには、そのご縁で、ご執筆や取材などで
たびたび誌面にご登場いただいてきました。
その亀井さんは、コンサルティングにおいても
長く扱ってこられた事業承継問題を、
いまではライフワークとしています。
この「千年経営研究会」は、
亀井さんを慕っておられる後継予定者のかたが
なかば自然発生的に集って、昨年、発足した会です。
文字通り、会社が永続していくために、
どのような姿勢が経営者に求められるのかを
みなで話し合い、考える場です。
実費程度に会費を集めるだけで、
亀井さんは一銭も受け取っていません。
エリアと成り立ち方から、ふだんは
「三好会」「岡崎会」「瀬戸会」「豊橋会」の四つの会に別れて
定期的にミーティングを重ね、活動しておられます。
私がお邪魔させていただいたのは、
「三好会」の会合でした。
経営とはそもそも何か、
経営を受け継ぐとは、譲り渡すとは
どういうことなのか。
そうした経営にかかわる根本的なテーマ
を真剣に討議されるなかで、
日々、生じる、経営への疑問も、
メンバー同士でぶつけあう。
この日は、部外者の私が傍聴させていただくためか、
「ちょっと抑え気味」(亀井氏)だったそうですが、
きれいごとではない、生々しい
親と子の衝突など、ふだんの取材では
窺い知ることのできない、
リアルな経営の現場の一端、なにがしかを
感じることができました。
亀井さんは次のようにおっしゃいます。
「この会には、悩みをもった後継者が参加しますが、
残念なことに続かない人も多い。もちろん一口には
いえませんが、いま起きている問題を、人のせいに
するのではなく、自分が原因で起こっている、と捉
えることのできる人は続くようです。そうして気づ
けた人は、そのあと目に見えて成長されるのがわか
ります」
亀井さん、「三好会」のみなさま、
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2010年04月20日(火)更新
【取材日記】ニコリ 鍜治真起さん
先月末、ニュートップL.5月号の
特別記事『海外で、売る!』の取材で
ニコリ社長の鍜治真起さんに、
お話をうかがってきました。
鍜治さんは日本国内よりも、
むしろ海外で著名なかたかもしれません。
鍜治さんが命名し、新たな命を吹き込んだといえる
パズル『数独』は世界109か国に広まり、
各国で出版物が刊行されるほか、
新聞や雑誌でも日々、掲載されています。
鍜治さんは世界中の愛好者から
“数独の父”と呼ばれ、敬愛されているのです。
その鍜治さんに、企業が海外進出するさいの
要諦について、お話をうかがってきわけですが、
豪快で、かつ爽やかなお人柄に、
すっかり魅了されてしまった次第です。
■ニコリ ホームページ >>>
くわしくは、5月1日発売予定のニュートップL.5月号を
ご参照いただければ幸いですが、ちょっとだけ、ご紹介します。
「数独」の原型は1979年にアメリカで生まれた
「ナンバープレイス」というパズルです。
しかし、当時は誰もこのパズルに注目せず、
鍛治社長が84年、偶然、手にした
アメリカのパズル雑誌で見つけた
ナンバープレイスに興味をもち、スタッフや、
後述する「作家」やファンとともに進化させてきました。
鍜治さん自身、次のように語るほどの人気なのです。
「外国の空港の売店ではどこでも数独コーナー
がありますし、ブリティッシュ・エアウェイズ
の全コックピットでは数独禁止令が出るほど乗
務員が熱中して困っているらしいですよ」
「数独」という名称は、鍜治さんが考えました。
1から9までの数字しか使わないパズルなので
「一ケタ数字→シングル→独身」という連想で、
「数字は独身に限る」……
それが縮まって「数独」になったというわけです。
ニコリでは季刊『パズル通信ニコリ』を八〇年から発行。
これは、パズルファンの投稿で成り立っています。
投稿者は全国に2000人ほど、
常連が500人ほどいるそうです。
優れた問題をコンスタントにつくれるようになると、
「作家」と呼ばれるようになり、社員さんも作家出身者が大半。
ニコリのパズルは紙と鉛筆を使って考えられているのが大きな特長で、
パソコンで自動的に作る、他社のものとはまったく違うそうです。
パズルといえど、手間暇をかけた日本的ものづくりを
貫いていることが、多くのファンの心をつかみました。
海外進出の要諦については、
鍜治さんは次のように語ります。
「海外企業との契約は、フレンドリーシップで始
めるとパートナーシップまでもっていくのにエネ
ルギーがいる。最初からパートナーシップを結び、
企業間の信頼関係を高めることが大切です」
とくにアメリカなどでは、契約は収益のみならず、
想定しうるリスクをどのように分担するか、も
問われるそうで、互いに繁栄しよう、という
パートナーシップが求められるそうです。
それにしても、海外経験豊富な鍜治さんのお話は
