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2008年03月17日(月)更新

【取材日記】池田工業 池田裕幸さん

先日、経営者会報4月号特集
『頼りになる経営幹部育成法』の取材で、
愛知県刈谷市の池田工業さんにお邪魔させていただきました。
お相手は二代目社長の池田裕幸さん。

この写真の印象の通り、
大変に真摯で、真面目なかたでした。

いけださん

■池田工業 ホームページ>>>
http://www.ikeda-ind.co.jp/index.html

池田さんは社員教育に非常に
力を入れておられます。
それは五年前、お父上に直談判して
自ら社長に就任する以前から、
以下のような、元請けに依存する自社の体質に
危機感を抱いておられたからです。

「昔は図面通りに作って納めさえすればよかった。
いまは違う。お客さんも当社に何ができるのかを
知りたがっています。強みを磨いて、その強みを
きちんとお伝えして、ご提案までできないと、仕
事は減るばかりです」

同社の教育の特徴は、時期を区切った研修と、
その研修を単なる研修のままで終わらせず、
現実の仕事に落とし込む工夫をしておられる点にあります。

詳しくは、4月1日発行の経営者会報4月号をご覧いただければと思いますが、
そうした工夫と並んで、印象に残ったのは、
池田さん自ら率先して「学ぶ」姿勢でした。

池田さんは寸暇を惜しんで極力、外部の人に会い、
お話を聞くようにしておられます。

しかも、ご自分だけでなく、現在の経営幹部のかたを誘って、
セミナーなどにもよく足を運ぶそうです。
同じ話を聞くことで、経営理念の共有などにも
大いに役立っているのではないでしょうか。

ちなみに池田さんは、社内の応接室兼社長室に、
下のような額を自らしたためて、飾っておられます。
毎年、その年のご自身のテーマを、一文字で
示すのだそうです。

まなび

「成長するにはなにをおいても『学ぶ』ことです。
私自身まだまだ学んで成長しないといけません。
私を含め、経営幹部が成長することが、部下を育
成するうえでの大前提だと思っています」

この社長の姿勢そのものが、社員のみなさんにとっての範となり、
成長を促していくのでしょう。

池田さん、ありがとうございました!

(編集部・酒井俊宏)



けいかい083
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2008年02月28日(木)更新

【取材日記】桂経営ソリューションズ 桂幹人さん

昨日(2月27日)、
経営者会報4月号特集「頼りになる『経営幹部』育成法」の取材で
桂経営ソリューションズ代表取締役会長の桂幹人さんにお会いしてまいりました。

桂さんは、企業再建を生業とする経営コンサルタントです。
「ナニワの凄腕再建屋」と呼ばれる、凄いかたです。

そうした“通り名”に加え、
下の写真(私が撮って、しかも逆光ぎみ……)をご覧になると、
「こわもて」の印象をもたれてしまうかもしれませんが、
もちろん、ソフトで大変おだやかなかたです。

かつらさん

■桂経営ソリューションズ ホームページ>>>
http://www.katsura-ms.co.jp/co-profile.html

この企画の趣旨は、トップの考えをよく理解し、
片腕として、さらにトップに万一のことがあった際に、
代役も務められるほどの人物をどう見出し、
どのように育てていくべきか、というものです。

詳しくは、4月1日発行予定の経営者会報4月号を
お手に取っていただければと思いますが、
桂さんのご発言を、一部ご紹介しましょう。

「支援に入らせていただいてきた実感としては、
実はどの企業にも必ず、一人か二人はそういう
人物がいるものです。問題は、そうした社員が
いても社長が気づいていないか使えていないこ
とが多いんです。その意味で社長は方向性や目
標をきちんと掲げることが大事。それも厳しい、
しかしやりがいのある目標を、です。能力もや
る気も高い人間は、必ず手を挙げますから、そ
れでわかる」


とはいえ、ことは簡単ではなく、
そこから育てていくためには、
辛抱と苦労が必要なのだそうです。

ちなみに桂さんはご自身もかつてサラリーマンをしておられました。
そのとき、手を挙げ、様々に建設的な提案をされたにもかかわらず、
社長さんはほとんど採りあげてくれなかったとのこと。

「僕も言い方がまずかったり、若気の至りもあ
ったけど、提案したことをもっと聞いてもらえ
たら、もう少しその会社にいたかもしれません」

優秀な人材は、経営幹部として遇しないかぎり、
というより、本人のいわば「事業意欲」を満たせる場や
そのための機会を与えないかぎり、
会社を出ていってしまうものなのかもしれません。

桂さん、そしてご同席いただき、深いお話をしてくださった
社長の星川真一郎さん、どうもありがとうございました!

