大きくする 標準 小さくする


【取材日記】牛肉をめぐる冒険  (サカエヤ・新保吉伸さん)─3─

投稿日時:2009/11/09(月) 13:23rss

〈前回記事より続く〉

12月1日発行予定の、
ニュートップリーダー12月号の取材=牛肉をめぐる冒険、これで最後です。

サカエヤ・新保吉伸さんのご案内で、
生産農家の木下牧場さんにお邪魔させていただきました。

滋賀県近江八幡市にある同牧場さんまで、
新保さんの車に乗せていただき、帰りも草津駅まで
送っていただきました。
本当にお手数をおかけいたしました。

行きの行程尾では琵琶湖畔のカフェでランチを取ったりして、
ちょっと「いい旅 夢気分」みたいな道中でした。
といっても、男三人で湖畔に面したカウンターに陣取るのは、
少々、絵にならなかったかも・・・

木下牧場さんは、ご夫婦二人に娘さんたちでやっておられます。
ご主人の木下幸雄さんと、奥様の、その美さん。

ごしゅじん

おくさま

お二人ともに、新保さんと志が同じであることが
お話をお聞きして、すぐ理解できました。
エサから変える、という新保さんの、
業界ではまずあり得ないオーダーを承け、
挑戦を続けているご夫婦です。

取材のあとは、お二人のご案内で、
牛舎を見せていただきました。

ぼくじょういち

ぼくじょう2

五感で取材対象を体感することの大切さを改めて思い知らされた、
と前々回の記事で書きましたが、
この日は、私たちの「嗅覚」の出番でした。

都会育ちでない私は、いわゆる「家畜子屋」というのは
これまでの人生の中で、割合、見てきています。
しかし、木下牧場さんの牛舎は、それまでの、私がもっていた
常識を、わずかな時間で覆してしまいました。
全然、「臭くない」のです。

もちろん多少の動物臭はしますが、
牛舎に足を運んですぐ漂ってきたのは、
稲藁と、日なたの匂い。
よく手入れがされ、丹精込めて、
牛たちを育てていることが素人目にもわかります。

牛たちもいたって元気で、
放牧の時間になると、そわそわし出して、
ご主人の幸雄さんが、放牧場に通じる扉に手をかけると、
「もう待てない!」とばかりに、
牛舎の中を輪になってぐるぐると駆け回る。

牛がのそのそ歩いているのは見たことがありますが、
走る姿というのは、スペインの闘牛のシーンを
テレビで観たくらいで、初めての体験でした。

専門的なことは素人が書いて間違いがあってもいけないので、
詳しくふれるのはご容赦いただきたいと思いますが、
健康に育てられ、元気で体力もあることがわかります。

新保さんによれば、無理に太らされた牛では、絶対に無理だそうです。
そういう牛は、出荷前に絶命することもあるそうです。
いわゆる成人病ですね。

木下牧場さんの牛は、無理に肥え太らせたりはせず、
霜降りの牛でも、そうなる血筋を大事にしているそうです。

川上から川下まで、とはよくいわれることですが、
河口から源流まで遡ったような取材は
私としては、今回が初めてでした。

みなさまのご商売に「嘘がない」ことが
ごく自然に体感できました。

そして、われわれ人間は、他の生き物から命を分けてもらって生きていること。
そのことをよく理解して、大切に育てたり、
扱ったりしている人たちがおられて初めて、
私たちが安全で美味しい食べ物を口にできること──。
この旅で学ばせていただいたことは、とても一口には言えません。

新保さん、木下幸雄さん、その美さん。
ほんとうにありがとうございました。

大変勉強になった、10月の「肉の日」でした。



(編集部・酒井俊宏)





ひょうし0911
■人間を知り経営を学ぶ、中小企業経営者のブレーン『月刊ニュートップリーダー』
ご購読のお申し込みはこちら(見本誌の無料お取り寄せができます) >>>
■経営者会報ブログにご興味をおもちの方・入会ご希望の方はこちら >>>
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社 >>>

トラックバック一覧

コメント


ありがとうございます。

私たちの事を言葉に表して頂き感謝しております。
私たちの方こそ勉強させて頂きありがとうございます。牛さんも載せて頂きうれしいです。
ぜひ、また会いに来てくださいませ!お待ちしてます
これからも家族で“おいしい!”の言葉を頂けるよう頑張っておりますのでヨロシクお願い致します~(*^_^*)

Posted by 木下牧場そのちゃん at 2009/11/09 22:49:00 PASS:

すてきな牧場です!