大変ユニークで、目を瞠るようなお話をたくさんうかがうことができました。
たとえば、こんな話です。
「海外では先方企業で初めて商談する際、数十分、
社長室などで待たされることがある。非礼でそう
しているのではなく、そうしたスペースには社長
その人を物語る、書籍や趣味のものなどが置いて
あり、それを見て、人となりを知り、フレンドリ
ーになる手がかりをつかんで欲しい、という意味
があるそうです」
「海外のメディアは、『皇太子家の問題について
どう思うか』など仕事に関係ない分野でも日本の
ことについてコメントを求められる。一番違うの
は、海外では話したことを、聞いたままを記事に
してしまう。日本の場合、新聞社にせよ出版社に
せよテレビ局にせよ、一つの番組、記事をともに
つくる、という目的意識を共有できることが多い。
だから“適当”にしゃべっても、ちゃんと記事に
してくれる、という安心感がある」
どちらがよいのかはさておき、メディアの世界でも
なにやら日本的な特徴があるようですし、
どこか職人的なところは、
やはり失ってはならない部分であるように思った次第です。
このほかにも、競馬好きな鍜治さんは、
海外で趣味を問われて、そう答えると、
「馬は何頭もっているんだい」とか
「馬の買い付けにいくなら紹介するよ」などと言われたこともあるそう。
単にギャンブル扱いの日本と違って、英国などでは
紳士の、大人の楽しみという扱いで、競馬好き、というと、
「さすがは……」という反応になるのだそうです。
とにかく、面白いお話のオンパレードで
記事にできないのがほんとうにもったいないくらいでした。
鍜治さん、楽しい取材で、大いに勉強になりました。
ありがとうございました。
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特別記事『海外で、売る!』の取材で
ニコリ社長の鍜治真起さんに、
お話をうかがってきました。
鍜治さんは日本国内よりも、
むしろ海外で著名なかたかもしれません。
鍜治さんが命名し、新たな命を吹き込んだといえる
パズル『数独』は世界109か国に広まり、
各国で出版物が刊行されるほか、
新聞や雑誌でも日々、掲載されています。
鍜治さんは世界中の愛好者から
“数独の父”と呼ばれ、敬愛されているのです。
その鍜治さんに、企業が海外進出するさいの
要諦について、お話をうかがってきわけですが、
豪快で、かつ爽やかなお人柄に、
すっかり魅了されてしまった次第です。
■ニコリ ホームページ >>>
くわしくは、5月1日発売予定のニュートップL.5月号を
ご参照いただければ幸いですが、ちょっとだけ、ご紹介します。
「数独」の原型は1979年にアメリカで生まれた
「ナンバープレイス」というパズルです。
しかし、当時は誰もこのパズルに注目せず、
鍛治社長が84年、偶然、手にした
アメリカのパズル雑誌で見つけた
ナンバープレイスに興味をもち、スタッフや、
後述する「作家」やファンとともに進化させてきました。
鍜治さん自身、次のように語るほどの人気なのです。
「外国の空港の売店ではどこでも数独コーナー
がありますし、ブリティッシュ・エアウェイズ
の全コックピットでは数独禁止令が出るほど乗
務員が熱中して困っているらしいですよ」
「数独」という名称は、鍜治さんが考えました。
1から9までの数字しか使わないパズルなので
「一ケタ数字→シングル→独身」という連想で、
「数字は独身に限る」……
それが縮まって「数独」になったというわけです。
ニコリでは季刊『パズル通信ニコリ』を八〇年から発行。
これは、パズルファンの投稿で成り立っています。
投稿者は全国に2000人ほど、
常連が500人ほどいるそうです。
優れた問題をコンスタントにつくれるようになると、
「作家」と呼ばれるようになり、社員さんも作家出身者が大半。
ニコリのパズルは紙と鉛筆を使って考えられているのが大きな特長で、
パソコンで自動的に作る、他社のものとはまったく違うそうです。
パズルといえど、手間暇をかけた日本的ものづくりを
貫いていることが、多くのファンの心をつかみました。
海外進出の要諦については、
鍜治さんは次のように語ります。
「海外企業との契約は、フレンドリーシップで始
めるとパートナーシップまでもっていくのにエネ
ルギーがいる。最初からパートナーシップを結び、
企業間の信頼関係を高めることが大切です」
とくにアメリカなどでは、契約は収益のみならず、
想定しうるリスクをどのように分担するか、も
問われるそうで、互いに繁栄しよう、という
パートナーシップが求められるそうです。
それにしても、海外経験豊富な鍜治さんのお話は
大変ユニークで、目を瞠るようなお話をたくさんうかがうことができました。
たとえば、こんな話です。
「海外では先方企業で初めて商談する際、数十分、
社長室などで待たされることがある。非礼でそう