(編集部・酒井俊宏)




けいかい0803
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2008年02月22日(金)更新

【取材日記】エルプ 千葉三樹さん

昨日、経営者会報4月号『異能経営者がゆく!』の取材で
まさに、異能と呼ぶにふさわしいかたに
お会いしてきました。

世界で唯一、「レーザーターンテーブル」を
製造・販売しておられる、
エルプ社長の千葉三樹(さんじゅ)さんです。

千葉さんは、同社を創業される前は、
あのGEに長く在籍、副社長まで務められ、
最後は、当時のジャック・ウェルチ会長と
事業売却の経営方針を巡って衝突し、GEを去ったという、
ものすごい経歴の持ち主です。

レーザーターンテーブル(以下LT)とは、ひとことでいえば、
レーザー光線で情報を読み取るレコードプレーヤー。
千葉さん自ら、原理を説明してくださいました。

ちばさん

LTは、レーザー光線によって音溝を検知し、
音声信号を読み取ります。
通常のアナログプレーヤーと違い、針を使わず非接触のため、
レコードが傷つくこともない。
使い勝手や操作性の面でも、一発で頭出しができたりと、
CDプレーヤーと遜色はありません。
機械のサイズもほぼ変わりません。

ご存じのかたは多いと思いますが、
CDではノイズカットのため超高音をカットしており、
実はアナログレコードのほうが、繊細でみずみずしく、
音質自体は上だというのが定説です。

しかも、レコードは音溝の面すべてに同じ音信号が刻まれていますが、
針は一部にしか当たらず、そのために摩耗し、音質も劣化していってしまう。
同社のレーザーターンテーブルは、削っていない部分から読み取るため、
録音当時の音声がそのまま蘇るのだそうです。

ターンテーブル

■エルプ ホームページ>>>
http://www.laserturntable.co.jp/

GEに長く勤めた千葉さんが
どうしてこの事業を手がけることになったのか。

それはGE時代の同僚から、
この技術の開発者である米国人、ロバート・ストッダート氏を
紹介されたのがきっかけでした。

ストッダート氏はこの画期的な技術を開発しましたが、
再生できるレコードの率がまだ低く、
実用化の壁と資金難に苦しんでいました。

当時30歳前のストッダート氏と
千葉さんは、初対面から意気投合。
当初は、開発に協力してくれる日本のメーカーを
探すことで、支援しようとします。

しかし、時は1989年。
すでにレコードからCDへの移行が進んでおり、
手を挙げるメーカーは皆無だったのです。

思い悩んだ挙げ句、千葉さんは、
ストッダート氏から特許権を買い取り、
すべて自分の責任で事業を手がけることを決意。
ストッダート氏はその後も千葉さんとともに
研究を続けます。

それはまさに茨の道でした。

「誰もやらないなら俺がやる、と決意しましたが、
大変でした。なぜなら、レコードもCDも、昨今
話題のブルーレイディスクにしろ、通常、ハード
とソフトは同時に開発されます。したがって、ハ
ードの不備はソフト側に機能をもたせることで補
完することができる。しかしレーザーターンテー
ブルは、ハード面だけの開発です。市販化への難
しさもその点にありましたし、大手メーカーが手
を挙げなかったのも当然といえます」

千葉さんは、私財を投入し、自宅を売り払い、
開発に勤しみます。
そして、95%のレコードが再生可能になりました。
ついに2000年には収支とんとん、
翌年には念願だった黒字化を果たします。

いまでは、月産12台を生産し、
多くのバックオーダーを抱えるまでに。

詳しくは、4月1日発行予定の経営者会報4月号を
お手に取っていただければと思いますが、
事業売却を進めようとしたウェルチ氏との衝突も、
誰もが無謀だといったこの事業への取り組みも、
すべては、千葉さんの、
長年、ものづくりに携わってこられた
矜恃がそのもとにあるといえるでしょう。

新技術が、常に大量生産、大量消費のみに投入される現状を見て、
そうではない道もある、と示したかったのだそうです。

加えて、多くの人々からの感謝の声が、
千葉さんを支えました。
有名なジャズピアニスト、キース・ジャレット氏は、
LTを自ら購入後、その音質に感動し、
「推薦文を書きたい」と連絡してきたそうです。

「一番感動したのは、カナダの政府筋からの依頼
で、国立図書館に納めたとき。実は英国から独立
した際の国会議長の初めてのスピーチが録音され
たレコードがありました。いうなれば独立宣言。
しかし、反り返ってしまって再生できず、誰も音
声を聴いたことがなかった。それがLTで再生し
たら、当時の音声がそのまま出てきた。多くの政
府関係者や現地マスコミがいる場です。全員、感
動しておられて……あんな嬉しいことはなかった」


