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【取材日記】南富士産業・杉山定久さん

投稿日時:2007/10/25(木) 15:09rss

少し前、経営者会報11月号特集『“前向き社員”を育てる』の取材で
南富士産業杉山定久さんにお話をうかがってきました。

企画の趣旨は、
モチベーションが高く、チャレンジ精神ある社員を育てるために、
社長はどういった姿勢、心構えでいるべきなのか、
それを示すというものです。

杉山社長が率いる南富士産業(静岡県三島市)では、
メイン事業の月1000棟以上の屋根外壁の施工、
独自に開発した「八角形住宅」の施工・販売などのほか、
中国での経営者クラスの人材育成事業まで手がけておられます。
これは、日本企業のために、現地での経営を任せる人材を育てるもの。

どの事業も順調に伸びています。

すぎやまさん

■南富士産業 ホームページ
>>>http://www.mfsg.co.jp/

写真をよく見ると、八角形の小紋柄のネクタイを締めておられるのが
おわかりいただけると思います。
「八角形住宅」を広めるべく、いろいろなグッズを自分で作って
自ら身につけているそうで、その一つがこのネクタイ。
やるとなったらとことんまでやる人であることがうかがえます。

杉山さんは、経営者とは別の“顔”をもっています。
なんと中国の十数の大学で、
客員教授として教鞭をとっておられるのです。

もともと杉山さんは資材調達の関係で
かなり以前から中国を訪れていました。

会社で購入する書籍が厖大な数になるため、
(同社ではビジネスに関連した本はすべて
従業員は会社もちで買えるのです)
中国の大学に寄贈しているうちに
大学側から声を掛けられ、
いつの間にか教壇に立つようになったそうです。

そんな杉山さんの
人材育成についての基本姿勢はというと、
ご本人の次の言葉に表われています。

「自分で気づくよう導いて、機会を与えること。
社長がその姿勢を貫いていれば、誰だって前向き
になりますよ」


具体的にどんなことをしておられるのか。
象徴的な例を一つだけ挙げると、
10年来、月1回、必ず行なっている「土曜塾」という取り組みでは
選ばれた数名の社員さんと杉山さんが
決められたテーマに沿ってディスカッションを
行なっています。

一年のうち、のべ半年は中国に滞在するという杉山さんが
毎月欠かさないだけでも凄いことです。

杉山さんはこうおっしゃいます。

「私自身、いつも自戒していますが、社員が前向き
になってくれない、という人は、何年も同じ話をし
ていないか、反省したらいい。社員は社長だと思っ
て話を聞いたふりはしますが、本当は聞いていない
んです。その点、学生は容赦がない。つまらない話
は聞かないし、すぐに寝てしまう(笑)。自分や自
分の話す内容に魅力があるかは、教壇に立てばいっ
ぺんでわかります」

気づきを促すには、促す側に魅力が必要という、
このご指摘には、深く頷いた次第です。

杉山さんは、その言葉通り、
魅力的な方でした。

その魅力は、さまざまな苦労や経験を重ね、
ご自身を磨かれるうちに培われたものなのかもしれません。

どのようにして培われたのか、それも含めて、
同社のくわしい取り組みは、
『月刊経営者会報』11月号に掲載してあります。
ぜひお手に取ってみてください。

(編集部・酒井俊宏)



けいかい
■中小企業経営者のための羅針盤『月刊経営者会報』
ご購読はこちら>>>
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社
http://www.njg.co.jp/

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『月刊ニュートップリーダー(L.)』(前身は「経営者会報」)編集部にて社長の取材記事を担当。十数年の間に800名以上の経営者に取材、多くの経営者に感銘を受けた経験から、「日本を支えているのは中小企業とその経営者」と確信し、敬意を抱いている。『経営者会報ブログ』サイト編集部員も兼ねる。

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