しているのではなく、そうしたスペースには社長
その人を物語る、書籍や趣味のものなどが置いて
あり、それを見て、人となりを知り、フレンドリ
ーになる手がかりをつかんで欲しい、という意味
があるそうです」
「海外のメディアは、『皇太子家の問題について
どう思うか』など仕事に関係ない分野でも日本の
ことについてコメントを求められる。一番違うの
は、海外では話したことを、聞いたままを記事に
してしまう。日本の場合、新聞社にせよ出版社に
せよテレビ局にせよ、一つの番組、記事をともに
つくる、という目的意識を共有できることが多い。
だから“適当”にしゃべっても、ちゃんと記事に
してくれる、という安心感がある」
どちらがよいのかはさておき、メディアの世界でも
なにやら日本的な特徴があるようですし、
どこか職人的なところは、
やはり失ってはならない部分であるように思った次第です。
このほかにも、競馬好きな鍜治さんは、
海外で趣味を問われて、そう答えると、
「馬は何頭もっているんだい」とか
「馬の買い付けにいくなら紹介するよ」などと言われたこともあるそう。
単にギャンブル扱いの日本と違って、英国などでは
紳士の、大人の楽しみという扱いで、競馬好き、というと、
「さすがは……」という反応になるのだそうです。
とにかく、面白いお話のオンパレードで
記事にできないのがほんとうにもったいないくらいでした。
鍜治さん、楽しい取材で、大いに勉強になりました。
ありがとうございました。
(編集部 酒井俊宏)
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2010年04月16日(金)更新
【取材日記】ヱビナ電化工業 海老名伸哉さん
過日、弊誌・ニュートップL.4月号の取材、
「特集 デキる人材はトップ自ら採る!」で
東京都大田区に本社を構える、
ヱビナ電化工業さんにお邪魔してきました。
お話をうかがったのは、
3代目社長の海老名伸哉さん。
お父上である先代・信緒さんが昨年末、急逝され、
伸哉さんは33歳で社長に就任しました。
大変失礼ながら、その若さでありながら、
実に堂々として、自社の事業を熱く熱く語る
非常にエネルギッシュなかたでした。
■ヱビナ電化工業 ホームページ >>>
この特集は、大企業でなくとも
優秀な人材を採用している企業に
なぜそれが可能なのかをお聞きし
経営者のみなさまのご参考に供するものです。
人材育成はもちろん重要ですが、
それ以前に重要なのは、
どれだけ優秀な人材を採用できるか
(優秀、とは学業のことだけを言っているわけではありません、念のため)、
まずはそこなのではないかと思います。
しかしながら、そもそも中小企業には優秀な人材はこない、
と諦めてしまっているかたも多い。
本当にそうなのでしょうか。
一面、それは事実かもしれません。
でも諦めずに努力を続けている企業では
やはり、成果が上がっているのも事実です。
ヱビナ電化工業さんは、テレビ東京の
『カンブリア宮殿』などにも登場されていますので、
ご存じのかたも多いと思いますが、
優秀な技術系の女性を多く採用し、育てておられます。
↓海老名さんじきじきにご案内いただきました。
詳しくは発売中の、ニュートップL.4月号を
ご覧いただければと思いますが、
海老名社長のご発言を一部、引用してご紹介します。
「本格的に新卒採用を始めたのは一〇年前。
以来、毎年五~七人の技術系社員を採用して
います。企業文化の醸成の面からも新卒から
育てるのが一番。本来は男女均等に採用した
いのですが、実力重視で選んだ結果、女性が
多くなってしまった」
なぜそうなるのか。
同社では、先代・信緒氏が主導し、
めっきの技術を、科学的にデータ解析することにシフトし、
従来の職人の勘と経験頼みを脱しています。
そのうえ、営業マンを置かず、
技術者が顧客企業と折衝するスタイルのため、
分析・解析装置を活用できて、
顧客企業に様々な提案ができる人材を求めています。
当然、コミュニケーション能力を重視することになります。
「技術者といえどもお客さんとコミュニケー
ションが取れなければ仕事になりません。と
ころがうちを受けに来る理系の男子学生はま
ともに話すことすらできない人が少なくない」
……ゆえに、結果的に女性が残るというわけです。
男である私は、ちょっと複雑な思いがしますが。
その女性たちの側に選ばれるのもわけがあります。
同社では新しく研究所を建てたり、
工場を改築する設備投資に加え、
パートさんがたくさん勤務しているからでもありますが、
食堂やトイレを拡張したり、ゆったりとお化粧のできる
洗面台を設置したりと、女性が働きやすい環境づくりを
心がけてきました。
一方で、海老名社長は、入社前に仕事を体験させる
インターン研修や、入社後も定期的に社員さんと
個別の面談をもって、悩みも聞いておられます。
