酒井俊宏の「こんな社長さんに会ってきました!」 | 経営者会報 (社長ブログ)
「経営者会報ブログ」&「ニュートップリーダー」編集記者・酒井俊宏の「こんな社長さんに会ってきました!」
顧客満足──この人から、買いたい!
最近、顧客満足という言葉、概念について、
以前よりも、考えることが多くなりました。
理由はあとで述べます。
以下はまったくの私見ですし、
日々、現場で顧客に向き合っている
経営者のみなさまがたからすると、
笑止な意見かもしれませんが、どうかご容赦ください。
「顧客満足」とは、すでに人口に膾炙して
久しい言葉ですが、普遍的なテーマではあります。
私ども経営者会報本誌も含め、多くのビジネス誌、経営誌が、
手を替え品を替えて、俎上にあげています。
しかし、私自身の反省も込めてですが、
メディアで「顧客満足」が採りあげられるとき、
往々にして、テクニカルな面のみに、
焦点が当てられがちなように思います。
実際のところはどうなのか。
私自身の経験や、友人、同僚から聞く話では、
どうも、ものを買って満足する以前の段階で、
すでに自分が満足すると予感しているから、
買うのではないでしょうか。
つまり、商品情報だけでなく、
自分が満足するであろうと予感させるたたずまい、
雰囲気などをその会社や担当者から感じたときに、
購買に踏み切る判断をする人が多いような気がします。
商品・サービスに対する自信、そして、その自信あるサービスで
顧客に尽くそうという姿勢が、担当者その人の人間性と相まって
お客の側に伝わるからでしょう。
購買行為を経て、お客が実際に商品やサービスを体感したとき、
むしろ、当初抱いていたイメージに対する比較で
満足の度合いをはかっているのではないでしょうか。
そう考えると、満足させるだけの内容のある
商品やサービスが必要なのは大前提としても、
事前に、その満足を“保証”するに足る内容の情報が、
HPや営業マンを通じ、
どれほど伝えられているかが重要なのではないか、
と思えてきます。
とりわけ重要なのは、やはり「人」でしょう。
この人が薦めるから、あるいはこの人が勤める会社の商品なら間違いはない──。
そんな感情、気持ちが、購買に踏み切る決断の根っこにある気がします。
とくに、専門性が高く、値段もそれなりにする商品の場合、
素人や門外漢には、その商品の善し悪しを判断するだけの
知識、材料がないことが少なくありません。
実際の商品も、素人目にはさして差がなかったりします。
そうした場合には、担当者を信じることができるか、できないか。
そこで判断するしか手だてがないように思うのです。
そんなことを思うのは、私自身が最近、
大きな買い物をすることになったからでもあります。
まったく私的な話で恐縮ですが、
以下記します。
ご存じのかたも多いと思いますが、
2年半前、茨城県つくば市と秋葉原を45分で結ぶ
「つくばエキスプレス」が開業しました。
茨城県出身の私は、家を建てるなら茨城で、
と秘かに思っていましたが、なにせ遠かった。
これなら会社にも通える、と思って、
現在借りている川崎市内のアパートを引き払って、
移り住むことに決めた次第です。
この自宅の一角では、
4年ほど前からパン屋で修業している家内が
ささやかなお店を開く予定でいます。
建てる予定のエリアの工務店を回り、
ここはよさそうだ、という2社に絞りましたが、
それぞれ特徴があり、迷っていました。
決め手となったのは、営業マンのかたの姿勢の違いでした。
つくばはパンの激戦区として知られていますが、
お断りを入れたほうの会社では、担当営業マンが
その開業の話を知るや、こう言いました。
「大変ですよ、ここは激戦区ですからね」
対して、そこにお願いすることになった工務店の担当者、
Sさんは、目を一瞬きらっと輝かせ、
その目のまま、私たちに視線を合わせ、きっぱりと
「…わかりました、全力でお手伝いしたいと思います!」
とおっしゃったのです。
瞬間、先の会社の担当者への断り文句を
考えている自分がいました。
Sさんの真摯な姿勢が伝わってきて、私も、当の家内も、
このひと言でこちらに決めたといえます。
お断りを入れた工務店の担当者にも悪気はなく、
ごく普通の感想を漏らしただけと思いつつも、
(実際、激戦区ですし、甘くはないと思っています)
この人、この会社にお任せすると、たぶんよくないことが起こる、
という予感がしたのです。
以上が昨年11月の話です。
いま、Sさんのおられる工務店と
プランの打ち合わせを重ねています。
Sさんは、過剰なくらい一所懸命、
私たちによいように、さまざまな提案をしてくださっています。
レスポンスも素晴らしく速い。
設計担当のかたも、Sさんと同じ姿勢、つまり、
自社の商品・サービスによって顧客の夢を全力でサポートしようという姿勢に
充ち満ちています。仕事に取り組む姿勢として、
この人たちを見習わなくてはいけない、といつも思わせられます。
自分たちの予感が正しかったかどうか、
それを言うのはまだ早いとは思いつつ、
この段階で、すでにそのことを確信しています。
素晴らしい工務店さんで、ご紹介したいのはやまやまですが、
自分がお願いしている最中ですので、
少なくとも、建築契約を結び、着工するまで、