千葉さんはこのとき、
いっそうの事業意欲が湧いてきたとおっしゃいます。
技術革新の陰で消えてしまう、こうした文化遺産に
まさに“光”を当てる──。
そこに大きな使命感を感じたそうです。

それにしても、ショールームで聴かせていただいた
LTの音質は艶があって響きに余韻があって、
とても素晴らしいものでした。

1台約105万円と、通常のCDプレーヤーや
アナログプレーヤーとは到底、比較にならない高価格ですが、
さして問題にならない、高い付加価値のある商品だと思います。
ブログで特定の商品に肩入れするのは、極力控えていましたが、
このLTは、特別です。
そのくらい、びっくりしましたし、
感動しました。

クラシックやジャズがお好きで、
レコードを多くコレクションしておられるかたなら、
きっと満足されることでしょう。

「企業の都合で事業を撤退すれば、迷惑を被るの
はお客さんです。ウェルチさんとぶつかった理由
の一つでもある。オンリーワンの企業は、なおの
こと、潰れたり、撤退してはいけない。その技術
をもっている会社が一つしかないんですから、潰
れたら誰がお客様にアフターケアをするのか。だ
から絶対に潰さない。頑張りますよ」


千葉さんは、無条件で応援したくなる、
すばらしいかたでした。

(編集部・酒井俊宏)



けいかい082a
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2008年02月19日(火)更新

【取材日記】クロスメディア・コミュニケーションズ 雨宮和弘さん

先週の金曜日、経営者会報4月号『社長ブロガー登場!』の取材で、
クロスメディア・コミュニケーションズ雨宮和弘さんにお会いしてきました。

昨年11月のオフ会以来ですが、
相変わらず、素敵というか、ダンディなかたでした。

あめみやさん

みなさまよくご存じのとおり、雨宮さんは、
この経営者会報ブログのスタートからご参加いただき、
様々な形で私どもにアドバイスをしてくださっています。

雨宮さんご自身、黎明期から
インターネットに携わってこられた経験を生かして、
同社では、ウェブを活用した企業コミュニケーション、
企業の情報発信等のコンサルティングを
メイン事業にしておられます。

くろすめでぃあ

■クロスメディア・コミュニケーションズ ホームページ>>>
http://www.crossmedia.co.jp/
■雨宮さんの社長ブログ >>>
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/

雨宮さんは、ブログのメリットについて、
思っていた以上に、対「社内」において
その効果を実感しておられるそうです。

社員のみなさんに対して、なぜその指示を出したか、
その背景や社長の考えを補足する効果があり、
理解が早くなるとおっしゃっていました。

もちろん、インターネットのプロである同社では、
イントラネットも構築しておられて、
社内の意思疎通は、本来お手のもののはずですが、
なぜブログで発信されるのか。

雨宮さんのお答えは次のようなものでした。
社長のみなさま方は、深く頷かれることと思います。

「社長が身内と外部向けと情報の内容を変えて
発信する意味は、ほとんどなくなってきている
と思います。社内向けに発信していることを外
部に出してしまったほうが、賛同してくださる
人=同志が見つかりやすい。もはやどのような
業界、企業においても、自社だけで仕事が完結
する時代ではありませんからね。いろいろな方
々と協力しないと仕事は進みません」

さて、雨宮さんのブログを拝見させていただいていると、
ときどき、ご本人のものづくりや工業デザインに関する、
深い造詣が垣間見られる記事を書かれています。
雨宮さんは美大をご卒業されたあと、
12年も工業デザイナーをしておられましたから、
不思議なことではないのかもしれません。
そのことに水を向けると、雨宮さんはこうおっしゃいました。

「工業デザイナー時代、私を長い目で見て、鍛
えてくださった方がおられます。いまの事業と
はストレートに関わりはないかもしれませんが、
ご恩返しのつもりで、教えてくださったことを
忘れていないこと、いまの私のなかに生きてい
ることをなんらかの形でお伝えしたくて書いて
いるんです」


照れくさいから書くのは止めてくれ、と
ご本人から言われていたような記憶もありますが、
雨宮さん、すみません、書いちゃいました。

私は、そんな雨宮さんを尊敬しますし、
社員のみなさんも、
きっとそうお思いなのではないでしょうか。

雨宮さん、お忙しいなか、
ご協力いただきありがとうございました!

