大きくする 標準 小さくする
前ページ 次ページ

2007年09月20日(木)更新

【ブログピックアップ】京都工芸・寺田元さん

「ブログピックアップ」のコーナーでは、
経営者のみなさんの書かれたブログの中から、
お薦めのブログをご紹介していきます。

今回のお薦めブログは、
京都工芸の寺田元さんです。
 
 *      *      *

こんにちは。【タオルはまかせたろ.com】京都工芸の寺田です。
毎日9月半ばというのに暑い日が続いております。
近隣の柿が暑いためか実がならないとか・・・。
とはいえ、秋の行事は目白押しです。
運動会が今年は長男・次男・地域全て日程が重ならず、全て参加予定です。

(続きはこちら)>>>
http://makasetaro.keikai.topblog.jp/blog/119/10006033.html

 *      *      *
 
寺田さんのブログは何を書かれても、
ご本人の熱く、真摯なお人柄が伝わってきます。
写っている方すべてが楽しそうな写真を見て、
他の会員のみなさまにもぜひご紹介したくなった次第です。
 
それにしても、寺田さんはすべてにおいて全力投球なのですね。
そのエネルギーに感服致しました。

(編集部・酒井俊宏)



keikai09
■中小企業経営者のための羅針盤『月刊経営者会報』
ご購読はこちら>>>
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社
http://www.njg.co.jp/

2007年09月14日(金)更新

【ブログピックアップ】クロスメディア・コミュニケーションズ 雨宮和弘さん

「ブログピックアップ」のコーナーでは、
経営者のみなさんの書かれたブログの中から、
お薦めのブログをご紹介していきます。

今回のお薦めブログは
クロスメディア・コミュニケーションズの雨宮和弘さんです。
 
 *      *      *

頑張って最高級のオフィスチェアを買ったわたしだが、なぜこの
椅子に座らなくなったかというと、それは腰痛対策で、この椅子
が原因というわけではないのだが、そもそも座り仕事が続くと
ぎっくり腰を誘発しやすくなってしまっていたのだ。
その対策の意味もあって、3年前からバランスボールにすわって
仕事をするようになった。

(続きはこちら)>>>
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/102/10005961.html

 *      *      *
 
ご本人は「うんちく」とご謙遜されますが
雨宮さんのこだわりと観察眼の鋭さが伝わってきます。
 
こうしたテーマ(モノ、製品)で書かれると、
当然ながら、社長のみなさんの審美眼や価値観など
パーソナリティが漂いますね。
 
ところで、バランスボールが破裂したとき、
雨宮さんは腰を掛けておられたのか、
そこがどうにも気になって仕方がありませんでした。

(編集部・酒井俊宏)



keikai09
■中小企業経営者のための羅針盤『月刊経営者会報』
ご購読はこちら>>>
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社
http://www.njg.co.jp/

2007年09月07日(金)更新

【取材日記】エーワン精密・梅原勝彦さん

先日、経営者会報本誌『異能経営者がゆく!』(10月号)の取材で、
東京・府中市に本社を構えるエーワン精密さんにお邪魔してきました。
お相手は創業経営者の梅原勝彦さん。