そうした努力もあって、離職率も低いそうです。
仕事で高いレベルを求められ、
自分が成長できる会社であること、
環境面においても、
社員を大切にする姿勢のある会社だということが、
自ずと学生側にも伝わることでしょう。
つまりは、よい会社であることがまず先で、
あとは、嘘をつかず、そのことが伝わるよう
努力を重ねていく、ということが大切なように
思われます。
なお、26歳で入社した海老名社長は
先代さんから次のように言われ、
ずっと責任者として採用に力を注いでこられたそうです。
「これから長い間、お前と一緒に仕事をしていく
人たちなんだから、お前が人物を見なさい」
素晴らしいと思いました。
以下は、4月号の編集後記にも書いたことではありますが、
新人の採用は、スムーズな事業承継とともに
企業の「永続・発展」を期すうえで不可欠のものである以上、
承継を念頭に置きながら、自社の採用活動のあり方を考えるのは、
ごく自然なことなのではないか、と感じた次第です。
素晴らしい父、子、そして親子の関係が、承継にせよ、採用にせよ、
その成功の要因であることを思わずにはいられませんでした。
海老名さん、ありがとうございました。
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「特集 デキる人材はトップ自ら採る!」で
東京都大田区に本社を構える、
ヱビナ電化工業さんにお邪魔してきました。
お話をうかがったのは、
3代目社長の海老名伸哉さん。
お父上である先代・信緒さんが昨年末、急逝され、
伸哉さんは33歳で社長に就任しました。
大変失礼ながら、その若さでありながら、
実に堂々として、自社の事業を熱く熱く語る
非常にエネルギッシュなかたでした。
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この特集は、大企業でなくとも
優秀な人材を採用している企業に
なぜそれが可能なのかをお聞きし
経営者のみなさまのご参考に供するものです。
人材育成はもちろん重要ですが、
それ以前に重要なのは、
どれだけ優秀な人材を採用できるか
(優秀、とは学業のことだけを言っているわけではありません、念のため)、
まずはそこなのではないかと思います。
しかしながら、そもそも中小企業には優秀な人材はこない、
と諦めてしまっているかたも多い。
本当にそうなのでしょうか。
一面、それは事実かもしれません。
でも諦めずに努力を続けている企業では
やはり、成果が上がっているのも事実です。
ヱビナ電化工業さんは、テレビ東京の
『カンブリア宮殿』などにも登場されていますので、
ご存じのかたも多いと思いますが、
優秀な技術系の女性を多く採用し、育てておられます。
↓海老名さんじきじきにご案内いただきました。
詳しくは発売中の、ニュートップL.4月号を
ご覧いただければと思いますが、
海老名社長のご発言を一部、引用してご紹介します。
「本格的に新卒採用を始めたのは一〇年前。
以来、毎年五~七人の技術系社員を採用して
います。企業文化の醸成の面からも新卒から
育てるのが一番。本来は男女均等に採用した
いのですが、実力重視で選んだ結果、女性が
多くなってしまった」
なぜそうなるのか。
同社では、先代・信緒氏が主導し、
めっきの技術を、科学的にデータ解析することにシフトし、
従来の職人の勘と経験頼みを脱しています。
そのうえ、営業マンを置かず、
技術者が顧客企業と折衝するスタイルのため、
分析・解析装置を活用できて、
顧客企業に様々な提案ができる人材を求めています。
当然、コミュニケーション能力を重視することになります。
「技術者といえどもお客さんとコミュニケー
ションが取れなければ仕事になりません。と
ころがうちを受けに来る理系の男子学生はま
ともに話すことすらできない人が少なくない」
……ゆえに、結果的に女性が残るというわけです。
男である私は、ちょっと複雑な思いがしますが。
その女性たちの側に選ばれるのもわけがあります。
同社では新しく研究所を建てたり、
工場を改築する設備投資に加え、
パートさんがたくさん勤務しているからでもありますが、
食堂やトイレを拡張したり、ゆったりとお化粧のできる
洗面台を設置したりと、女性が働きやすい環境づくりを
心がけてきました。
一方で、海老名社長は、入社前に仕事を体験させる
インターン研修や、入社後も定期的に社員さんと
個別の面談をもって、悩みも聞いておられます。
そうした努力もあって、離職率も低いそうです。
仕事で高いレベルを求められ、
自分が成長できる会社であること、
環境面においても、
社員を大切にする姿勢のある会社だということが、
自ずと学生側にも伝わることでしょう。
つまりは、よい会社であることがまず先で、
あとは、嘘をつかず、そのことが伝わるよう
努力を重ねていく、ということが大切なように