これからもご指導、ご鞭撻を賜りますよう、
お願い申し上げます。

(編集部・酒井俊宏)



けいかい082a
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2008年02月07日(木)更新

【取材日記】リサイクルワン 木南陽介さん

過日、経営者会報3月号『異能経営者がゆく!』の取材で、
リサイクルワン木南(きみなみ)陽介社長にお会いしてきました。

1974年生まれの33歳とお若く、
バイタリティに満ちた木南社長率いるリサイクルワンは、
社長さんの個性そのままに、知的かつ活気に満ちあふれた会社でした。

きみなみさん

同社は、おそらく、日本で唯一といっていいビジネスモデルで
躍進を続けています。

地球温暖化など、深刻化する環境問題に関連して、
企業に対する社会的要請(リサイクル等、環境負荷を小さくするための処置)の
水準は、年々高まっています。
しかし現実問題、どういった環境技術があるのか、
どこに頼めば適切な処置ができるのかは、
なかなか把握できません。

同社では、信頼できる環境ビジネス業者を多数、会員登録し
技術を探している企業にとってのベストなマッチングを提案しているのです。
2000年の創業で、いま年商17億円ですから、
急成長しているといっていいでしょう。

りさいくる

■リサイクルワン ホームページ>>>
http://www.recycle1.com/

実は木南社長は、一度、京都大学在学中にシステム開発事業をメインに
IT関連企業を立ち上げています。96年のことです。

IT業界のバブルが膨らんでいく時期で、
業績を順調に伸ばしていきます。
しかし、面白さの半面、むなしさも覚えたとおっしゃいます。

「儲かるだけで喜びはあるし、夢中でやっているときは
いいんですが、ふと冷静になると、一体何をやっている
んだろう、という気持ちになりました。収益よりも、自
分が関わることで社会がどう変わるか、そういうことの
ほうに関心がありましたし、そんな仕事がしたかった」

木南社長は、大学卒業後、コンサルティングファームのマッキンゼーに入社。
再度、起業するうえでの勉強のための選択だったそうです。
そして、満を持して2000年の5月30日、いわゆる「ごみゼロの日」に
会社を起こしました。

「もともと環境問題に関心はありました。学者として研
究する、官僚になって法改正や制度の整備に励む、と選
択肢はありました。しかし制度は実はかなり整えられて
きていましたし、問題はむしろ、民間のプレイヤーがい
ないことだった。ならば、自分がそのプレイヤーになろ
うと思ったんです」


木南さんの世代には、いわゆるネット起業家が少なくありません。
そのなかには、事業意欲と個人の欲とが混沌と混じり合っているような
人もちらほら見受けられます。

もちろん、起業動機は人それぞれでよい。
とはいえ、ベンチャー企業の創業期は、
体質的に社長に似た人が集まる傾向があります。
社長の気質や考えに賛同する人が集まり、
それが、企業風土や企業文化の原型を形作っていく。
健全に成長していけるかどうか、まずは、
社長その人のパーソナリティにかかっていると
思うのです。

リサイクルワンさんの社内は、みずみずしい若さと活気に満ちていました。
たった1時間半ほどの取材でしたが、
木南さんたち創業メンバーの理念、志に共鳴、共感した人たちが
集まっているのだなと、強く感じた次第です。

ちなみに同社では、新人さんが毎年、その年の決意を示すため、
書き初めをすることになっています。
こういうことを大まじめにやれる社長さんも会社も、私は好きです。

かきぞめ

詳しくは、3月1日発行予定の経営者会報3月号を
お手にとっていただければと思います。

木南さん、社員のみなさま、
お忙しいなか、ご協力いただきありがとうございました!

(編集部・酒井俊宏)



けいかい082
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2008年02月01日(金)更新

【取材日記】ビー・ビーンズ 井上敬介さん

今週の火曜日、
経営者会報ブログ会員さんの
ビー・ビーンズ社長、井上敬介さんが
弊社にお越しくださいました。

いのうえさん

実は、経営者会報本誌『社長ブロガー登場!』
取材をお申し入れしましたところ、
「その時期なら東京に出ています」とのお返事。
ついついご厚意に甘え、お忙しい営業の合間にもかかわらず、
ご足労いただいてしまったという次第です。

本来、会員のみなさまへのご機嫌うかがいも兼ねた取材ですのに
本当に申し訳ございません。
お運びいただき、ありがとうございました。

井上さんは、自社商品=黒豆に、絶対の自信をおもちです。
この日も、黒豆について話し出すと、
熱いトークが止まりません。
これほどまでに自社商品について深い愛情をもち、
それをストレートに表現されるかたも
滅多にいらっしゃらないと思います。

黒豆について、熱く語られる井上さんが、
だんだん、この世に舞い降りた「黒豆の使い」のようにも見えてきて、
最後は「黒豆の神様」そのもののように思えてきたほどです。