そのちゃんさま



コメントいただきありがとうございます!
ほんとうにすてきな牧場ですね。
牛さんたちも幸せそうでした。

いろいろ勉強させていただきました。
副編集長の榎本も、感心しておりました。

経営者会報ブログも、
なにとぞご検討くださいませ。
わからない点は新保さんがなんでも
レクチャーしてくださると思います。

また改めまして、ご連絡さしあげます。
ありがとうございました!

Posted by 酒井俊宏 at 2009/11/10 09:32:00 PASS:
名前:
Eメールアドレス:
コメント:
ファイル

画像の英字5文字を入力して下さい。:
パスワード:

会社概要

詳細へ

個人プロフィール

『月刊ニュートップリーダー(L.)』(前身は「経営者会報」)編集部にて社長の取材記事を担当。十数年の間に800名以上の経営者に取材、多くの経営者に感銘を受けた経験から、「日本を支えているのは中小企業とその経営者」と確信し、敬意を抱いている。『経営者会報ブログ』サイト編集部員も兼ねる。

詳細へ

最近の記事

このブログの記事タイトル一覧(282)


<<  2024年11月  >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

コメント一覧

最新トラックバック

  • 「勝ち続ける会社をつくる起業の教科書」を参考にさせて頂いて講義を from フレキシブルチューブ、ベローズの三元ラセン管工業株式会社 高嶋 博 社長の日記
    恥ずかしいんですがリユース業の市場がこんなに大きく、それを扱う企業がまた大企業になっていることを、この本を読むまで知りませんでした。 株式会社トレンジャー・ファクトリー、東証1部上場で2017年2月期の売上高が132億円、店舗数142、従業員(正社員)511名、創業以来20年連続増収の会社の代表取締役社長の野坂英吾さん44歳がこの6月に日本実業出版社から、資金30万円から100億円企業を作っ
  • 熊本地震 「餃子の王国」の支援をお願いします。 from ベローズ 案内人
    熊本の双和食品工業㈱の高尾幸子社長さんは、私と同じ当初からの経営者会報ブログの会員さんです。 この双和食品工業株式会社さんの工場も熊本地震の被害にあいインフラが整うまでの間、工場が操業できず、ようやく工場が動くようになったそうです。 それまでの状況...
  • 熊本地震・双和食品工業【餃子の王国】さんを支援願います from (株)京都工芸【タオルはまかせたろ.com】 タオルソムリエ 寺田 元 の日記
    こんにちは。【タオルはまかせたろ.com】タオルソムリエの寺田です。 経営者会報ブログサロンを運営する事務局である日本実業出版社から 連絡が来たのは昨日のことである。 サロン立ち上げ初期の頃からブログで発信し続けておられる 双和食品工業株式会社の高尾幸子社長の会社が被災されたという情報が 回覧されたのだ。 熊本発のネット通販で餃子といえば 双和食品工業株式会社 さんで 熊
  • 「ネジザウルスの逆襲」と「吉田基準」の紹介 from フレキシブルチューブ、ベローズの三元ラセン管工業株式会社 高嶋 博 社長の日記
    大阪産業創造館が2013年から始めている、ものづくりの現場で働く若者を取り上げた「ゲンバ男子」が話題になり、幻冬舎から、この12日に40人の若者を紹介した「ゲンバ男子写真集」として発売になります。 我社の若者も紹介されています。 今日はその写真集ではなく日本実業出版社の新刊書2冊、どちらも自社の製品がなぜ売れ続けているのか? その秘密が書かれています。  一冊目は、「e製造業の
  • タビオ 越智直正会長講演 from 次代を創る製造業 特殊変圧器メーカー 治部電機株式会社 代表取締役 治部 健 (じぶけん)日記
     タビオ 越智直正会長の講演に出席しました。 経営者会報ブログ【取材日記】2009年1月19付でも紹介されていました。  現役で経営理念浸透にご尽力されている背景をリアルタ...