思われます。
なお、26歳で入社した海老名社長は
先代さんから次のように言われ、
ずっと責任者として採用に力を注いでこられたそうです。
「これから長い間、お前と一緒に仕事をしていく
人たちなんだから、お前が人物を見なさい」
素晴らしいと思いました。
以下は、4月号の編集後記にも書いたことではありますが、
新人の採用は、スムーズな事業承継とともに
企業の「永続・発展」を期すうえで不可欠のものである以上、
承継を念頭に置きながら、自社の採用活動のあり方を考えるのは、
ごく自然なことなのではないか、と感じた次第です。
素晴らしい父、子、そして親子の関係が、承継にせよ、採用にせよ、
その成功の要因であることを思わずにはいられませんでした。
海老名さん、ありがとうございました。
(編集部 酒井俊宏)
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2010年01月14日(木)更新
【取材日記】コクホー 庄山悟さん
過日、経営者会報ブログ会員の
コクホー・庄山悟さんをおたずねして、
大阪へ行ってまいりました。
月刊ニュートップリーダー2月号から始まった
「トップのための名品・逸品」という連載での取材です。
↓自慢の自社製トランク(後述)を手にされる庄山さん。
■庄山さんのブログ >>>
■コクホー ホームページ >>>
■国鞄シリーズ サイト >>>
同社で扱っておられる、「国鞄シリーズ」は、
まさにトップリーダーがもつにふさわしい名作だと思い、
同シリーズをご紹介すべく、おたずねした次第です。
掲載は3月号を予定しています。
写真は、私が撮ったものでは質感が伝わらないので、
庄山さんにお借りしたものを使用させていただきました。
いつもは、この経営者会報ブログで、
縦横無尽の、涙あり、笑いあり、の
ハイテンションブログを書かれている庄山さんですが、
素顔は真面目で、自社で扱う商品への“熱い想い”をおもちです。
その想いを余すところなく、語っていただきました。
3月号(ちょっと先ですが)の記事を
ご覧いただければ幸いですが、
スペースの関係もあり、おそらく納め切れない、
庄山さんの事業に対する思い入れを
ご紹介したいと思います。
庄山さんは、大学をご卒業後、東京の総合資材卸商社に勤務、
営業のプロとしてスキルを磨き、
若くして執行役員まで登り詰めたところで、
2006年の1月、お父上が経営しておられたコクホーに入社、
代表取締役社長に就任します。
当時、コクホーさんで手がけていたのは、
学童向けや、一般的な商品が中心です。
そこで庄山さんは、はたと思います。
「自分がもちたい鞄がラインナップになかった。
自分がいる会社に自分のもちたいものがない。絶
望感で打ちひしがれていました。商売人なら、自
分がもちたい、使いたいものを売りたいし、そう
あるべきだと思ったんです」
その絶望感が、大きなビジネスのヒントとなりました。
「これなら欲しい」と思える鞄が果たしてあるのか、
庄山さんは、百貨店から専門店、ブランドショップと歩き回ります。
そして結局、パーツまですべて日本でつくり、皮の材質から
縫製までこだわった、大人の男が、長くもちたいと思える鞄は
見当たらなかったのだそうです。
自分が心底、欲しいと思う鞄がない。
それなら自分たちでつくればいい。
何十年も使える鞄を、使いたくなる鞄を──。
その根拠となったのは、昔、コクホーさんでつくり、
お父上が使われていたトランクです。
今、庄山さんご自身が使っておられます。
冒頭の写真でご本人が手にしておられるのもそれです。
シンプルで飽きのこないデザイン、50年もった耐久性のある、
親から子へと受け継がれたトランクが、
同社が2007年1月に発売を開始した
最高級国産鞄「国鞄シリーズ」の原型となりました。
「長く経営をしておられれば、楽しいことだけで
なく辛いこともあるでしょう。鞄は、そうした喜
びや、艱難辛苦をともにするパートナーともいえ
ます。鞄とともにある思い出や会社や事業に関す
る思い。鞄と一緒に、そうした思い、シミや傷ご
と、たとえばご子息に引き継がれる際、引き継が
れていかれたら嬉しい。そんな思いがあります」
それゆえに、国鞄シリーズは「永代保証」を謳っています。
「日本で五指に入る職人さん」(庄山さん)が手作りで
丁寧に一個一個、仕上げ、
よほど無理な使い方をしてしまった場合を除き、無償で直すそうです。
しかも、近畿圏なら、お問い合わせがあれば
そのお客様のところへ飛んでいく。
まさに破格のビジネスモデルといえます。
「最初は社員も、私を変人扱いしていたと思いま
す。でも、軌道に乗るにつれて、だんだん私が言
っていたことが腑に落ちていったようです」
トップが夢を描き、それが実現していく過程で、
社内も一枚岩になっていく。
さらに、社員の方々が挑戦することの大切さを知り、