その井上さんの熱い思いは、
ビー・ビーンズさんのホームページでも伝わってきます。
なんと、ご自身でラジオ番組ももっておられます。
ブログも含め、あらゆる手段を使って、
自信の黒豆の存在を、世に知らしめようとしておられるのです。

くろまめさん

■ビー・ビーンズ ホームページ>>>
http://www.kuromame.co.jp/
■黒豆の井上、夢と希望と反省のブログ
http://kuromame.keikai.topblog.jp/

ブログに関しては、井上さんは次のような
認識でおられます。

「社員には最初はブログを書いていることは
内緒にしていたんですが、実は意外と読んで
くれている。ですので、いまは、まずみんな
に私の考えていることが伝わるよう、意識し
て書いています」

もちろん井上さんは、対面のコミュニケーションも
大切にしておられます。
その姿勢があってこそ、ブログも効果を発揮するのでしょう。
言葉は悪いですが、社員のかたにとっては、
社長の言行の“裏を取る”ことができるからです。

その意味で、自社の商品、サービスに誇りをもち、
良心的な経営をしておられる、井上さんをはじめ、
当サイトの会員さんのような方が書いてこそ、
ブログが社内を一枚岩にする強力なツールになりうると
いえると思います。
ふだんの言行と一致しない、
見栄やてらいだらけのブログを読まされても
社員もしらけるだけでしょう。

さて、『社長ブロガー登場!』は1ページものなので、
ここで全部披露してしまうわけにもいきません。
詳しくは3月1日発行予定の経営者会報3月号を
ご覧いただければと思います。

井上さん、お忙しいなか、お運びいただき、
ありがとうございました!

近いうちに、御社そして御社の農園を
おたずねしたいと思っております。

どうかよろしくお願い申し上げます!

(編集部・酒井俊宏)



けいかい082
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2008年01月30日(水)更新

【取材日記】レーザーテック・浜野太郎さん

今週の月曜日、経営者会報3月号特集「働きがいのある会社」
取材で、当経営者会報ブログ会員さんでいらっしゃる、
レーザーテック社長の浜野太郎さんにお会いして参りました。

出張ゆえにマイデジカメでの撮影となり、
いつもの弊社カメラマンの写真と違い、
写りが悪いかもしれません。
実物の浜野さんは、もっともっと男前ですので、念のため。

はまのし

■レーザーテック ホームページ>>>
http://www.laser-tech.jp/

社員にとっての働きがいは、
個々人によって違うでしょうし、
当然、社長さんによっても
さまざまな見解があると思います。

もちろん報酬は高いに超したことはないでしょうが、
編集部としての見解は、「人はパンのみにて生きるにあらず」で、
その仕事に就くことで、どれだけ自分自身が成長できるか、
あるいは、社会に役立っている手応えをもたせられるか、
といった点がきわめて重要──というものです。

そのためには「仕組み」も重要になるでしょう。
その点で、浜野さんは「カイゼン大賞」や「3S」など、
社員のみなさんのやる気を引き出す様々な仕組みを作り、
率先垂範しておられます。
しかも、これまで書かれたブログを本にまとめられ、
現在10冊目。社員のかたやお客さんに配布しておられるそうです。
毎朝の朝礼も欠かさず、
これは外部の見学者のかたが訪れるまでになりました。

さすがに3Sを徹底しておられるだけに、
綺麗な工場です。

こうじょう

すがたかんり

経会ブログの会員さんとはいえ、
会員さんだからお邪魔したわけではなく、
日々、浜野さんがブログで書かれている取り組みが、
弊誌読者にご紹介する、確かな価値のあるものだと思ったからこそ、
取材のお申し入れをさせていただいた次第です。

詳しくは3月1日発行予定の経営者会報3月号を
ご覧いただければと思いますが、少しご紹介します。

浜野さんは、そうした取り組みをされるようになったきっかけとして、
創業後、ようやく社員さんが増えてきたころの、
ある“事件”を挙げてくださいました。

「当時は、難しい加工ほど、私が自分でやっていました。
作業しながら、ふと後ろを振り返ると、みんなが直立不
動の姿勢で私の作業するところをじっと見ている。その
とき、『このままではあかん』と思いました。私がみん
なの成長の芽を摘んでいる元凶だということに気づいた
んですね」


以来、浜野さんは、
社員のかたのやる気と能力をいかに引き出していくか、
そこに力を注いでこられたそうです。

浜野さんは、すでにこの取材の模様を、
ご自身のブログでご紹介されています。

私も映ってしまっているので、
ちょっと恥ずかしいですが、以下のURLをご覧ください。

■不器用で口下手の関西気質>>>
http://lasertech.keikai.topblog.jp/blog/a/10007727.html

浜野さん、ありがとうございました。
また近いうちに、取材をさせてください!

