酒井俊宏の「こんな社長さんに会ってきました!」 | 経営者会報 (社長ブログ)
「経営者会報ブログ」&「ニュートップリーダー」編集記者・酒井俊宏の「こんな社長さんに会ってきました!」
【取材日記】玉子屋 菅原勇継さん
先日、経営者会報10月号(10月1日発行予定)の
特集 事業承継の“王道” の取材で、
東京・大田区の株式会社玉子屋さんをお訪ねしました。
お相手は創業者の菅原勇継さん(68歳)。
実は、私がお目にかかるのは二度目です。
創業者には大変魅力的な人が多いですが、
菅原さんは、とりわけ魅力的なかたです。
以前お会いしたとき、私はすっかりファンになってしまいました。
社員さんに対する愛情と仕事に対する誇りをもち、
常に腹をくくって挑戦してこられたことが、
短い取材時間のなかで感じられたからです。
こんな人が戦国時代に生まれていたら、国の一つや二つ、
手にしていたのではないかと思いました。
菅原さんは次のようにおしゃっています。
「箸にも棒にもかからない悪ガキばかり集めて
スタートしました。その後も積極的にそうした
子を雇ってきた。野性味があり、人から褒めら
れた経験が少ないため、お客さんや私に褒めら
れるのが嬉しくて、頑張る子が多いからです。
そんな彼らが楽しく働けて家の一軒も買えて、
夫婦で仲睦まじく暮らしていけるようにするの
が私の務めだと考えてきました」
同社では一日約7万食のお弁当を製造、都内の法人中心にお届けしています。
支店をもたない一事業所の仕出し弁当業者としては、日本一の数です。
■玉子屋 ホームページ >>>
数だけではなく、味にも品質にもこだわり、
しかも廃棄率は、信じられないことに、0.1パーセント。
現在、社長を務めるのは、ご長男の勇一郎さん(39歳)。
勇一郎さんは、お父上の作られた下地を大切に、情報の共有化や
社員のかたがたのモチベーションをアップさせる施策に次々に着手。
実質継がれた際、15億円だった同社の売上は
現在、85億円にまで伸びています。
経営者が後継者に真に譲り渡すべきものとはなにかを
示そうというのがこの特集のテーマですが、
まさに玉子屋さんのケースは、理想の承継といえます。
父から子に、何が伝わったのか、子はなにを受け継いだのか。
詳しくは経営者会報10月号をお手に取っていただきたいと思いますが、
ちょっとだけ、ご紹介しましょう。
菅原さんいわく、受け継いで欲しかったのは
社員さんへの愛情、とのこと。
「会社を継ぐ継がないは別として、とにかく器の
大きな立派な男にする──それが私の教育方針で
した。私の考える器の大きな男とは、人の気持ち
がわかる優しい人間のこと。優しい男は慕われ、
周囲に人が集まってくる。そんな男なら経営者に
なっても成功します。というより、優しくなけれ
ば経営者失格です」
忘れてならないのは、なにを伝えるかのその前に、下地として、
このお二人が仲の良い親子であり、
親子で価値観を共有していたことでしょう。
冒頭で、すっかりファンになった、と言いましたが、
それはこのお二人の親子関係に、非常に好ましい印象を
抱いたからでもあります。
オーナー経営の場合、核となるオーナー家の親子関係が
良好であることはいうまでもなく、重要でしょう。
下の写真は菅原家と玉子屋さんの雰囲気を象徴しています。
菅原さんのご了解を得て、掲載します。
おじいちゃんのことが大好きな、
お孫さんたち=勇一郎さんの子供たち=が、
取材中、まとわりついて離れません。
この子たちのおかげで終始、
取材は和やかな雰囲気になりました。
玉子屋さんでは、このようにして、
菅原家の子供たちは会社のなかで
遊んでいます。
従業員のかたがたもそれを好ましく見ています
そんなことが、経営者と従業員の距離を縮めて、
会社の一体感が形づくられているように思いました。
「普通の会社だと、子供がうろちょろしていたら、
『あっちへ行ってろ』となるかもしれないけど、
私はこんな会社がいいと思ってる。小さい会社な
のだから、経営者の好きにやればいいんです。経
営は感性ですから」
それにしても、まったく物怖じしないこの子たちに、
創業者のDNAというものは、やっぱりあるのかな、
と思った次第です。
実りの多い取材でした。
菅原会長、勇一郎さん、そして、お孫さんたち。
ありがとうございました!