同社は、なんと創業以来、40年にもわたって
売上高経常利益率35%以上という凄い会社です。
2003年にはジャスダック市場での
株式上場も果たしています。

■株式会社エーワン精密>>>
http://www.a-one-seimitsu.co.jp/

二代目、三代目の経営者の方々には大変失礼ながら、
経験上、お話が面白いのは、やっぱり創業者です。

みなさん歯に衣着せず、豪快で、言いたいことをおっしゃる割には、
一種の愛嬌を感じさせ、しかも誰も傷つけない(ように思える)のは、
一体どうしてなのか。

梅原さんも大変魅力的な方でした。
どうですか、この素晴らしい笑顔。

umeharasan

梅原さんの座右の銘は「人間本来無一物」。

自分でつくった会社だから、
仮に潰れてしまっても、もともと何もなかったんだから、
振り出しに戻っただけ──
そんな“肚の坐り”が漂ってきます。

梅原さんの座右の銘をお聞きして、
多くの創業経営者に共通する魅力の源もまた、
“肚の坐り”や“覚悟”にあるのでは、と思いました。

12歳(!!)のときから、この世界に身を置いてきたと語る
梅原さんの経営は非常に独創的です。

この取材のときも、

「景気が悪いときや会社が苦しいときこそ設備投資をする」
「社員に言葉でメッセージは送らない」
「組織図はいらない。リーダーは自然に決まる。猿山のボスと一緒」

といった刺激的なフレーズをしばしばお聞きしました。
もちろん、きちんとした論理的な裏付けがあってのご発言です。

コレットチャックという特殊な部品を製造・販売する同社では、
最速で、受注した翌日に納品するという
超スピード体制を取っており、
取引企業から高い評価を得ています。

同業他社では受注から納品まで一週間はかかるのが普通で、
納期に間に合わせられない同業他社から
仕事が回ってくることも多いそうです。

どうしてそんな超短納期が可能なのか。

一つには、ありきたりなIT化はせずに、
ファクシミリと電話で受注し、顧客からの送信票を
ほぼそのまま現場に回していることにあります。
事務系の方々を含め、全社員が応対できるレベルにあることが
このオペレーションを可能にしています。

もう一つ。実は、顧客の要請に応えられる「半完成品」を
在庫としてもっていて、
最後の仕上げにじっくり時間をかけて完成させているのです。

ただし、梅原さんは、同社の成長の要因は、
「社員がみんな頑張ってくれるから」だとおっしゃいます。
「本当に感謝しています」とも……。

たしかに、いくら効率的な体制を整えようと、
いや、整えれば整えるほど、社員への負担は増すでしょう。

となると、仕組みを整えるだけではなく、
負担が増しても頑張ってくれる社員の存在が
必要不可欠といえます。
そして、そのモチベーションを引き出すのは、
やはりトップの仕事なのでしょう。

梅原社長はいかにしてそれを引き出したのか。
そして、十分資金調達にゆとりがありながら、
なぜ上場を目指したのか──。

ここから先は、10月1日発売予定の『月刊経営者会報』10月号を
ぜひ、お手に取っていただければと思います。

(編集部・酒井俊宏)



keikai09
■中小企業経営者のための羅針盤『月刊経営者会報』
ご購読はこちら>>>
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社
http://www.njg.co.jp/

2007年09月07日(金)更新

【ブログピックアップ】ハタノシステム・波多野容子さん

「ブログピックアップ」のコーナーでは、
経営者のみなさんの書かれたブログの中から、
お薦めのブログをご紹介していきます。

今回より、「編集部ブログ」ではなく、
私=酒井のブログで綴って参ります。
よろしくお願い致します。

(過去のピックアップ記事はこちら)>>>
http://editors.keikai.topblog.jp/blog/b/index.html

今回のお薦めブログはハタノシステムの波多野容子さんです。
「明大生との毎週一問百答」にお答えいただきました。
 
 *      *      *

以前我が社に勤めていた仲間から、
地元釧路の新鮮な秋刀魚が今年も沢山送られて来ました。

彼は毎年送ってくれるので
最近のニュースで報じられている「秋刀魚大漁」の映像を見て
実は、みんな秘かに楽しみにしていたようです。

女性陣が早速昨年も使用したビニール手袋を取り出し、ニコニコ袋詰めを致しました。
昨晩は秋刀魚の刺身や塩焼きが、各家庭の食卓を賑わしたことでしょう。

これからお答えする 明治大学商学部 石黒美帆さんからのご質問にも繋がるので、先ずは我が社の昨日のトピックス「旬の秋刀魚」について、お知らせしました。

(続きはこちら)>>>
http://yohko.keikai.topblog.jp/blog/10005898.html

 *      *      *
 
石黒さんのご質問も素晴らしいのでしょう。
他にも、以下の方々がお答えいただいています。

◎サワダ製作所・澤田浩一さん>>>
http://sawada.keikai.topblog.jp/blog/102/10005886.html
◎コクホー・庄山悟さん>>>
http://kabankokuho.keikai.topblog.jp/blog/102/10005891.html
◎京都工芸・寺田元さん>>>
http://makasetaro.keikai.topblog.jp/blog/b/10005895.html
 
