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【取材日記】ソウル紀行(3)

投稿日時:2008/05/28(水) 13:10rss

ソウル滞在3日目の5月15日は、
パジュブックシティへ。

ソウルの中心部から、
地下鉄とシャトルバスを乗り継いで
約1時間の郊外・坡州市(パジュ市)にある、
出版社や印刷会社、物流会社が数百社レベルで本拠を置く、
出版業界各社の一大集積地です。

50万坪近くあると聞いて、想像はしていたものの、
実際、足を運んでみて、そのスケールの大きさに驚きました。

■紹介記事 >>>

ぱじゅ

1989年に計画が始まり、ある程度、竣工が済んだのは
2004年。まだ完成していない棟もたくさんあって、
いまも開発の途上にあります。
それだけ大きなプロジェクトだったといえます。

ぱじゅに

ぱじゅさん

造形的にも面白い社屋が沢山建っています。
建築家がそのワザを競う場でもあります。

もちろん韓国出版界でも、
さまざまなデータをウェブを通じてやりとりをするようになっていますし、
計画がスタートした時点とは状況も変わっているでしょう。
ここまで業者が集積しているメリットがどれだけあるか、
正直、疑問を感じなくはありません。

ただ、自然環境のよいところで仕事をするというのは、
そこで働く個々人にとっては心身ともによい作用があると思います。

実際、私たちが朝9時すぎ、シャトルバスで向かう高速道路は
すいすい流れていましたが、
逆方向のソウル方面へ向かう道路は大渋滞。
パジュブックシティへ通勤する人たちが、
そうした人の流れと逆に向かうパターンで通っているとしたら、
日々、満員電車で通勤する身として、ちょっと羨ましくありました。

この日の夕刻には、
翻訳などで当社と取引のある韓国の出版社の方と
お会いする機会がありました。

そこでお聞きしたことを少し、記します。

韓国のビジネス書のトレンドは、
「ストーリー化」と「イラスト化」だそうです。
つまり、同じ内容でも、小説仕立て・漫画仕立てにして
ストーリーを楽しみながら、自然に知識が身に付くような本が
好まれているのです。
かつて売れたビジネス書を
そうした作りにリメイクする動きも増えているそうです。

ちなみに彼の地では「スラムダンク」や「ワンピース」など、
日本の漫画が若い人たちに大人気と聞きます。
そうした流れもあっての傾向でしょうか。

日本では、一時ほど、ストーリーや漫画仕立てのビジネス書は
見なくなりましたが、作りとしては、
本を開いた際、やはり視覚的に圧迫感のない
ゆったりめの組み方のものが売れています。
もちろん、ある主張がきっちりないと読者にアピールはしないのですが、
作り自体は、“軽く”なっているといえます。

個人的な推測として、そうした現象の陰には
大きく2タイプの読者層の存在があるのではないか、
と思っています。

まず、ふだん本をあまり読まず、ネットなどで情報を収集し
本を読むにしても、なるべく手軽に内容を把握したいという人たち。
もう一つは、積極的に本は読むものの、忙しさのあまり
常にスピーディに内容を把握したいという人たち。

これも推測ですが、日本でも韓国でも、ビジネスマンのマインドが
総じて「せっかち」になっているのかもしれません。

そうした顧客の志向の変化に合わせ、
サービス・商品を変化させていく意識が製作側には必要といえます。
もちろん、どんな商売であっても同じことがいえるわけで、
出版界に限った話ではありませんが……。


さて、ソウル市街でスズメの次によくみかける鳥が、このカササギです。
徳寿宮の塀に止まっていました。
ソウルの「市鳥」にもなっています。なかなか美しい。

かささぎ

次回以降は少し柔らかく、ソウルの人や風俗面について
感じたことを記してみたいと思います。


(編集部・酒井俊宏)



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『月刊ニュートップリーダー(L.)』(前身は「経営者会報」)編集部にて社長の取材記事を担当。十数年の間に800名以上の経営者に取材、多くの経営者に感銘を受けた経験から、「日本を支えているのは中小企業とその経営者」と確信し、敬意を抱いている。『経営者会報ブログ』サイト編集部員も兼ねる。

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