自社商品への矜恃をもつ。
そうした、かけがえのない「宝」を
庄山さんと同社は、国鞄シリーズを手がけることで
手にされたのです。
7パターンだけで飽きの来ないシンプルなデザイン。
職人さんの最高の技術でつくられた、
日本の皮革加工技術の結晶といえる逸品。
庄山さんには、日本の皮革技術が途絶えてしまうことへの
危惧もあったそうです。
受け継がれてきた技術を守るために、
自分に何ができるのか、それも庄山さんにとって、
大きな動機であったのでした。
庄山さん、感動的なお話を
ありがとうございました。
そして読者のみなさま、
この鞄、本当にお勧めです。
安くはないかもしれません。
でも、一生ものだと思えば、しかも永代保証ともなれば、
むしろ安いくらいです。
まずは国鞄シリーズのサイトを覗いてみては
いかがでしょうか。
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コクホー・庄山悟さんをおたずねして、
大阪へ行ってまいりました。
月刊ニュートップリーダー2月号から始まった
「トップのための名品・逸品」という連載での取材です。
↓自慢の自社製トランク(後述)を手にされる庄山さん。
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同社で扱っておられる、「国鞄シリーズ」は、
まさにトップリーダーがもつにふさわしい名作だと思い、
同シリーズをご紹介すべく、おたずねした次第です。
掲載は3月号を予定しています。
写真は、私が撮ったものでは質感が伝わらないので、
庄山さんにお借りしたものを使用させていただきました。
いつもは、この経営者会報ブログで、
縦横無尽の、涙あり、笑いあり、の
ハイテンションブログを書かれている庄山さんですが、
素顔は真面目で、自社で扱う商品への“熱い想い”をおもちです。
その想いを余すところなく、語っていただきました。
3月号(ちょっと先ですが)の記事を
ご覧いただければ幸いですが、
スペースの関係もあり、おそらく納め切れない、
庄山さんの事業に対する思い入れを
ご紹介したいと思います。
庄山さんは、大学をご卒業後、東京の総合資材卸商社に勤務、
営業のプロとしてスキルを磨き、
若くして執行役員まで登り詰めたところで、
2006年の1月、お父上が経営しておられたコクホーに入社、
代表取締役社長に就任します。
当時、コクホーさんで手がけていたのは、
学童向けや、一般的な商品が中心です。
そこで庄山さんは、はたと思います。
「自分がもちたい鞄がラインナップになかった。
自分がいる会社に自分のもちたいものがない。絶
望感で打ちひしがれていました。商売人なら、自
分がもちたい、使いたいものを売りたいし、そう
あるべきだと思ったんです」
その絶望感が、大きなビジネスのヒントとなりました。
「これなら欲しい」と思える鞄が果たしてあるのか、
庄山さんは、百貨店から専門店、ブランドショップと歩き回ります。
そして結局、パーツまですべて日本でつくり、皮の材質から
縫製までこだわった、大人の男が、長くもちたいと思える鞄は
見当たらなかったのだそうです。
自分が心底、欲しいと思う鞄がない。
それなら自分たちでつくればいい。
何十年も使える鞄を、使いたくなる鞄を──。
その根拠となったのは、昔、コクホーさんでつくり、
お父上が使われていたトランクです。
今、庄山さんご自身が使っておられます。
冒頭の写真でご本人が手にしておられるのもそれです。
シンプルで飽きのこないデザイン、50年もった耐久性のある、
親から子へと受け継がれたトランクが、
同社が2007年1月に発売を開始した
最高級国産鞄「国鞄シリーズ」の原型となりました。
「長く経営をしておられれば、楽しいことだけで
なく辛いこともあるでしょう。鞄は、そうした喜
びや、艱難辛苦をともにするパートナーともいえ
ます。鞄とともにある思い出や会社や事業に関す
る思い。鞄と一緒に、そうした思い、シミや傷ご
と、たとえばご子息に引き継がれる際、引き継が
れていかれたら嬉しい。そんな思いがあります」
それゆえに、国鞄シリーズは「永代保証」を謳っています。
「日本で五指に入る職人さん」(庄山さん)が手作りで
丁寧に一個一個、仕上げ、
よほど無理な使い方をしてしまった場合を除き、無償で直すそうです。
しかも、近畿圏なら、お問い合わせがあれば
そのお客様のところへ飛んでいく。
まさに破格のビジネスモデルといえます。
「最初は社員も、私を変人扱いしていたと思いま
す。でも、軌道に乗るにつれて、だんだん私が言
っていたことが腑に落ちていったようです」
トップが夢を描き、それが実現していく過程で、
社内も一枚岩になっていく。
さらに、社員の方々が挑戦することの大切さを知り、
自社商品への矜恃をもつ。
そうした、かけがえのない「宝」を
庄山さんと同社は、国鞄シリーズを手がけることで
