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【取材日記】ヱビナ電化工業 海老名伸哉さん

投稿日時:2010/04/16(金) 17:27rss

過日、弊誌・ニュートップL.4月号の取材、
「特集 デキる人材はトップ自ら採る!」
東京都大田区に本社を構える、
ヱビナ電化工業さんにお邪魔してきました。

お話をうかがったのは、
3代目社長の海老名伸哉さん。

お父上である先代・信緒さんが昨年末、急逝され、
伸哉さんは33歳で社長に就任しました。
大変失礼ながら、その若さでありながら、
実に堂々として、自社の事業を熱く熱く語る
非常にエネルギッシュなかたでした。


えびなしんやさん


■ヱビナ電化工業 ホームページ >>>


この特集は、大企業でなくとも
優秀な人材を採用している企業に
なぜそれが可能なのかをお聞きし
経営者のみなさまのご参考に供するものです。

人材育成はもちろん重要ですが、
それ以前に重要なのは、
どれだけ優秀な人材を採用できるか
(優秀、とは学業のことだけを言っているわけではありません、念のため)、
まずはそこなのではないかと思います。
しかしながら、そもそも中小企業には優秀な人材はこない、
と諦めてしまっているかたも多い。
本当にそうなのでしょうか。

一面、それは事実かもしれません。
でも諦めずに努力を続けている企業では
やはり、成果が上がっているのも事実です。

ヱビナ電化工業さんは、テレビ東京の
『カンブリア宮殿』などにも登場されていますので、
ご存じのかたも多いと思いますが、
優秀な技術系の女性を多く採用し、育てておられます。

↓海老名さんじきじきにご案内いただきました。
えびなさんしゃない

えびなさんに


詳しくは発売中の、ニュートップL.4月号を
ご覧いただければと思いますが、
海老名社長のご発言を一部、引用してご紹介します。

「本格的に新卒採用を始めたのは一〇年前。
以来、毎年五~七人の技術系社員を採用して
います。企業文化の醸成の面からも新卒から
育てるのが一番。本来は男女均等に採用した
いのですが、実力重視で選んだ結果、女性が
多くなってしまった」


なぜそうなるのか。

同社では、先代・信緒氏が主導し、
めっきの技術を、科学的にデータ解析することにシフトし、
従来の職人の勘と経験頼みを脱しています。

そのうえ、営業マンを置かず、
技術者が顧客企業と折衝するスタイルのため、
分析・解析装置を活用できて、
顧客企業に様々な提案ができる人材を求めています。
当然、コミュニケーション能力を重視することになります。

「技術者といえどもお客さんとコミュニケー
ションが取れなければ仕事になりません。と
ころがうちを受けに来る理系の男子学生はま
ともに話すことすらできない人が少なくない」


……ゆえに、結果的に女性が残るというわけです。
男である私は、ちょっと複雑な思いがしますが。

その女性たちの側に選ばれるのもわけがあります。
同社では新しく研究所を建てたり、
工場を改築する設備投資に加え、
パートさんがたくさん勤務しているからでもありますが、
食堂やトイレを拡張したり、ゆったりとお化粧のできる
洗面台を設置したりと、女性が働きやすい環境づくりを
心がけてきました。
一方で、海老名社長は、入社前に仕事を体験させる
インターン研修や、入社後も定期的に社員さんと
個別の面談をもって、悩みも聞いておられます。
そうした努力もあって、離職率も低いそうです。

仕事で高いレベルを求められ、
自分が成長できる会社であること、
環境面においても、
社員を大切にする姿勢のある会社だということが、
自ずと学生側にも伝わることでしょう。

つまりは、よい会社であることがまず先で、
あとは、嘘をつかず、そのことが伝わるよう
努力を重ねていく、ということが大切なように
思われます。

なお、26歳で入社した海老名社長は
先代さんから次のように言われ、
ずっと責任者として採用に力を注いでこられたそうです。

「これから長い間、お前と一緒に仕事をしていく
人たちなんだから、お前が人物を見なさい」


素晴らしいと思いました。

以下は、4月号の編集後記にも書いたことではありますが、
新人の採用は、スムーズな事業承継とともに
企業の「永続・発展」を期すうえで不可欠のものである以上、
承継を念頭に置きながら、自社の採用活動のあり方を考えるのは、
ごく自然なことなのではないか、と感じた次第です。

素晴らしい父、子、そして親子の関係が、承継にせよ、採用にせよ、
その成功の要因であることを思わずにはいられませんでした。

海老名さん、ありがとうございました。


(編集部 酒井俊宏)




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『月刊ニュートップリーダー(L.)』(前身は「経営者会報」)編集部にて社長の取材記事を担当。十数年の間に800名以上の経営者に取材、多くの経営者に感銘を受けた経験から、「日本を支えているのは中小企業とその経営者」と確信し、敬意を抱いている。『経営者会報ブログ』サイト編集部員も兼ねる。

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