酒井俊宏の「こんな社長さんに会ってきました!」 | 経営者会報 (社長ブログ)
「経営者会報ブログ」&「ニュートップリーダー」編集記者・酒井俊宏の「こんな社長さんに会ってきました!」
【取材日記】東光薬品工業 小林洋一さん
経営者会報7月号(7月1日発行予定)の
巻頭特集は「リスクを恐れない経営」です。
経営にリスクはつきもの、というわけで、
それを恐れることのないメンタル面、あるいはリスクをつかむ際の
ロジカルな分析力などを身につけるうえで、
経営者がもつべき姿勢や心構えについて
ヒントを示そうというものです。
この特集での事例にご登場いただいた、
東光薬品工業(東京都足立区)の二代目社長、小林洋一さんは、
非常にエネルギッシュなかたでした。
■東光薬品工業 ホームページ >>>
東光薬品工業は、規模的には大手ではありませんが、
立派な経営をしておられます。
同社は小林社長のお父上で現会長の晃二氏が創業。
湿布薬などの貼り薬、塗り薬を手がけ、
多くのメーカーにOEM供給しています。
その同社は1998年に畑違いといえた白血病の治療薬開発に着手。
2005年、完成した新薬・新規合成レチノイド(通称)が
国の承認を得ました。
こうした「ピカ新」=いわゆる画期的な新薬=の開発は
大手の独擅場で、同社のような従業員250名に満たない
中堅規模の会社ではほとんど例がないそうです。
なぜ例がないのか。
それはまさにリスキーだからです。
詳しくは、経営者会報7月号をご覧いただければと思いますが、
小林社長がそのリスクに怯まなかったのはなぜか、
ほんのちょっと、ご紹介します。
基礎的な研究は、東大薬学部の首藤紘一教授(当時)らの研究で
84年にはできあがっていました。
しかし、製品開発に名乗りを挙げる大手企業はありませんでした。
製造業に携わっておられる経営者の方は
よくおわかりかと思いますが、
この新薬を必要とする患者さんの絶対数が少なかったからです。
小林社長は次のように振り返ります。本誌記事から引用します。
「製薬会社であれば、どんなに規模が小さい会社で
あっても新薬開発を夢見るものです。ものづくりに
携わる人間としての矜恃もある。私たちの場合も、
人の命に直接関わる製品に携わりたいという気持ち、
病気に苦しむ患者さんに喜んでもらえるものを作り
たいという気持ちが強かった。ニッチなマーケット
でなら、国内の大手メーカーや外資系製薬会社に太
刀打ちできるという計算もありましたが、損得ばか
りを考えていたら、研究する先生方のご協力も得ら
れなかったと思います」
とはいえ、「ピカ新」の開発は審査を受けるだけでも、
その生産設備をすでに備えていなければならず、
数十億円もの費用がかかったといいます。
堅調に成長を続けてきた同社の年商は現在45億円ですから、
いかに大きな額かおわかりいただけると思います。
メインバンクにも思いとどまるように言われたそうで、
実際、経営の屋台骨を揺るがしかねない
挑戦だったといえるでしょう。
同社はこの研究で数々の賞を受賞します。
とりわけ、象徴的なのは、昨年、受賞された
東京商工会議所の『勇気ある経営大賞』でしょう。
お父上と小林社長、親子二人の
まさに「勇気ある」果敢な決断であり、
挑戦であったといえます。
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巻頭特集は「リスクを恐れない経営」です。
経営にリスクはつきもの、というわけで、
それを恐れることのないメンタル面、あるいはリスクをつかむ際の
ロジカルな分析力などを身につけるうえで、
経営者がもつべき姿勢や心構えについて
ヒントを示そうというものです。
この特集での事例にご登場いただいた、
東光薬品工業(東京都足立区)の二代目社長、小林洋一さんは、
非常にエネルギッシュなかたでした。
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東光薬品工業は、規模的には大手ではありませんが、
立派な経営をしておられます。
同社は小林社長のお父上で現会長の晃二氏が創業。
湿布薬などの貼り薬、塗り薬を手がけ、
多くのメーカーにOEM供給しています。
その同社は1998年に畑違いといえた白血病の治療薬開発に着手。
2005年、完成した新薬・新規合成レチノイド(通称)が
国の承認を得ました。
こうした「ピカ新」=いわゆる画期的な新薬=の開発は
大手の独擅場で、同社のような従業員250名に満たない
中堅規模の会社ではほとんど例がないそうです。
なぜ例がないのか。
それはまさにリスキーだからです。
詳しくは、経営者会報7月号をご覧いただければと思いますが、
小林社長がそのリスクに怯まなかったのはなぜか、
ほんのちょっと、ご紹介します。
基礎的な研究は、東大薬学部の首藤紘一教授(当時)らの研究で
84年にはできあがっていました。
しかし、製品開発に名乗りを挙げる大手企業はありませんでした。
製造業に携わっておられる経営者の方は
よくおわかりかと思いますが、
この新薬を必要とする患者さんの絶対数が少なかったからです。
小林社長は次のように振り返ります。本誌記事から引用します。
「製薬会社であれば、どんなに規模が小さい会社で
あっても新薬開発を夢見るものです。ものづくりに
携わる人間としての矜恃もある。私たちの場合も、
人の命に直接関わる製品に携わりたいという気持ち、
病気に苦しむ患者さんに喜んでもらえるものを作り
たいという気持ちが強かった。ニッチなマーケット
でなら、国内の大手メーカーや外資系製薬会社に太
刀打ちできるという計算もありましたが、損得ばか
りを考えていたら、研究する先生方のご協力も得ら
れなかったと思います」
とはいえ、「ピカ新」の開発は審査を受けるだけでも、
その生産設備をすでに備えていなければならず、
数十億円もの費用がかかったといいます。
堅調に成長を続けてきた同社の年商は現在45億円ですから、
いかに大きな額かおわかりいただけると思います。
メインバンクにも思いとどまるように言われたそうで、
実際、経営の屋台骨を揺るがしかねない
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同社はこの研究で数々の賞を受賞します。
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まさに「勇気ある」果敢な決断であり、
挑戦であったといえます。
(編集部・酒井俊宏)
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