商品、サービスを語らずに自社を語る──。
それは、波多野さんを始め、お答えいただいたみなさまのような
理念や使命感をしっかりともっておられる方だけが
語れることなのではないかと思いました。

(編集部・酒井俊宏)



keikai09
■中小企業経営者のための羅針盤『月刊経営者会報』
ご購読はこちら>>>
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社
http://www.njg.co.jp/

2007年08月29日(水)更新

忘れられない夏の思い出 沖縄・竹富島へ行ってきました! ─3─

からの続き)

竹富島の魅力はなんといっても
集落の美しさにあるでしょう。

司馬遼太郎さんの『街道をゆく 沖縄・先島への道』
(朝日文庫 91、92ページ)から
ちょっとだけ引用させていただきます。

 やがて集落に入った。
 集落はじつに美しい。本土の中世の村落のように
条理で区画され、村内の道路はサンゴ礁の砂ででき
ているために、品のいい白味を帯び、その白さの上
に灰色斑(はいいろまだら)ともいうべきサンゴの
石垣がつづき、そのぜんたいとして白と灰色の地の
上に、酸化鉄のような色の琉球瓦の家々が夢のよう
にならんでいるのである。
               

なごみ

これは島で一番背の高い構築物といわれる
「なごみの塔」のてっぺんから撮りました。

こうした集落を形作る家々はどうなっているかというと、
門を広く開け、その内側に下の写真のような、
半開放的な「ひんぷん(漢字は「屏風」)」という
仕切りを設けています。

竹富島だけではなく
沖縄の伝統的な家屋に見られる構造だそうです。

ひんぷん

こちらは花や木のひんぷん。なんだか素敵ですね。

ひんぷん2

閉じているようで閉じておらず、
町と住まいが一体化しつつ、仕切られてもいます。

町並み全体から、美しさが立ちのぼってくるように感じられるのは、
この「ひんぷん」によるところも大きいのではないかと思いました。

もちろん、町並みの美しさが保たれているのは、
住民のかたがたの努力に尽きます。
毎朝、自宅の前の道を掃き清めるのが、全島民の日課だそうです。

さらに、昔風ではない、ちょっと遊び心のあるシーサーを
屋根に乗せた家もあって、町の華やぎに一役買っています。

シーサー

さて、有名な「星の砂」が採れる
カイジ浜(別名星砂浜)にも足を運びました。

あんまり観光客が採ってしまうものだから
肝心の星砂が減っているそうです。
なので、てのひらに乗せて写真に収めるだけにしました。

すな

竹富島は、石垣島から日帰りで渡る観光客が多く、
そうした方はレンタル自転車で動くようですが、
私たちはそれはせず、ひたすら歩きました。

夜になると、どこからともなく三線の音が流れてきます。
本土とは違った時間の流れ方を感じました。

島の伝統や美観を守ろうという美意識にあふれた
誇り高い人々が文化的に暮らす一方で、
近くの西表島ほどではないけれど、自然も豊か。

持参したコンパクトデジカメのキャパと私の腕の問題とで、
残念ながら写真に収めることはできませんでしたが、
ばさばさと羽ばたくオオコウモリ(翼を広げると1メートル超)に
遭遇して腰を抜かしかけたり、目の前を珍しいセマルハコガメが
横切ったり。
綺麗なオレンジ色をしたカワセミの仲間、
リュウキュウアカショウビンの声で朝、目覚めたりもしました。

竹富島のよさは、日帰りではなく
泊まってみて、そして歩いてみてこそ、
感じることができると断言します。

旅に出ると、どんな土地でも名残り惜しくなるほうですが、
来年も再来年も来てみたい、
そして、できればいつか、ここで暮らしてみたい……
とまで思ったのは、本当に初めてのことでした。

(編集部・酒井俊宏)



keikai
■中小企業経営者のための羅針盤『月刊経営者会報』
ご購読はこちら>>>
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社
http://www.njg.co.jp/

2007年08月28日(火)更新

忘れられない夏の思い出 沖縄・竹富島へ行ってきました! ─2─

からお読み下さい)

前回からの続きです。

海

竹富島で唯一の海水浴場、コンドイビーチです。

私はここで三日間、ずっとシュノーケリングにはまっていました。
潜って水中メガネで見渡すと、
向こう10メートルくらいまでくっきり見える感じ。
鮮やかな色合いの魚たちが群れていました。

