酒井俊宏の「こんな社長さんに会ってきました!」 | 経営者会報 (社長ブログ)
「経営者会報ブログ」&「ニュートップリーダー」編集記者・酒井俊宏の「こんな社長さんに会ってきました!」
【取材日記】ニコリ 鍜治真起さん
先月末、ニュートップL.5月号の
特別記事『海外で、売る!』の取材で
ニコリ社長の鍜治真起さんに、
お話をうかがってきました。
鍜治さんは日本国内よりも、
むしろ海外で著名なかたかもしれません。
鍜治さんが命名し、新たな命を吹き込んだといえる
パズル『数独』は世界109か国に広まり、
各国で出版物が刊行されるほか、
新聞や雑誌でも日々、掲載されています。
鍜治さんは世界中の愛好者から
“数独の父”と呼ばれ、敬愛されているのです。
その鍜治さんに、企業が海外進出するさいの
要諦について、お話をうかがってきわけですが、
豪快で、かつ爽やかなお人柄に、
すっかり魅了されてしまった次第です。
■ニコリ ホームページ >>>
くわしくは、5月1日発売予定のニュートップL.5月号を
ご参照いただければ幸いですが、ちょっとだけ、ご紹介します。
「数独」の原型は1979年にアメリカで生まれた
「ナンバープレイス」というパズルです。
しかし、当時は誰もこのパズルに注目せず、
鍛治社長が84年、偶然、手にした
アメリカのパズル雑誌で見つけた
ナンバープレイスに興味をもち、スタッフや、
後述する「作家」やファンとともに進化させてきました。
鍜治さん自身、次のように語るほどの人気なのです。
「外国の空港の売店ではどこでも数独コーナー
がありますし、ブリティッシュ・エアウェイズ
の全コックピットでは数独禁止令が出るほど乗
務員が熱中して困っているらしいですよ」
「数独」という名称は、鍜治さんが考えました。
1から9までの数字しか使わないパズルなので
「一ケタ数字→シングル→独身」という連想で、
「数字は独身に限る」……
それが縮まって「数独」になったというわけです。
ニコリでは季刊『パズル通信ニコリ』を八〇年から発行。
これは、パズルファンの投稿で成り立っています。
投稿者は全国に2000人ほど、
常連が500人ほどいるそうです。
優れた問題をコンスタントにつくれるようになると、
「作家」と呼ばれるようになり、社員さんも作家出身者が大半。
ニコリのパズルは紙と鉛筆を使って考えられているのが大きな特長で、
パソコンで自動的に作る、他社のものとはまったく違うそうです。
パズルといえど、手間暇をかけた日本的ものづくりを
貫いていることが、多くのファンの心をつかみました。
海外進出の要諦については、
鍜治さんは次のように語ります。
「海外企業との契約は、フレンドリーシップで始
めるとパートナーシップまでもっていくのにエネ
ルギーがいる。最初からパートナーシップを結び、
企業間の信頼関係を高めることが大切です」
とくにアメリカなどでは、契約は収益のみならず、
想定しうるリスクをどのように分担するか、も
問われるそうで、互いに繁栄しよう、という
パートナーシップが求められるそうです。
それにしても、海外経験豊富な鍜治さんのお話は
大変ユニークで、目を瞠るようなお話をたくさんうかがうことができました。
たとえば、こんな話です。
「海外では先方企業で初めて商談する際、数十分、
社長室などで待たされることがある。非礼でそう
しているのではなく、そうしたスペースには社長
その人を物語る、書籍や趣味のものなどが置いて
あり、それを見て、人となりを知り、フレンドリ
ーになる手がかりをつかんで欲しい、という意味
があるそうです」
「海外のメディアは、『皇太子家の問題について
どう思うか』など仕事に関係ない分野でも日本の
ことについてコメントを求められる。一番違うの
は、海外では話したことを、聞いたままを記事に
してしまう。日本の場合、新聞社にせよ出版社に
せよテレビ局にせよ、一つの番組、記事をともに
つくる、という目的意識を共有できることが多い。
だから“適当”にしゃべっても、ちゃんと記事に
してくれる、という安心感がある」
どちらがよいのかはさておき、メディアの世界でも
なにやら日本的な特徴があるようですし、
どこか職人的なところは、
やはり失ってはならない部分であるように思った次第です。
このほかにも、競馬好きな鍜治さんは、
海外で趣味を問われて、そう答えると、
「馬は何頭もっているんだい」とか
「馬の買い付けにいくなら紹介するよ」などと言われたこともあるそう。
単にギャンブル扱いの日本と違って、英国などでは
紳士の、大人の楽しみという扱いで、競馬好き、というと、
「さすがは……」という反応になるのだそうです。
とにかく、面白いお話のオンパレードで
記事にできないのがほんとうにもったいないくらいでした。
鍜治さん、楽しい取材で、大いに勉強になりました。
ありがとうございました。