社名も、ご担当者のお名前も差し控えさせていただきたいと思います。
家を建てていく段階で、
面白い発見やエピソードがあれば、
先方さんの了承も得て、
ご紹介していきたいと思っています。
■中小企業経営者のための羅針盤『月刊経営者会報』 ご購読はこちら>>>
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
■経営者会報ブログにご興味をおもちの方・入会ご希望の方はこちら>>>
http://office.keikai.topblog.jp/blog/10006133.html
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社 >>>
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笑止な意見かもしれませんが、どうかご容赦ください。
「顧客満足」とは、すでに人口に膾炙して
久しい言葉ですが、普遍的なテーマではあります。
私ども経営者会報本誌も含め、多くのビジネス誌、経営誌が、
手を替え品を替えて、俎上にあげています。
しかし、私自身の反省も込めてですが、
メディアで「顧客満足」が採りあげられるとき、
往々にして、テクニカルな面のみに、
焦点が当てられがちなように思います。
実際のところはどうなのか。
私自身の経験や、友人、同僚から聞く話では、
どうも、ものを買って満足する以前の段階で、
すでに自分が満足すると予感しているから、
買うのではないでしょうか。
つまり、商品情報だけでなく、
自分が満足するであろうと予感させるたたずまい、
雰囲気などをその会社や担当者から感じたときに、
購買に踏み切る判断をする人が多いような気がします。
商品・サービスに対する自信、そして、その自信あるサービスで
顧客に尽くそうという姿勢が、担当者その人の人間性と相まって
お客の側に伝わるからでしょう。
購買行為を経て、お客が実際に商品やサービスを体感したとき、
むしろ、当初抱いていたイメージに対する比較で
満足の度合いをはかっているのではないでしょうか。
そう考えると、満足させるだけの内容のある
商品やサービスが必要なのは大前提としても、
事前に、その満足を“保証”するに足る内容の情報が、
HPや営業マンを通じ、
どれほど伝えられているかが重要なのではないか、
と思えてきます。
とりわけ重要なのは、やはり「人」でしょう。
この人が薦めるから、あるいはこの人が勤める会社の商品なら間違いはない──。
そんな感情、気持ちが、購買に踏み切る決断の根っこにある気がします。
とくに、専門性が高く、値段もそれなりにする商品の場合、
素人や門外漢には、その商品の善し悪しを判断するだけの
知識、材料がないことが少なくありません。
実際の商品も、素人目にはさして差がなかったりします。
そうした場合には、担当者を信じることができるか、できないか。
そこで判断するしか手だてがないように思うのです。
そんなことを思うのは、私自身が最近、
大きな買い物をすることになったからでもあります。
まったく私的な話で恐縮ですが、
以下記します。
ご存じのかたも多いと思いますが、
2年半前、茨城県つくば市と秋葉原を45分で結ぶ
「つくばエキスプレス」が開業しました。
茨城県出身の私は、家を建てるなら茨城で、
と秘かに思っていましたが、なにせ遠かった。
これなら会社にも通える、と思って、
現在借りている川崎市内のアパートを引き払って、
移り住むことに決めた次第です。
この自宅の一角では、
4年ほど前からパン屋で修業している家内が
ささやかなお店を開く予定でいます。
建てる予定のエリアの工務店を回り、
ここはよさそうだ、という2社に絞りましたが、
それぞれ特徴があり、迷っていました。
決め手となったのは、営業マンのかたの姿勢の違いでした。
つくばはパンの激戦区として知られていますが、
お断りを入れたほうの会社では、担当営業マンが
その開業の話を知るや、こう言いました。
「大変ですよ、ここは激戦区ですからね」
対して、そこにお願いすることになった工務店の担当者、
Sさんは、目を一瞬きらっと輝かせ、
その目のまま、私たちに視線を合わせ、きっぱりと
「…わかりました、全力でお手伝いしたいと思います!」
とおっしゃったのです。
瞬間、先の会社の担当者への断り文句を
考えている自分がいました。
Sさんの真摯な姿勢が伝わってきて、私も、当の家内も、
このひと言でこちらに決めたといえます。
お断りを入れた工務店の担当者にも悪気はなく、
ごく普通の感想を漏らしただけと思いつつも、
(実際、激戦区ですし、甘くはないと思っています)
この人、この会社にお任せすると、たぶんよくないことが起こる、
という予感がしたのです。
以上が昨年11月の話です。
いま、Sさんのおられる工務店と
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Sさんは、過剰なくらい一所懸命、
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(編集部・酒井俊宏)
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