(編集部・酒井俊宏)



けいかい0801
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2008年01月29日(火)更新

【取材日記】武蔵野・小山昇さん

先週の金曜日、
経営者会報3月号特集「働きがいのある会社」
取材で、株式会社武蔵野さんにお邪魔して参りました。

お相手は社長の小山昇さん。
数々の講演をこなされ、著書も多数出されているので、
ご存じのかたは多いかと思います。

比喩が抜群にお上手で、
自社の経営を、借り物ではない、
ご自身の言葉で語られているのが印象的でした。

こんな人のもとでなら、
社員のかたがたもみなさん、
思わず頑張りたくなるのだろうなと、
お会いして数分で感じました。
とにかく、魅力的なかたでした。

こやまさん

■武蔵野 ホームページ>>>
http://www.musashino.co.jp/

同社はダスキンさんの事業を長く手がけ、
最近は独自に築き上げた「儲かる仕組み」を社外に公開。
そのこと自体、事業の一環と位置づけています。

小山さんは、社長に就いた90年頃から、
様々な社内改革に乗り出し、
同社を成長軌道に乗せてこられました。
2000年には日本経営品質賞(中小企業部門)も
受賞されています。

そうした改革に着手したきっかけは、
ご本人いわく、至ってシンプルでした。

「他の社長がやっていることをやっていても
全然うまくいかなかった。自分で考えて、一
番いいと思ったことをしてきただけです」

詳しくは、3月1日発行予定の経営者会報3月号を
ご覧いただければと思いますが、
ほんのちょっと、ご紹介します。

「一番大事なのは信頼感だと思いますが、そ
のためには社長が偉そうにふんぞりかえって
いたり、聖人君子面していては駄目。馬鹿な
ことも言ったりやったりしないとね。私にと
っては、社員はみんな友達。信頼できてなん
でも話せるのは、親より親友でしょ? 弱み
も見せたほうがいいんです。私は飲む打つ買
うの話もするし、社員に弱みも握られている。
もっとも、私のほうがもっと彼らの弱みを握
っているけど(笑)」


同社では個々の社員の給料・報酬は、
すべて社員に公開しているそうです。
小山さんはじめ役員も例外ではありません。

こうした透明性も、社員のみなさんの信頼感を
得ることにつながっているのでしょう。

しかも小山さんは、年間80日くらい、
社員のみなさんとお酒を飲むそう。
費用もほぼ会社もちだそうです。

互いに何でも言い合える雰囲気をまず作り上げているからこそ、
建設的な意見や提案、行動が伴ってくるのだそうです。
このあたり、傾聴すべきご意見だと思います。

とはいえ、飲み会に関しては、だらだら飲むわけではなく、
社員のかたは冒頭と終わりに数分間のスピーチで
仕事に関する決意表明をしなくてはなりません。

そうした“社員教育”が、
社員のみなさんに積極性を育み、
大幅な権限委譲を可能にしているのです。
小山さんは次のようにおっしゃいます。

「なんでも社長がやりたがるから人が育たな
いんです。うちは社員がやってくれるから何
の心配もいらない。だから講演もできるし、
お酒も飲める(笑)」


同社の権限委譲の例を一つ挙げると、
チーム制というものがあります。

これは、会社のある部分に問題意識をもつ社員に、
その問題解決を任せてしまう制度です。
立候補制で、いま5つのチームがあるそうです。
多いときは11あり、解決したので5つに減ったとのことでした。

サンクスカードも特徴的です。

これは、ある人になにかいいことをしてもらった場合、
感謝の意を捧げるもので、一番カードをもらった人は、
全社員の前で年に一度、表彰されます。

一番多く書いた人も、それだけ数多く、
感謝の輪、人に素直に感謝する空気を
社内に生み出した人ということで、表彰されます。

書かれたカードは社内に張り出されています。

さんくす

それにしても、ご紹介したいエピソードが多すぎて、
残念ながら、とても書き切れません。
あとは本誌に記します。
どうかお手に取っていただきたいと思います。

武蔵野さんは、並はずれてユニークで
独創的な会社でした。

小山さん、ありがとうございました。
またぜひ、楽しいお話をお聴かせください!