手にされたのです。
7パターンだけで飽きの来ないシンプルなデザイン。
職人さんの最高の技術でつくられた、
日本の皮革加工技術の結晶といえる逸品。
庄山さんには、日本の皮革技術が途絶えてしまうことへの
危惧もあったそうです。
受け継がれてきた技術を守るために、
自分に何ができるのか、それも庄山さんにとって、
大きな動機であったのでした。
庄山さん、感動的なお話を
ありがとうございました。
そして読者のみなさま、
この鞄、本当にお勧めです。
安くはないかもしれません。
でも、一生ものだと思えば、しかも永代保証ともなれば、
むしろ安いくらいです。
まずは国鞄シリーズのサイトを覗いてみては
いかがでしょうか。
(編集部 酒井俊宏)
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2009年12月10日(木)更新
つくばで一番小さなパン屋、です・・
私事、でおそれいります。
以前、私の家内が、自宅の一角でパン屋をしていることを
ちょっとだけ、ここで書きました。
実は、この経営者会報ブログの会員のみなさまの
情報発信を見習い、参考にして、家内はブログ↓を
始めました。
■ベーカリー ミイ >>>
そうした情報発信と、久米繊維工業・久米信行社長が
動画でご紹介してくださったり、というおかげもあって、
ご近所さんだけでなく、隣町から見えるお客様が
増えてきています。
地元のメディアや食通のかたのブログなどでご紹介いただくことも増えてきました。
そうした記事が「クロワッサン誌」の編集部のかたの目に止まり、
取材をいただいたのが、先月の半ばのことでした。
その取材が、きょう発売の同誌に掲載されました。
「この年齢で、住まいかたを見直す」
という特集のなかで、川崎市からつくばに移り住んだ
私たち夫婦のことを、ご紹介いただいています。
編集部のみなさま、ライターさん、カメラマンさん、
本当にありがとうございました。
恥ずかしながら、書店さんで見かけたら、
お手に取っていただきたいと思います。
思えば、オープンしたのが、去年の12月13日。
一年経たずに、こんなことが起こるとは、
もちろんまったく想像していませんでした。
ご指導、ご心配、そして、応援してくださったみなさますべてに、
厚く御礼申しあげます。
ありがとうございました。
本来、経営者でもない私の、まさに私事などは、
立場上、ここで書くべきことではないのですが、
多くの会員のかたにご心配していただきましたし、
応援もいただきました。
どうしても、この場で、みなさまにお伝えし、
お礼を申しあげたいと思った次第です。
なにとぞ、ご容赦くださいますよう、
お願い申しあげます。
(編集部・酒井俊宏)
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2009年11月09日(月)更新
【取材日記】牛肉をめぐる冒険 (サカエヤ・新保吉伸さん)─3─
〈前回記事より続く〉
12月1日発行予定の、
ニュートップリーダー12月号の取材=牛肉をめぐる冒険、これで最後です。
サカエヤ・新保吉伸さんのご案内で、
生産農家の木下牧場さんにお邪魔させていただきました。
滋賀県近江八幡市にある同牧場さんまで、
新保さんの車に乗せていただき、帰りも草津駅まで
送っていただきました。
本当にお手数をおかけいたしました。
行きの行程尾では琵琶湖畔のカフェでランチを取ったりして、
ちょっと「いい旅 夢気分」みたいな道中でした。
といっても、男三人で湖畔に面したカウンターに陣取るのは、
少々、絵にならなかったかも・・・
木下牧場さんは、ご夫婦二人に娘さんたちでやっておられます。
ご主人の木下幸雄さんと、奥様の、その美さん。
お二人ともに、新保さんと志が同じであることが
お話をお聞きして、すぐ理解できました。
エサから変える、という新保さんの、
業界ではまずあり得ないオーダーを承け、
挑戦を続けているご夫婦です。
取材のあとは、お二人のご案内で、
牛舎を見せていただきました。
五感で取材対象を体感することの大切さを改めて思い知らされた、
と前々回の記事で書きましたが、
この日は、私たちの「嗅覚」の出番でした。
都会育ちでない私は、いわゆる「家畜子屋」というのは
これまでの人生の中で、割合、見てきています。
しかし、木下牧場さんの牛舎は、それまでの、私がもっていた
常識を、わずかな時間で覆してしまいました。
全然、「臭くない」のです。
もちろん多少の動物臭はしますが、
牛舎に足を運んですぐ漂ってきたのは、
稲藁と、日なたの匂い。
よく手入れがされ、丹精込めて、
牛たちを育てていることが素人目にもわかります。
牛たちもいたって元気で、
放牧の時間になると、そわそわし出して、
ご主人の幸雄さんが、放牧場に通じる扉に手をかけると、
「もう待てない!」とばかりに、