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特集 事業承継の“王道” の取材で、
東京・大田区の株式会社玉子屋さんをお訪ねしました。
お相手は創業者の菅原勇継さん(68歳)。
実は、私がお目にかかるのは二度目です。
創業者には大変魅力的な人が多いですが、
菅原さんは、とりわけ魅力的なかたです。
以前お会いしたとき、私はすっかりファンになってしまいました。
社員さんに対する愛情と仕事に対する誇りをもち、
常に腹をくくって挑戦してこられたことが、
短い取材時間のなかで感じられたからです。
こんな人が戦国時代に生まれていたら、国の一つや二つ、
手にしていたのではないかと思いました。
菅原さんは次のようにおしゃっています。
「箸にも棒にもかからない悪ガキばかり集めて
スタートしました。その後も積極的にそうした
子を雇ってきた。野性味があり、人から褒めら
れた経験が少ないため、お客さんや私に褒めら
れるのが嬉しくて、頑張る子が多いからです。
そんな彼らが楽しく働けて家の一軒も買えて、
夫婦で仲睦まじく暮らしていけるようにするの
が私の務めだと考えてきました」
同社では一日約7万食のお弁当を製造、都内の法人中心にお届けしています。
支店をもたない一事業所の仕出し弁当業者としては、日本一の数です。
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数だけではなく、味にも品質にもこだわり、
しかも廃棄率は、信じられないことに、0.1パーセント。
現在、社長を務めるのは、ご長男の勇一郎さん(39歳)。
勇一郎さんは、お父上の作られた下地を大切に、情報の共有化や
社員のかたがたのモチベーションをアップさせる施策に次々に着手。
実質継がれた際、15億円だった同社の売上は
現在、85億円にまで伸びています。
経営者が後継者に真に譲り渡すべきものとはなにかを
示そうというのがこの特集のテーマですが、
まさに玉子屋さんのケースは、理想の承継といえます。
父から子に、何が伝わったのか、子はなにを受け継いだのか。
詳しくは経営者会報10月号をお手に取っていただきたいと思いますが、
ちょっとだけ、ご紹介しましょう。
菅原さんいわく、受け継いで欲しかったのは
社員さんへの愛情、とのこと。
「会社を継ぐ継がないは別として、とにかく器の
大きな立派な男にする──それが私の教育方針で
した。私の考える器の大きな男とは、人の気持ち
がわかる優しい人間のこと。優しい男は慕われ、
周囲に人が集まってくる。そんな男なら経営者に
なっても成功します。というより、優しくなけれ
ば経営者失格です」
忘れてならないのは、なにを伝えるかのその前に、下地として、
このお二人が仲の良い親子であり、
親子で価値観を共有していたことでしょう。
冒頭で、すっかりファンになった、と言いましたが、
それはこのお二人の親子関係に、非常に好ましい印象を
抱いたからでもあります。
オーナー経営の場合、核となるオーナー家の親子関係が
良好であることはいうまでもなく、重要でしょう。
下の写真は菅原家と玉子屋さんの雰囲気を象徴しています。
菅原さんのご了解を得て、掲載します。
おじいちゃんのことが大好きな、
お孫さんたち=勇一郎さんの子供たち=が、
取材中、まとわりついて離れません。
この子たちのおかげで終始、
取材は和やかな雰囲気になりました。
玉子屋さんでは、このようにして、
菅原家の子供たちは会社のなかで
遊んでいます。
従業員のかたがたもそれを好ましく見ています
そんなことが、経営者と従業員の距離を縮めて、
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『あっちへ行ってろ』となるかもしれないけど、
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創業者のDNAというものは、やっぱりあるのかな、
と思った次第です。
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ありがとうございました!
(編集部・酒井俊宏)
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