エメラルドグリーンの海は遠浅で、
子供を遊ばせるのにも安全だと
八重山諸島でも屈指の人気ビーチになっています。
この時間は朝で、まだ海水浴客は稀でした。

うっすらと奥に見えるのが西表島。
手前に見えるのがNHKドラマ『ちゅらさん』の舞台となった小浜島です。

昼になるとビーチはこんな感じでにぎわいます。

ビーチ2

売店はこのワゴン車のみというのが素晴らしい。
シュノーケリングの道具や浮き輪もここで借りられます。

海も満喫しましたが、
何と言っても沖縄はごはんがうまい!

3連泊した高那旅館の食事は最高でした。
これは2日目に出た石垣牛のステーキ。
変に霜降りじゃないのがまたよかったりします。

にく

ちょっとエビスヤの山岸さんのブログを意識して撮ってみました。
山岸師匠、いかがでしょう?


えび

これは3日目の夕食に出た、車エビのフライ。

実は竹富島は、車エビの養殖で知られています。
養殖ものとしては最高級との評価を受けていて
東京の料亭にも入るそうです。

なぜ車エビが名物になったのか。
実は、これといった産業のなかった島に事業を起こして
少しでも過疎化を食い止めようと、
島の顔役である上勢頭(うえせど)保さんという方が
車エビ養殖会社「竹富エビ養殖」を立ち上げられたそうです。
島の南側に養殖場があります。

上勢頭さんは、雇用を生み出して人を増やさないと、
伝統ある祭りもいつか途絶えてしまう──
そんな思いから起業されたそうです。

以上は、旅に出る前に新聞記事で知りました。
とてもいいお話だと思います。

>>>
http://www.yomiuri.co.jp/tabi/domestic/foodki/20061010tb01.htm

ぷりっぷりの美味しいエビを堪能したら、
この記事のことを思い出しました。

仕事を忘れて過ごすつもりが、
近いうちに、また竹富島へ来て、
この会社に取材でお邪魔してみたい気持ちになりました。

こういう心意気というか、志のある方は尊敬しますし、大好きです。
加藤編集長、出張OKですよね? 駄目かな……。

まだまだ書ききれず、次回も沖縄です。(へ続く)

(編集部・酒井俊宏)



keikai

■中小企業経営者のための羅針盤『月刊経営者会報』
ご購読はこちら>>>
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社
http://www.njg.co.jp/

2007年08月24日(金)更新

忘れられない夏の思い出 沖縄・竹富島へ行ってきました! ─1─

19日から22日まで、
家内と二人で沖縄・竹富島あたりを旅していました。

竹富島は、八重山諸島の石垣島から
フェリーで10分少々のところにある、周囲約9キロしかない、
珊瑚礁が隆起してできた小さな島。
人口も300人ほどだそうです。

以前、この島の集落の美しさを絶賛する
司馬遼太郎さんの『街道をゆく 沖縄・先島への道』の記述を読んでから、
いつかは訪れたいと思っていた島で、ようやく念願が叶いました。

裏方の私の旅の話など載せるのもどうかと躊躇しましたが、
あまりにも素晴らしい島だったので、どうかご勘弁ください。

宿は3泊とも『高那旅館』さん。
司馬遼太郎さんも泊まったそうで
そのときの模様も『街道をゆく』に記されています。

ちゃ

高那旅館さんは、ウェルカムドリンクで迎えてくださいました。
お茶は『さんぴん茶』。
ジャスミン茶みたいな味の沖縄のお茶です。

なお、この島には鉄筋造のホテルなどは一軒もありません。
島の人々の申し合わせによって、
自宅を改装した民宿が十数軒あるのみです。

同じく申し合わせで、
島民か、島に永住したいという人以外には
土地を売らないという取り決めがあり、
島の景観をみなさんで守っておられるそうです。

うし

島を一周する『水牛車』。竹富島の名物です。


まち

メインの通りからはずれるとこんな感じです。


ばなな

こんなふうに、「島バナナ」があちこちで実っていました。

まだまだたくさん、お見せしたいところがありますので、
何回かに分けて書きます。(へ続く)