(編集部・酒井俊宏)



けいかい0801
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2008年01月22日(火)更新

【取材日記】浅草中屋 中川雅雄さん

少し前、経営者会報2月号「異能経営者がゆく!」
取材で、浅草・浅草寺そばに本社を構え、
はっぴや袢纏など祭り用具を扱う浅草中屋さんに
うかがってまいりました。

お相手は社長の中川雅雄さん。
ちなみに「浅草中屋」さんは屋号で、
社名は「中川株式会社」です。

なかや

浅草といえば、夏の「三社祭」が有名ですが、
冬もいいですね。風情があります。

あさくさ

同社は、同業他社に先駆けてネットを活用して、
オーダーメイドの祭用品を受注したり、
写真集になるようなカタログを通販用に
作成したりと、業界では知らない者はいないという会社です。
売上も順調に伸ばしています。
それらの改革を手がけてこられたのが、中川さんです。

その中川さんの前歴は雑誌編集者。
マガジンハウス社で、絶頂期の「POPEYE」や「Olive」編集部に
籍を置かれたのち、広告制作畑に携わり、
「anan」主催のファッションショーの運営なども
手がけられたそうです。

そして、34歳のとき、実質お父上が創業された中屋に入社し、
3年後には専務に就任。以来、様々な改革の指揮を執ってこられました。

私にとって、会社もジャンルも違えど、
業界の大先輩と言っていいかたです。

なかがわさん

■浅草中屋 ホームページ>>>
http://www.nakaya.co.jp/index.html

中川さんは、パソコンに精通していて、
HPもご自身で作り上げたという“強者”です。
すべて学生時代に独学され、それが下地となったそう。

そうしたITのセンス、技能に加えて、
編集者時代に築いたアパレル、デザイン関係の人脈や
ファッションショーの運営などの経験をフルに活かし、
家業を事業に変えていったといえます。

そんなわけで、今回の「異能経営者」の記事は、
経営者の前歴が、どのくらい、
いまの仕事に影響があるものなのか、
そこが、お話をお聞きするうえでの大きな柱になりました。

詳しくは、2月1日発行の経営者会報2月号を
ご覧いただければと思いますが、
ほんのちょっと、ご紹介します。

中川さんは、ご自身の前職の影響を
次のように説明してくださいました。

「編集者って一人じゃなんにもできないでしょ(笑)。
いろいろなプロの方に協力していただいて、気分よく、
力を発揮をしてもらうのが仕事ですよね。いま内外の
人に協力していただく立場になってみて、編集者時代
の経験は大変役に立っていると思いますね」

おっしゃる通りで、カメラマンさん、ライターさん、
作家のかた、デザイナーさんなどなど、
様々なプロの手を借りないと、本や雑誌はつくれません。

中川さんは、編集者時代の経験について、
もうひと言付け加えてくださいました。

「デッドラインから逆算して仕事を組み立てることが
ある程度得意なのは、編集者時代の経験が大きい。締
め切りから逆算して、いろいろ手配していくわけです
から。そこは鍛えられましたね」


うーん。私の場合、その逆算がもろくも崩れるケースもままあり、
なんとか馬力で押し切ってしまうことが多い……。
お話をうかがって、まだまだだなと改めて反省した次第です。

なお、中川さんは、面白い試みをしておられます。
昔取った杵柄で、ご自身が依頼もして
東京の老舗企業の社長にインタビューし、
その音声データを自社HP内(↓)に掲載しているのです。

■江戸東京人セミナー >>>こちら

そうした取り組みに励む理由を、
中川さんは次のように説明してくださいました。

「伝統を守り、大切にしたい、という思いがあるから
ですが、もっとシンプルに言ってしまえば、要は自分
の得意なことに注力する。私はそういう空中戦(=ウ
ェブの活用)が得意ですから」


お話をうかがっていて、
経営資源の限られた、大きいとはいえない会社においては、
実はそれが一番大事なことなのではないか、と思いました。

同時に、いまの仕事に一所懸命取り組むかぎり、
その後で本人がどのような人生を歩もうとも、
必ず糧になっているものなのだとも思いました。

私はこの仕事が好きで、
ずっとやっていきたいと考えていますが、
中川さんにお会いして、ちょっとねじをまき直してがんばろう、
と、エネルギーが湧いてきました。

中川さん、ありがとうございました。
またぜひ、ご指導ください!

(編集部・酒井俊宏)



けいかい12
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2008年01月19日(土)更新

【取材日記】メリーチョコレートカムパニー・原邦生さん

先日、メリーチョコレートカムパニー社長・原 邦生さんに、
経営者会報2月号・特集「収益力の高い会社をつくる」の
冒頭「提言」でご登場いただくため、
取材をさせていただきました。

実は数年前、原さんご自身の一代記を弊誌に連載させていただき、
記事を私が担当した関係で、もう何度もお会いし、
その都度、大変、勉強をさせていただいています。

はらさん

■メリーチョコレートカムパニー ホームページ>>>
http://www.mary.co.jp/

みなさんご承知の通り、メリーチョコレートカムパニーは、
ギフトチョコレートメーカーとして日本一といっていい会社です。

同社はなんと、9年連続で増収増益。その間、売上高経常利益率も、
おおむね10%を維持され、無借金経営も続けています。
その収益性の高さの秘訣をご披露いただこうと、
取材をさせていただいた次第です。