■人間を知り経営を学ぶ、中小企業経営者のブレーン『月刊ニュートップリーダー』
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特別記事『海外で、売る!』の取材で
ニコリ社長の鍜治真起さんに、
お話をうかがってきました。
鍜治さんは日本国内よりも、
むしろ海外で著名なかたかもしれません。
鍜治さんが命名し、新たな命を吹き込んだといえる
パズル『数独』は世界109か国に広まり、
各国で出版物が刊行されるほか、
新聞や雑誌でも日々、掲載されています。
鍜治さんは世界中の愛好者から
“数独の父”と呼ばれ、敬愛されているのです。
その鍜治さんに、企業が海外進出するさいの
要諦について、お話をうかがってきわけですが、
豪快で、かつ爽やかなお人柄に、
すっかり魅了されてしまった次第です。
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ご参照いただければ幸いですが、ちょっとだけ、ご紹介します。
「数独」の原型は1979年にアメリカで生まれた
「ナンバープレイス」というパズルです。
しかし、当時は誰もこのパズルに注目せず、
鍛治社長が84年、偶然、手にした
アメリカのパズル雑誌で見つけた
ナンバープレイスに興味をもち、スタッフや、
後述する「作家」やファンとともに進化させてきました。
鍜治さん自身、次のように語るほどの人気なのです。
「外国の空港の売店ではどこでも数独コーナー
がありますし、ブリティッシュ・エアウェイズ
の全コックピットでは数独禁止令が出るほど乗
務員が熱中して困っているらしいですよ」
「数独」という名称は、鍜治さんが考えました。
1から9までの数字しか使わないパズルなので
「一ケタ数字→シングル→独身」という連想で、
「数字は独身に限る」……
それが縮まって「数独」になったというわけです。
ニコリでは季刊『パズル通信ニコリ』を八〇年から発行。
これは、パズルファンの投稿で成り立っています。
投稿者は全国に2000人ほど、
常連が500人ほどいるそうです。
優れた問題をコンスタントにつくれるようになると、
「作家」と呼ばれるようになり、社員さんも作家出身者が大半。
ニコリのパズルは紙と鉛筆を使って考えられているのが大きな特長で、
パソコンで自動的に作る、他社のものとはまったく違うそうです。
パズルといえど、手間暇をかけた日本的ものづくりを
貫いていることが、多くのファンの心をつかみました。
海外進出の要諦については、
鍜治さんは次のように語ります。
「海外企業との契約は、フレンドリーシップで始
めるとパートナーシップまでもっていくのにエネ
ルギーがいる。最初からパートナーシップを結び、
企業間の信頼関係を高めることが大切です」
とくにアメリカなどでは、契約は収益のみならず、
想定しうるリスクをどのように分担するか、も
問われるそうで、互いに繁栄しよう、という
パートナーシップが求められるそうです。
それにしても、海外経験豊富な鍜治さんのお話は
大変ユニークで、目を瞠るようなお話をたくさんうかがうことができました。
たとえば、こんな話です。
「海外では先方企業で初めて商談する際、数十分、
社長室などで待たされることがある。非礼でそう
しているのではなく、そうしたスペースには社長
その人を物語る、書籍や趣味のものなどが置いて
あり、それを見て、人となりを知り、フレンドリ
ーになる手がかりをつかんで欲しい、という意味
があるそうです」
「海外のメディアは、『皇太子家の問題について
どう思うか』など仕事に関係ない分野でも日本の
ことについてコメントを求められる。一番違うの
は、海外では話したことを、聞いたままを記事に
してしまう。日本の場合、新聞社にせよ出版社に
せよテレビ局にせよ、一つの番組、記事をともに
つくる、という目的意識を共有できることが多い。
だから“適当”にしゃべっても、ちゃんと記事に
してくれる、という安心感がある」
どちらがよいのかはさておき、メディアの世界でも
なにやら日本的な特徴があるようですし、
どこか職人的なところは、
やはり失ってはならない部分であるように思った次第です。
このほかにも、競馬好きな鍜治さんは、
海外で趣味を問われて、そう答えると、
「馬は何頭もっているんだい」とか
「馬の買い付けにいくなら紹介するよ」などと言われたこともあるそう。
単にギャンブル扱いの日本と違って、英国などでは
紳士の、大人の楽しみという扱いで、競馬好き、というと、
「さすがは……」という反応になるのだそうです。
とにかく、面白いお話のオンパレードで
記事にできないのがほんとうにもったいないくらいでした。
鍜治さん、楽しい取材で、大いに勉強になりました。
ありがとうございました。
(編集部 酒井俊宏)
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