(編集部・酒井俊宏)



keikai

■中小企業経営者のための羅針盤『月刊経営者会報』
ご購読はこちら>>>
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社
http://www.njg.co.jp/

2007年08月15日(水)更新

こんな経営者にお会いしてきました ─セコム創業者・飯田亮さん─

数年前、経営者会報の対談記事でお会いし、
そのあとも何度か取材をさせていただいた
セコム最高顧問の飯田亮さん
抱いていたイメージ通りの
とてもダンディな方でした。

1933年のお生まれですので、対談当時、
すでにお年は70を超えてらしたはずですが、
背筋はぴんと伸び、ほほえみを絶やさない。

その対談中、
飯田さんは、ご両親に温かくも厳しく育てられた
思い出を話しておられました。曰く、


「幼い頃、父に連れられて外出したときなど、
駅で疲れてしゃがみこもうとすると、父から
『しゃがむんじゃない。しゃがんでいる人を
見てごらん。恰好悪いだろう』と叱られまし
た。母は、私がため息をついたときには必ず
『ため息をついてはいけない』と厳しく諭す。
不思議なもので、そんなふうに躾けられてい
るうちに、ため息をつかなくなりました」


しゃがむのもため息をつくのも、
その行為がさらに自分の心理に影響して、
余計にマイナス思考になるように思います。
まったく及ばないながら、
私もこのお話を聞いてちょっと実践しようと思った次第です。

さて、対談前、早めにお越しになった飯田さんは、
当社でカメラを担当しているS君(現在40歳)に対してしきりと話しかけ
ふと私が気づくと、
「ほお、Sさんは猫がお好きですか。猫は可愛いよね」
などと会話が弾んでいました。

さらに驚いたのはこのあとです。
S君はそれ以前に一度、飯田さんの取材で撮影をさせていただいたことがあり
この対談の時は新婚ほやほや。

飯田さんは、彼の左手の指輪を見るなり、
「君、ご結婚なさったの?」
彼が「はい」と、おのろけ顔で言うと、間髪入れず
「そうか、それはおめでとう」
と祝福してくださったのです。

普通は事務方にはあまり話しかけたりしないのが、このクラスの人ですが
飯田さんは分け隔てはなさらない。そこにスケールの大きさを感じました。

一方で、一度しか会っていない事務方を覚えており、
しかも指輪のことまで見ている注意力と記憶力にも驚きました。
『大物』というと、細かいことにはかまわない、豪快な人を想像しがちですが
本当の大人物は、実は濃やかなのかもしれません。

だからこそ、周囲の人を魅了し、自ずと事業が育っていくのではないか。
そんなことを感じました。

     *        *        *

こんな形で、今後も、過去お会いした、立派な経営者のお話を、
ときどき書いていきたいと思っています。お目通しいただけたら
幸いです。


■セコム株式会社>>>
http://www.secom.co.jp/

(編集部・酒井俊宏)



keikai
■中小企業経営者のための羅針盤『月刊経営者会報』
ご購読はこちら>>>
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社
http://www.njg.co.jp/

2007年08月01日(水)更新

取材日記─番外編─ 出雲・石見は“神々の国”でした

前回、前々回に書いた通り、
先週、中村ブレイス社長・中村俊郎さんの取材で
出雲・石見へ行ってきました。
(記事は経営者会報9月号に掲載されます)

帰りの便まで、けっこう時間が空いてしまい、
少し一人で見て回るつもりだったのですが、
取材に同行してくださった地元のカメラマン・Dさんが、
非常に気さくな、ホスピタリティに溢れたかたでした。

「せっかくですから、ご案内しますよ」とおっしゃって
石見銀山から、出雲大社、日御碕(ひのみさき)、
さらに荒神谷遺跡まで、ご案内してくださったのです。
(一度は固辞したのですが…)

私自身、島根県は初めてということもあって新鮮な旅でした。
素人写真で恐縮ですが、行く先々で撮った写真をご覧下さい。


出雲大社
(出雲大社・構図が駄目ですね…)


日御碕
(日御碕)

日御碕は名勝として知られています。
カメラマンD氏は
「(宮城の)松島よりも日御碕のほうが綺麗でしょ」
と言っておられました。
実際、ちょっと見たことのない景色です。
このあたりでは、美味しいイカが獲れるそうです。


