大きくする 標準 小さくする


【取材日記】エーワン精密・梅原勝彦さん

投稿日時:2007/09/07(金) 13:51rss

先日、経営者会報本誌『異能経営者がゆく!』(10月号)の取材で、
東京・府中市に本社を構えるエーワン精密さんにお邪魔してきました。
お相手は創業経営者の梅原勝彦さん。

同社は、なんと創業以来、40年にもわたって
売上高経常利益率35%以上という凄い会社です。
2003年にはジャスダック市場での
株式上場も果たしています。

■株式会社エーワン精密>>>
http://www.a-one-seimitsu.co.jp/

二代目、三代目の経営者の方々には大変失礼ながら、
経験上、お話が面白いのは、やっぱり創業者です。

みなさん歯に衣着せず、豪快で、言いたいことをおっしゃる割には、
一種の愛嬌を感じさせ、しかも誰も傷つけない(ように思える)のは、
一体どうしてなのか。

梅原さんも大変魅力的な方でした。
どうですか、この素晴らしい笑顔。

umeharasan

梅原さんの座右の銘は「人間本来無一物」。

自分でつくった会社だから、
仮に潰れてしまっても、もともと何もなかったんだから、
振り出しに戻っただけ──
そんな“肚の坐り”が漂ってきます。

梅原さんの座右の銘をお聞きして、
多くの創業経営者に共通する魅力の源もまた、
“肚の坐り”や“覚悟”にあるのでは、と思いました。

12歳(!!)のときから、この世界に身を置いてきたと語る
梅原さんの経営は非常に独創的です。

この取材のときも、

「景気が悪いときや会社が苦しいときこそ設備投資をする」
「社員に言葉でメッセージは送らない」
「組織図はいらない。リーダーは自然に決まる。猿山のボスと一緒」

といった刺激的なフレーズをしばしばお聞きしました。
もちろん、きちんとした論理的な裏付けがあってのご発言です。

コレットチャックという特殊な部品を製造・販売する同社では、
最速で、受注した翌日に納品するという
超スピード体制を取っており、
取引企業から高い評価を得ています。

同業他社では受注から納品まで一週間はかかるのが普通で、
納期に間に合わせられない同業他社から
仕事が回ってくることも多いそうです。

どうしてそんな超短納期が可能なのか。

一つには、ありきたりなIT化はせずに、
ファクシミリと電話で受注し、顧客からの送信票を
ほぼそのまま現場に回していることにあります。
事務系の方々を含め、全社員が応対できるレベルにあることが
このオペレーションを可能にしています。

もう一つ。実は、顧客の要請に応えられる「半完成品」を
在庫としてもっていて、
最後の仕上げにじっくり時間をかけて完成させているのです。

ただし、梅原さんは、同社の成長の要因は、
「社員がみんな頑張ってくれるから」だとおっしゃいます。
「本当に感謝しています」とも……。

たしかに、いくら効率的な体制を整えようと、
いや、整えれば整えるほど、社員への負担は増すでしょう。

となると、仕組みを整えるだけではなく、
負担が増しても頑張ってくれる社員の存在が
必要不可欠といえます。
そして、そのモチベーションを引き出すのは、
やはりトップの仕事なのでしょう。

梅原社長はいかにしてそれを引き出したのか。
そして、十分資金調達にゆとりがありながら、
なぜ上場を目指したのか──。

ここから先は、10月1日発売予定の『月刊経営者会報』10月号を
ぜひ、お手に取っていただければと思います。

(編集部・酒井俊宏)



keikai09
■中小企業経営者のための羅針盤『月刊経営者会報』
ご購読はこちら>>>
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社
http://www.njg.co.jp/

トラックバック一覧

コメント

名前:
Eメールアドレス:
コメント:
ファイル

画像の英字5文字を入力して下さい。:
パスワード:

会社概要

詳細へ

個人プロフィール

『月刊ニュートップリーダー(L.)』(前身は「経営者会報」)編集部にて社長の取材記事を担当。十数年の間に800名以上の経営者に取材、多くの経営者に感銘を受けた経験から、「日本を支えているのは中小企業とその経営者」と確信し、敬意を抱いている。『経営者会報ブログ』サイト編集部員も兼ねる。

詳細へ

最近の記事

このブログの記事タイトル一覧(282)


<<  2024年11月  >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

コメント一覧

最新トラックバック

  • 「勝ち続ける会社をつくる起業の教科書」を参考にさせて頂いて講義を from フレキシブルチューブ、ベローズの三元ラセン管工業株式会社 高嶋 博 社長の日記
    恥ずかしいんですがリユース業の市場がこんなに大きく、それを扱う企業がまた大企業になっていることを、この本を読むまで知りませんでした。 株式会社トレンジャー・ファクトリー、東証1部上場で2017年2月期の売上高が132億円、店舗数142、従業員(正社員)511名、創業以来20年連続増収の会社の代表取締役社長の野坂英吾さん44歳がこの6月に日本実業出版社から、資金30万円から100億円企業を作っ
  • 熊本地震 「餃子の王国」の支援をお願いします。 from ベローズ 案内人
    熊本の双和食品工業㈱の高尾幸子社長さんは、私と同じ当初からの経営者会報ブログの会員さんです。 この双和食品工業株式会社さんの工場も熊本地震の被害にあいインフラが整うまでの間、工場が操業できず、ようやく工場が動くようになったそうです。 それまでの状況...
  • 熊本地震・双和食品工業【餃子の王国】さんを支援願います from (株)京都工芸【タオルはまかせたろ.com】 タオルソムリエ 寺田 元 の日記
    こんにちは。【タオルはまかせたろ.com】タオルソムリエの寺田です。 経営者会報ブログサロンを運営する事務局である日本実業出版社から 連絡が来たのは昨日のことである。 サロン立ち上げ初期の頃からブログで発信し続けておられる 双和食品工業株式会社の高尾幸子社長の会社が被災されたという情報が 回覧されたのだ。 熊本発のネット通販で餃子といえば 双和食品工業株式会社 さんで 熊
  • 「ネジザウルスの逆襲」と「吉田基準」の紹介 from フレキシブルチューブ、ベローズの三元ラセン管工業株式会社 高嶋 博 社長の日記
    大阪産業創造館が2013年から始めている、ものづくりの現場で働く若者を取り上げた「ゲンバ男子」が話題になり、幻冬舎から、この12日に40人の若者を紹介した「ゲンバ男子写真集」として発売になります。 我社の若者も紹介されています。 今日はその写真集ではなく日本実業出版社の新刊書2冊、どちらも自社の製品がなぜ売れ続けているのか? その秘密が書かれています。  一冊目は、「e製造業の
  • タビオ 越智直正会長講演 from 次代を創る製造業 特殊変圧器メーカー 治部電機株式会社 代表取締役 治部 健 (じぶけん)日記
     タビオ 越智直正会長の講演に出席しました。 経営者会報ブログ【取材日記】2009年1月19付でも紹介されていました。  現役で経営理念浸透にご尽力されている背景をリアルタ...