ちょこ

原さんは、創業者であるお父上の逝去に伴い、
86年に社長に就任。IT経営の先駆者として知られています。

94年には「情報流通センター」を設置・稼働させました。
これは同社の千葉・船橋市の工場における
商品の入庫・保管・出庫まですべてコンピュータで一元管理し、
商品の出し入れもロボットが行なうというものです。

これにより、70名いた物流部門の人員を9割削減、
その人たちを適材適所で配置することで、
新たな商品開発や事業展開に着手するゆとりが生まれたそうです。
同社のIT活用はそれだけにとどまりません。

店舗の売上はすべて本部でその日のうちに把握でき、
SCM(サプライチェーン・マネジメント)も、
2002年から着手しています。

原さんはこうおっしゃいます。

「要は人には“人にしかできないこと”をやってもらい
“機械でできること”は機械に任せればいいんです。私
に言わせればITとは、インフォメーション・テクノロ
ジーではなくて「インテリジェンス・テクニック」の略
です。情報を知恵として活かすことが肝要なのです」

原社長の指揮下、同社は業界では稀な高収益企業に成長していきます。
しかし、そのこと自体が目的であったわけではありません。

「父は生前、亡くなる前の数年間は、私に遺言のように
『家族的な経営は絶対変えるな。少数精鋭集団による高
収益・高賃金を貫け』と繰り返し、言い聞かせていまし
た。その父の考えを大事にして、私なりに時代に合わせ
てアレンジしてきたのです」

つまり、高収益を目指したのは、
人を大切にする家族的な経営を貫くため。
しかし、高収益な体質にしなくては社員に高い報酬を出せません。
同社は、そのところを、うまくバランスを取ってきたといえます。

現実の経営では、おそらく、
そのバランスを取るのが至難なのだと思います。

同社がそのことに成功した理由を、たった一つだけ挙げるなら、
原さんの、自ら汗を流し、率先する姿にあったと私は思っています。

詳しくは、2月1日発行予定の経営者会報2月号をご覧いただきたいと
思いますが、原さんは、かの上杉鷹山を尊敬し、本社屋の玄関脇に、
鷹山のものとして伝えられている一節を石碑にしておられます。

人材育成の要諦として、自分自身の肝に銘じるとともに、
自社の役員や幹部のかたにも実践してもらいたいからだそうです。

ようざん

付け加えますと、社員のかたがたに接するとき、原さんが心がけてきたのは、
常に同じ目線になるよう、ご自分からおりていくということ。
これは役員・幹部のかたにも強く求めてきたといいます。

以下のエピソードには、その原さんの思いがよく出ています。

原さんは、いまはやめておられるそうですが、
以前、新卒社員の懇親会の席によく抜き打ちで“乱入”して、
手品を披露されていました。
同社では、入社式で、新人さんに、「一芸」の披露を求めます。
「社員に求める以上、社長もやらないと不公平」(原さん)と
考えて、手品を披露してきたそうです。

少し前、奥様に、
「あなたの手品は長いのよ。ああいうものは、ぱっとやって下がるのがいいの。
みんな迷惑しているかもしれないでしょう」
と「だめ出し」されたたため、自重しておられるそうです。

なお、原さんは、日本流の「バレンタインデー」の生みの親でもあります。
いまや、菓子業界挙げての一大イベントとなったバレンタインデーですが、
実は原さんが東京・新宿の伊勢丹でフェアを行ったのが最初。

まだ学生さんだった原さんが、お父上の商売を手伝うなかで
閃いたそうです。
しかし、最初の年、1958(昭和33)年のフェアの売上は、
たった170円。3枚のチョコレートしか売れなかったそうです。

ここでちょっとだけ宣伝をさせていただくと、
原社長の著書が、今月末、弊社より発刊されます。

タイトルは社長の力で会社は元気になる!です。

ほん

たった3枚のチョコレートから始まって
一貫して現場で体得してこられた、ご自身の経営哲学が
あますことなく、詰め込まれています。
お手に取っていただければ幸いです。

きっと、多くの経営者のかた、ビジネスマンの参考になるはずです。

(編集部・酒井俊宏)



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個人プロフィール

『月刊ニュートップリーダー(L.)』(前身は「経営者会報」)編集部にて社長の取材記事を担当。十数年の間に800名以上の経営者に取材、多くの経営者に感銘を受けた経験から、「日本を支えているのは中小企業とその経営者」と確信し、敬意を抱いている。『経営者会報ブログ』サイト編集部員も兼ねる。

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