ワイナリー
(島根ワイナリー)

存じませんでしたが、出雲は実はぶどうの産地でもあります。
40ン年生きているのに、
実に知らないことばかりだなと思いました。

さて、一番びっくりしたのは帰りぎわに空港の近くで見た
この築地松(ついじまつ)です。


築地松
(築地松・車中から撮影)

お屋敷の風よけとして、近隣の斐伊(ひい)川流域の古い農家には
たいがい、この松でつくられた大きな生け垣があったそうです。
出雲地方でしか見られないもので
実際、私は初めて見ました。

空港に降りたったときは、うかつにも取材先の資料を車中で眺めていて
気づきませんでした。
逆の方向から来たために気づかなかったのもありますが、
やはりせっかく知らない土地に来ているのだから、
もっときょろきょろすべきだったと後悔した次第です。

このお宅のものは、綺麗に手入れされていますが
なかには手入れが行き届いていないお宅もあります。
松食い虫の駆除のためのクスリが高価なのと、
剪定できる職人さんが減っていることなどから
どんどん減少しているみたいです。

写真には撮りませんでしたが、出雲空港前の道路には、
街路樹のようにして、この築地松が植えられ
よく手入れされていました。

「地元では皆で官民挙げて保存に努めていますが、
いつか、ここ(空港)にしか残らない、
なんてことになってしまうかもしれません」
とカメラマンD氏が寂しそうにつぶやきました。

出雲大社を守る千家(せんけ)家や北島家の方が、
それこそ神代の昔に家系を遡れることに象徴される通り、
神々の国、と言われる出雲地方ですが
初めて訪れた私も、そんなたたずまいを感じました。

それはきっと、
地元を愛し、地元の美観を守っていこうという人たち──
中村ブレイス・中村社長のように、石見銀山の保護に努めた方や
この築地松を残そうと頑張っておられる方たち──が、
数多くおられるからでもあるでしょう。

その方たちの存在もまた、
“神々しい”と表現しても差し支えないのではないか。
そんなことを思いながら、出雲をあとにしました。

(編集部・酒井俊宏)




keikai

■中小企業経営者のための羅針盤 月刊経営者会報
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社
http://www.njg.co.jp/

2007年07月30日(月)更新

取材日記 中村ブレイス 中村俊郎社長 ─2─

(から読んでください)

企業の社会貢献とは、まず、サービスや商品など、
本業そのもので貢献することでしょう。
そしてきちんと利益を上げて納税し、雇用を維持、創出する。

それだけで十分に社会に貢献しているわけですが、
中村社長の場合、そのレベルにとどまりませんでした。

なんと約30年にもわたって、後継者が都会に出てしまうため、
廃屋になりかけた近隣の家々を私財を投入して買い取り、その数、実に
30軒以上。年商に近いくらいの額を投資してきたそうです。
それらの家を修繕して社員寮や工場に活用したりと
保存に努めておられます。

中村社長自身、知事からの要請も受けて、県の教育委員長も務め
「世界遺産を目指す会」の理事にも就任。
そして数年間の活動を経て、今年の7月2日、めでたく正式に
石見銀山の世界遺産への登録が決まりました。
「登録延期」勧告を覆しての登録はほとんど前例がないそうです。

中村社長は「町民や県民の皆さんや、ユネスコ日本政府代表部の
近藤誠一特命全権大使など、関係者の方々の努力のお陰です」と
おっしゃいます。

私も取材のあとで、周辺を回ってみました。
なるほど、こんなところで育ったら、郷土愛も湧くなあ、
と思わせられる、よいところでした。
下手な写真で恐縮ですが、ご覧下さい。


代官屋敷
(代官屋敷跡・現在は石見銀山資料館)



町並み
(旧大森町の町並み)



羅漢
(五百羅漢の入り口)



ちなみに、取材を終えた26日の午後は、中村社長が後援会長を
務める地元の大田高校野球部が県ベスト4に進出、
強豪・江の川高校(中日ドラゴンズ・谷繁選手の母校)
との準決勝があり、これから応援に向かうとのお話でした。
(残念ながら3対2で惜敗)