牛舎の中を輪になってぐるぐると駆け回る。
牛がのそのそ歩いているのは見たことがありますが、
走る姿というのは、スペインの闘牛のシーンを
テレビで観たくらいで、初めての体験でした。
専門的なことは素人が書いて間違いがあってもいけないので、
詳しくふれるのはご容赦いただきたいと思いますが、
健康に育てられ、元気で体力もあることがわかります。
新保さんによれば、無理に太らされた牛では、絶対に無理だそうです。
そういう牛は、出荷前に絶命することもあるそうです。
いわゆる成人病ですね。
木下牧場さんの牛は、無理に肥え太らせたりはせず、
霜降りの牛でも、そうなる血筋を大事にしているそうです。
川上から川下まで、とはよくいわれることですが、
河口から源流まで遡ったような取材は
私としては、今回が初めてでした。
みなさまのご商売に「嘘がない」ことが
ごく自然に体感できました。
そして、われわれ人間は、他の生き物から命を分けてもらって生きていること。
そのことをよく理解して、大切に育てたり、
扱ったりしている人たちがおられて初めて、
私たちが安全で美味しい食べ物を口にできること──。
この旅で学ばせていただいたことは、とても一口には言えません。
新保さん、木下幸雄さん、その美さん。
ほんとうにありがとうございました。
大変勉強になった、10月の「肉の日」でした。
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12月1日発行予定の、
ニュートップリーダー12月号の取材=牛肉をめぐる冒険、これで最後です。
サカエヤ・新保吉伸さんのご案内で、
生産農家の木下牧場さんにお邪魔させていただきました。
滋賀県近江八幡市にある同牧場さんまで、
新保さんの車に乗せていただき、帰りも草津駅まで
送っていただきました。
本当にお手数をおかけいたしました。
行きの行程尾では琵琶湖畔のカフェでランチを取ったりして、
ちょっと「いい旅 夢気分」みたいな道中でした。
といっても、男三人で湖畔に面したカウンターに陣取るのは、
少々、絵にならなかったかも・・・
木下牧場さんは、ご夫婦二人に娘さんたちでやっておられます。
ご主人の木下幸雄さんと、奥様の、その美さん。
お二人ともに、新保さんと志が同じであることが
お話をお聞きして、すぐ理解できました。
エサから変える、という新保さんの、
業界ではまずあり得ないオーダーを承け、
挑戦を続けているご夫婦です。
取材のあとは、お二人のご案内で、
牛舎を見せていただきました。
五感で取材対象を体感することの大切さを改めて思い知らされた、
と前々回の記事で書きましたが、
この日は、私たちの「嗅覚」の出番でした。
都会育ちでない私は、いわゆる「家畜子屋」というのは
これまでの人生の中で、割合、見てきています。
しかし、木下牧場さんの牛舎は、それまでの、私がもっていた
常識を、わずかな時間で覆してしまいました。
全然、「臭くない」のです。
もちろん多少の動物臭はしますが、
牛舎に足を運んですぐ漂ってきたのは、
稲藁と、日なたの匂い。
よく手入れがされ、丹精込めて、
牛たちを育てていることが素人目にもわかります。
牛たちもいたって元気で、
放牧の時間になると、そわそわし出して、
ご主人の幸雄さんが、放牧場に通じる扉に手をかけると、
「もう待てない!」とばかりに、
牛舎の中を輪になってぐるぐると駆け回る。
牛がのそのそ歩いているのは見たことがありますが、
走る姿というのは、スペインの闘牛のシーンを
テレビで観たくらいで、初めての体験でした。
専門的なことは素人が書いて間違いがあってもいけないので、
詳しくふれるのはご容赦いただきたいと思いますが、
健康に育てられ、元気で体力もあることがわかります。
新保さんによれば、無理に太らされた牛では、絶対に無理だそうです。
そういう牛は、出荷前に絶命することもあるそうです。
いわゆる成人病ですね。
木下牧場さんの牛は、無理に肥え太らせたりはせず、
霜降りの牛でも、そうなる血筋を大事にしているそうです。
川上から川下まで、とはよくいわれることですが、
河口から源流まで遡ったような取材は
私としては、今回が初めてでした。
みなさまのご商売に「嘘がない」ことが
ごく自然に体感できました。
そして、われわれ人間は、他の生き物から命を分けてもらって生きていること。
そのことをよく理解して、大切に育てたり、
扱ったりしている人たちがおられて初めて、
私たちが安全で美味しい食べ物を口にできること──。
この旅で学ばせていただいたことは、とても一口には言えません。
新保さん、木下幸雄さん、その美さん。
ほんとうにありがとうございました。
大変勉強になった、10月の「肉の日」でした。
(編集部・酒井俊宏)
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