奥様にもお話をうかがいましたが、
中村社長は大田高校の応援となると、
そのソフトなルックスから想像もつかないくらい熱くなるそうで
太鼓や鉢巻きも自前のものをもって駆けつけるそうです。

郷土への深い愛情と誇り──。

世界遺産登録にしても、
中村ブレイスというスモールトップ企業の存在も、
成功の要因を一つだけに絞るなら、
中村社長の地元への深い愛情に尽きるでしょう。

中小企業の経営者、というより、一人の人間には、
これほどのことができるということに深く感じ入った次第です。
大きな感銘を受けた取材でした。

中村社長、奥様、写真撮影に快く応じてくださった社員の皆様、
本当にありがとうございました!

■中村ブレイス株式会社
■過去の取材日記はこちら…


(編集部・酒井俊宏)




keikai

■中小企業経営者のための羅針盤 月刊経営者会報
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
■ライフ&ビジネスアドバイザー 日本実業出版社
http://www.njg.co.jp/
«前へ 次へ»

会社概要

詳細へ

個人プロフィール

『月刊ニュートップリーダー(L.)』(前身は「経営者会報」)編集部にて社長の取材記事を担当。十数年の間に800名以上の経営者に取材、多くの経営者に感銘を受けた経験から、「日本を支えているのは中小企業とその経営者」と確信し、敬意を抱いている。『経営者会報ブログ』サイト編集部員も兼ねる。

詳細へ

<<  2024年11月  >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

コメント一覧

最新トラックバック

  • 「勝ち続ける会社をつくる起業の教科書」を参考にさせて頂いて講義を from フレキシブルチューブ、ベローズの三元ラセン管工業株式会社 高嶋 博 社長の日記
    恥ずかしいんですがリユース業の市場がこんなに大きく、それを扱う企業がまた大企業になっていることを、この本を読むまで知りませんでした。 株式会社トレンジャー・ファクトリー、東証1部上場で2017年2月期の売上高が132億円、店舗数142、従業員(正社員)511名、創業以来20年連続増収の会社の代表取締役社長の野坂英吾さん44歳がこの6月に日本実業出版社から、資金30万円から100億円企業を作っ
  • 熊本地震 「餃子の王国」の支援をお願いします。 from ベローズ 案内人
    熊本の双和食品工業㈱の高尾幸子社長さんは、私と同じ当初からの経営者会報ブログの会員さんです。 この双和食品工業株式会社さんの工場も熊本地震の被害にあいインフラが整うまでの間、工場が操業できず、ようやく工場が動くようになったそうです。 それまでの状況...
  • 熊本地震・双和食品工業【餃子の王国】さんを支援願います from (株)京都工芸【タオルはまかせたろ.com】 タオルソムリエ 寺田 元 の日記
    こんにちは。【タオルはまかせたろ.com】タオルソムリエの寺田です。 経営者会報ブログサロンを運営する事務局である日本実業出版社から 連絡が来たのは昨日のことである。 サロン立ち上げ初期の頃からブログで発信し続けておられる 双和食品工業株式会社の高尾幸子社長の会社が被災されたという情報が 回覧されたのだ。 熊本発のネット通販で餃子といえば 双和食品工業株式会社 さんで 熊
  • 「ネジザウルスの逆襲」と「吉田基準」の紹介 from フレキシブルチューブ、ベローズの三元ラセン管工業株式会社 高嶋 博 社長の日記
    大阪産業創造館が2013年から始めている、ものづくりの現場で働く若者を取り上げた「ゲンバ男子」が話題になり、幻冬舎から、この12日に40人の若者を紹介した「ゲンバ男子写真集」として発売になります。 我社の若者も紹介されています。 今日はその写真集ではなく日本実業出版社の新刊書2冊、どちらも自社の製品がなぜ売れ続けているのか? その秘密が書かれています。  一冊目は、「e製造業の
  • タビオ 越智直正会長講演 from 次代を創る製造業 特殊変圧器メーカー 治部電機株式会社 代表取締役 治部 健 (じぶけん)日記
     タビオ 越智直正会長の講演に出席しました。 経営者会報ブログ【取材日記】2009年1月19付でも紹介されていました。  現役で経営理念浸透にご尽力されている背景をリアルタ...